鉄鼠の檻 (講談社ノベルス)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (826ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061818835

感想・レビュー・書評

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  • シリーズを最近読み返しています。
    覚えていない部分も多々あって改めて楽しめました。
    宗教観になかなか頭がついていかないけど、毎回のごとくそういったディディール部分が事件の本質とは少し離れたところにあって、殺人それ自体とは関係がない(ない訳ではないけど、事件を飾る要素としての機能が強い)という構成がやはりとても面白かった。

    それは兎も角として、美しいと表される坊主方々の見目が気になって仕方ないですね…

  • 【由来】


    【期待したもの】

    ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。

    【要約】


    【ノート】


    【目次】

  • 狂骨の夢に続き読みました。読み応えありまくり。でも狂骨の夢のほうが好きだったかもしれない。登場人物が多く、ストーリーが長くて伏線が回収できているのか覚えていられない笑。複数回読むタイプの人間ではないので、そもそも京極夏彦の作品は不向きなのだろうか。
    それにしても今回は宗教関連の知識が莫大で、ちょっと間延びしてしまったかな。

  • 百鬼夜行シリーズ第4巻。

    狂骨の夢では真言宗立川流や基督教、
    フライト心理学などに焦点を当てていたが
    本作は禅宗へと大きくクローズアップしている。

    怪異への恐れなどとは無縁の男、京極堂こと中禅寺秋彦が
    戦う前から負けていると語る。

    禅宗の雲水達が釈迦如来、達磨法師から
    脈々と受け継ぎ続ける
    禅では修証一等とし修行と悟りを表裏一体とする。
    修行即ち禅においては黙して唯、座する事に
    重きを置くのみ。
    彼らには京極堂の操る言霊の力などとは
    無縁なのだ。

    普遍宗教への敬虔な信仰心は
    道徳、純潔さを前提にしているように思える。
    しかし山中の牢獄、檻 と化した明慧寺へと捕えられた
    禅僧達は自身も知らず知らずのうちに
    破戒僧へと堕落して行くのである。

    宗教と科学の禁断の融合。
    男色。姦淫。近親相姦。

    皮肉にも山中へ結界を巡らせて
    古来よりの伝統を重んじ
    最も敬虔な信仰を続けてきた高僧こそが
    阿鼻の地獄へと続く
    連続殺人、阿羅漢殺害という
    破戒を犯して行く。

    真の明慧寺の魔力は結界の力が
    さらなる後継者へと受け継がれる
    定めだったことであろう。
    故に京極堂は戦前での敗北を
    認めざるを得なかったのだ。

    しかし、本作での最も印象的なシーンは
    13年の時を隔てた親子の邂逅であった。
    それは複雑に絡む感情があろうとも
    父のの対面の瞬間であるはずだった。

    しかし真実は地獄へと身を落とされた
    積年の怨念の焔へと
    夏の虫の如く飛び込んでしまった
    愚かな行為なのであった。

    冷や水を浴びせられたというのは
    まさしくこういうことなのであろう。
    本の中から暗黒に黒々とした
    瞼が視えてきたような気さえもした。

    暫定、魍魎の匣に次ぐ傑作。

  • 犯人当てようと思って読んだけれど分からなかった^^;
    面白かったです。

  • 次は禅宗の宗派(?)の話と、悟りの話が延々と。

    特に悟りの話は、ほとんど理解できなかった。

    まあ、言葉では理解できないものって書いてあったし。



    久遠寺先生、今後も出てきそう。

  • 個人的にはシリーズ最高傑作だと思います。キャラクターメイクの筆の冴え方が半端ではない。

  • シリーズ内では特に好きでした。物語の舞台が面白くて。ストーリーや構成、ミステリー部分は、などと言い始めたら、シリーズ中ではこれより他に優れてる作品もあると思いますが、どれが好きかといえばやっぱりこれ。お寺&お坊さん、最高(好き)。

  • 何をトチ狂ったか、初めに手を出した京極作品がこれでした。おかげさまで姑獲鳥の夏が薄く感じた。
    山中の謎めいた寺というロケーションと印象的な登場人物、京極堂の膨大な薀蓄に、それが事件と密接に結びつき読む側も憑き物が落ちるという構造にどっぷりのめり込みました。百鬼夜行シリーズ内ではおそらく1番好きな作品です。この厚さを厚いと感じさせない筆力がすごい。
    余談ながら、最初に読んだ京極作品が鉄鼠の講談社ノベルス版だったので、シリーズ通してついつい講談社ノベルス版で集めています。文庫版の表紙の張り子も素晴らしいのですが、やっぱりノベルス版が落ち着きます。

  • 【351】

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著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『虚実妖怪百物語 序/破/急』 ほか多数。

「2023年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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