アフォーダンス入門 知性はどこに生まれるか (講談社学術文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061598638

感想・レビュー・書評

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  • アフォーダンス理論は思っていたよりもすんなりと理解できたが奥深くて興味を持ってよめた。具体例、とくにダーウィンのサンゴ礁、ミミズの研究についてが面白かった。

  • 【レビュー】読了してもどうもスッキリしなかった。ダーウィンの研究結果を起点にして「アフォーダンス」の概念が説明されていく。その規定概念については理解できた。ただ、そのような概念を規定することで、規定しない場合と比べて具体的にどのようなことが成し遂げられるようになったのか、その点について詳しく述べられていなかったために、最後煙に巻かれたように感じてしまったのかもしれない。

  • アフォーダンスとは、「環境が動物に提供するもの、用意したり備えたりするもの」であり、わたしたちの行為を導くリソースである──ちょっとわかりづらいこの理論を、ダーウィンが明らかにした動植物の生態などの実例を交えながら説明した入門書。
    アフォーダンス云々以上に、ミミズの生態の話─一年間に1エーカー当たり1000トンの土をかきまぜている!─とかの話に心を奪われてしまいましたが、あたらしいものの見方を提供してくれるいいきっかけの一冊だと思います。

  • デザインとかに興味を持ち始めてから、
    ずっと気になっていた「アフォーダンス」についての入門ということで読んだ。

    今は、
    「モノなどから、人間が見出す価値」という意味で使われている(と思う)が、

    本来は、
    「環境に実在する動物(有機体)がその生活する環境を探索することによって獲得することができる意味/価値」
    という意味なので、

    生物の本の感じがし、高校以来生物にトンと疎かったので、しんどかった。

  • 皆さんが仰っておられた通り、ミミズの件は面白かったが、アフォーダンスについてはもう少し他の本も読んでみたい気持ちにさせてくれた。

    第1章 さんご礁の心理学
    第2章 生きものはこのようにはふるまわない
    第3章 「まわり」に潜んでいる意味―アフォーダンス
    第4章 知覚する全身のネットワーク
    第5章 運動のオリジナル
    第6章 多数からの創造

  • アメリカの心理学者ジェームス•ギブソンが造った造語、アフォーダンス。『環境が動物に提供するもの』をダーウィンの研究等を紹介しながら平易な言葉で紹介した本。人間を含む全ての生き物のまだまだ知らなかった一面に面白さを感じた!

  • 岩波のブックレットの方も、直球勝負でインパクトがあったが、この本は別の意味で、インパクトがあった。それはダーウィンの生物をありのままに観察する、その虚心坦懐さである。ダーウィンとギブソンが重なるとは!!!である。

    以下、気になった記述。
    ・行為は何もない「空間」ではなく、アフォーダンスの充満しているところ、すなわち「環境」でおこなわれている。
    ・(ベルンシュタインの「協調」をうけて、)1980年代以降の運動研究のモデルは「指令からシステムへ」という方向へと大きくシフトしつつある。
    ・ダーウィンが見たかったことは二つのこと。一つは植物にも動物にもあるはじまりの「ありのままの運動」、そしてそれがその後にたどらざるをえない変化の運命。
    ・ギゼリンの「ブルート・ファクツ」
    ・なぜ行為の発達を見るときにブルート・ファクツからはじめなければなないのか。その理由の一つは、はじまり(オリジナル)の動きから観察を開始しないと、結果から動きに起こっていることを説明してしまうという誤りを犯す可能性があるからだ。(悪い例:ピアジェの赤ちゃんのリーチング)
    ・ダーウィンのメッセージ:ぼくらが行為(生き物)に観察できることは「はじまり」と「まわり」と「始まりからの変化」しかない。
    ・知覚情報には自分以外の「外部」についての情報と、自分の身体についての情報という、二つのことが、切り離せないかたちで存在している。
    ・身体は環境と多重に接触している。
    ・世界には知覚システムをこえた複雑な情報がある。
    ・(解説)ブルート・ファクツから見ると、SSTがなぜ失敗するかの考察が面白い。

  • すいません。理系すぎて理解不可能。
    もうすこし、心理学的アプローチかと思っていたけど、これはもっと、理系の男脳的な話ではないかと。相対性理論とか、そういうのん??私にはわかりませんでした。アフォーダンス本から撤退します。

  • 最初延々とサンゴの話が続いて心配になった。その後も更にミミズの話が長々つづくけど、読み終わればちゃんとアハ感がある面白い本。

  • アフォーダンスとは・・ある特定の生物にとって、その環境が持つ意味、役割、機能のことであろうか。植物のツルが螺旋を描くこと、ミミズが土壌を盛り上げて地表の物を埋めていくことは、それぞれが目的意識を持って行動しているわけではないが、シンプルな生物の動作パターンが環境のアフォーダンスと相互作用を起こし、結果として種々の状況にその生物を適応させる。そこには因果律や目的論によるシンプルな内的システム構造は無く、ただあるのは主体と環境を合わせた全体システムの中での交信である。そこに知性を見るのかどうか・・?

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著者プロフィール

1952 年生まれ。東京大学大学院情報学環・教育学研究科教授を経て、現在、多摩美術大学美術学部教授。アフォーダンス研究の第一人者として、脳科学、哲学、建築、絵画、スポーツなど各界からの注目を集める。著書に『あらゆるところに同時にいる』(学芸みらい社)、『新版 アフォーダンス』(岩波書店)、『レイアウトの法則』(春秋社)、『時速250km のシャトルが見える』(光文社)など多数。訳書にJ・ギブソン『生態学的知覚システム』(東京大学出版会)などがある。

「2024年 『最新講義 アフォーダンス 地球の心理学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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