モロッコ水晶の謎

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061824188

作品紹介・あらすじ

推理作家・有栖川有栖の眼前で起きた毒殺事件に、臨床犯罪学者・火村英生が超絶論理で挑む表題作ほか、クリスティの名作「ABC殺人事件」をモチーフに書かれた、連続挑戦予告殺人を追う「ABCキラー」、誘拐殺人の陰に潜む悲劇を描く「助教授の身代金」など、研ぎ澄まされた論理が光る有栖川本格全4編を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 表題の「モロッコ水晶の謎」はイマイチ。えー、そこで占い出てくるの!って感じ。
    「ABCキラー」と「助教授の身代金」は割と好き。でも一番好きなのは、わずか5ページの「推理合戦」。クスっと笑える軽い話。

  • 外国別物で、お薦めを教えて頂きたい。

  • 面白かった〜!
    アリスシリーズの中でも読後感の良さは随一。
    特に表題作であるモロッコ水晶の謎は一枚の地図に思える。異国を思わせる絢爛な建物で火村英生や有栖と共に砂漠に埋もれた謎を探し彷徨う楽しさがあった。

  • ラブストーリーの助教授役でヒットを飛ばしたかつての俳優が、誘拐され。犯人の電話を受けた別居中の妻は夫の安全確保だけを祈り犯人の指示に従っていたがやがて夫は遺体となって発見された。(『助教授の誘拐』)クリスティの小説のように、Aの街でAの男が、Bの街でBの女が殺される事件が続いた。犯人らしき人間からの挑発状も届き、火村たちは捜査を急ぐが……(『ABCキラー』)書店の社長を影から支える占い師の女と仕事を通じて知り合ったアリス。その縁で身内だけで行われる社長の誕生日パーティに招かれるが、そこで娘の婚約者が毒殺されて……(『モロッコ水晶の謎』)
    火村と先輩作家朝井女史が推理合戦を繰り広げる掌編含む四編収録。

    国名シリーズ第八弾。観察者、第三者の存在が大きい中編三つ。

  •  『ABCキラー』は、初出の『「ABC」殺人事件』で読んでいたんだけれど、もうすっかり忘れてて、初めて読むような気持ちで読みましたよ。
     てか、最近『絶叫城』を読んだせいか、『ABC』のほうが、より古い作品だと思ってたのに、『絶叫城』より新しかったのね。
     それと、この作品で初めて因幡さんが登場するのね。

  • これはアンフェアといわれかねない作品が
    2作品ほどまぎれていますね。
    はっきり言って表題作には
    トリックなんぞありません。
    タネなしでやった手品みたいなもの。
    ええ、深い理由も微塵もなし。

    犯行理由はまあ切ないですよね。
    でもわからないでもないかな。
    にしても、そこまでやるかという感じ。

    「ABCキラー」に関しては
    人によってというかかなりきわどい代物。
    正直これは犯人の推測が
    部分的にしかできなくてもしょうがない。
    いわゆる犯行擬態という形だもん。

    ちょっとこれは好き嫌い分かれるなー。

  • シリーズを追って読んでいる本。

    推理合戦が面白かった。
    他の本が引用されてると、ちょっとネタバレになるのが悔しい。
    でも、面白いので読んでしまう。

  • 2016年6月14日読了。著者の分身・推理小説作家の「有栖川有栖」と犯罪研究家の助教授・火村英生が難事件を論理的に解決していく短編集シリーズ、私は初見。「論理的な解決」をうたっているだけに事件の裏側が少々トリッキーに過ぎるように感じ、個人的には今ひとつ…。「連続する事件を途中で別の人物が引き継ぐ」というのは定番のトリックなのね。ただ表題作の「犯行動機・手段の特殊性」を「舞台の特殊性から導かれる必然性」に結びつけてみせる手腕には、読んでいる間はピンとこなかったが読み終わって考えてみて感心させられた。「双頭の悪魔」しか読んだことがなかったが、他の作品も読んでみたい。

  • 国名シリーズ8。4編。ドラマになったものなど。

  • 【図書館本】この中では表題作が一番お気に入り。「推理合戦」も捨てがたいけど。 火村とアリスが絡んでれば絡んでるほど楽しめるので、もっともっと絡んでくれ。そんでアリスが空回りしてる姿があればなお美味し。……そんなことを思いながらこのシリーズ読んでるなんて不純だとは自分でも分ってるけど……。それがこのシリーズの魅力だもんね! (誰に言ってるんだか……)

  • 3つの中篇と1つの掌篇。火村&有栖川のコンビは相変わらず事件に巻き込まれっぱなしだ。

    「助教授の身代金」 は読み始めると止まらなくなる。リアルタイムで進行しているかにみえる誘拐事件の顛末。

    「ABCキラー」 の繋がりが見えた瞬間は気持ちが良い。アガサ・クリスティの「ABC殺人事件」もちゃんと読んでみよう。

    「推理合戦」は5ページ弱の掌篇だが読後感が良かった。人の死が絡まない切れ味の良い推理がポンポン飛び出す。

    タイトルにもなっている「モロッコ水晶の謎」は、モロッコ水晶ゆえの謎だ。他の国名シリーズでは使えないであろうトリック。

    島田荘司が生み出した御手洗&石岡と比べて火村&有栖川はキャラが少し弱いように感じてしまう。ただ、そのぶんミステリーの中身を純粋に楽しむことができるし有栖川氏のクセのないまろやかな文章はとても好き。

  • 作家アリス国名シリーズ8作目。
    「助教授の身代金」火村先生が誘拐される話ではありません。
    「ABCキラー」はクリスティの「ABC殺人事件」をモチーフにしているということで、もしネタバレがあったら嫌なので読まなかった。「ABC殺人事件」を読んでから読もうと思う。
    「モロッコ水晶の謎」は火村が犯人に目星をつけた理由がよくわからなかったし、動機が弱すぎると思った。でもモロッコのエキゾチックな描写は素敵でした。グラスに毒を盛られるパターンのミステリはたくさんあるけど、色々な見せ方があるもんだと感心してしまった。
    超短編の「推理合戦」がお気に入り。

  • うーん……。
    ちょっと釈然としない話があったな……。

  • やはり短篇集だと二人のコンビの活躍がいまいち少なくて残念。表題作が一番面白かったです。しかし、命がけの殺人だなあ(^=^;

  • 再読。作家アリスシリーズ15作目/国名シリーズ8作目。
    この作品は「ABCキラー」が一番好きです。
    お馴染みの兵庫県警、大阪府警、京都府警が全て絡むというのがまず特筆すべき点でしょうかね。
    樺田警部と船曳警部の初対面シーンににまにましてしまうのは私だけでは無いはず。
    クリスティの『ABC殺人事件』を巧く使っていて、お気に入りの1編です。
    「推理合戦」もページ数こそ少ないものの楽しめる作品ですね。
    朝井女史、ばっちり目が覚めただろうなぁ(笑)
    余談ですが、アリスと火村のブルース・ブラザース、見てみたいぞ。
    ちょっとだけ。

    【メモ】「ABCキラー」にて因幡の白兎初出。

  • 短編4作。
    『助教授の身代金』
    『ABCキラー 』
    『推理合戦』
    『モロッコ水晶の謎』

    表題のモロッコ水晶の謎は……どビックリな結末。
    いや、論理的にはそうだけど、根本にある論理が傍目からは不確定だ。
    それが「信仰」という事なのか?

    ABCキラーが一番ドキドキしたかな?
    クリスティファンなので(笑)。
    最後は切なかったけど。

    でも、作中に紹介されているABC殺人事件内でのポアロのセリフは凄い。
    確かにそうだけど、そんなに達観は出来ない。
    作中の有栖川先生の言葉をそのままお借りするならば

    「すごいよ、エルキュール・ポアロ。そしてアガサ・クリスティ。」



    どの作品も、思いもよらない展開で最後に驚かされる。
    火村先生と有栖川先生の関係も好きvvV

    (2013/2/2 読了)

  • 4編収録☆掌編の『推理合戦』と表題にもなっている『モロッコ水晶の謎』が好き(。・ε・。)ノ切ない話だった。相変わらず火村先生かっこよいですな。有栖は相変わらずナイスボケですな。

  •  中編が三つ、掌編が一つ。表題作の「モロッコ水晶の謎」と一番初めの「助教授の誘拐」はメフィストで読んだことがあった。
     有栖川らしい、というか、普通に面白かった。謎も論理性もきちんとしている上に、キャラクタが良いから読み物としても面白い。そこが有栖川のいいところなんだろうなぁ、と。本格ミステリは下手をすると謎や論理に拘りすぎて人間味が欠けてしまうけど、有栖川においてはそういうことはないんだろうな。
     中編の中で一番好きなのはやっぱり「モロッコ水晶の謎」。そういう犯罪の仕方があったか、と衝撃を受けた。論理性に欠けるかなと思わないでもないが、別に作家アリスシリーズは犯人当てをしているわけでもないからいいんだろうね。
     ただ全体としてみると実は掌編「推理合戦」が一番好き。八ページくらいの本当に短いものなんだけど、朝井小夜子女史が出てくる。作家アリスシリーズを通して読んでないと駄目かも知らんが、キャラをよく知っている人が読めば十分楽しめる掌編。
     どうでも良いけれど、巻末に載っていた有栖川有栖の作品一覧。小説だけチェックしたら、『暗い宿』以外は読んでいるにもかかわらず、持っていない本が10冊近くあった。ちょっとビックリ。

    05.03.12

  • 初めての火村シリーズ
    表題作は、占い師が結構重要な役割で出てくるので、
    探偵役が江神さんだったら、(『女王国の城』とかぶるが)精神的に厳しい結末だったろうなと思いました。
    でも、トリックというか…結末はうーん…。
    いっそのこと、犯人がジュースを飲むもう一人も殺しても構わないと思っていて、三つとも入れて自分だけ飲まない…という風にしたほうが納得できる。でも、それだと意外性も何もないか。一人だけ飲まなかったら、それだけで犯人を特定できてしまうしね。
    モロッコとか水晶とか、幻想小説風な道具立ては素敵でした。
    有栖川先生は、占いに関しては、全くの否定ではないのかな?
    霊能者についても、けっこう詳しく調べていると思う…。
    江神さんの予言がどうなるか、第五作が書かれる日がくるのか気になります。
    でも、最近、第5作が書かれなくてもいいか~と逆に。
    江神さんは永遠に学生で、卒業後はサハラ砂漠に旅立つかもしれない…というところで完結しなくても、それはそれでいいかもしれない。
    すいません、火村シリーズとは関係ない話ばかりで。

  • 図書館より。
    作家アリスシリーズの短編集。

    一番好きなのはショートショートの『推理合戦』
    アリス、火村そしてアリスの先輩作家の三人での飲みの席で火村が最近先輩作家の訪れた場所を当てたことと、先輩作家が火村の車の故障を当てたことについてアリスが迫る話。

    殺人事件の起こらないどちらかというと日常の謎系統の話ですがオチが見事に決まっています。クスリと笑わせてくれて癒してくれる話です。

    不可思議な毒殺事件に挑む表題作の『モロッコ水晶の謎』もアリスと火村のやり取りが冴えていて何度もにやりとさせられました。

    本格ミステリとしては正直「んん?」と思わなくないこともないですが、最近占い師だか霊能者だかが世間を騒がしているせいもあってか、犯人の異常性に妙にリアリティを感じてしまいました。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    推理作家・有栖川有栖の眼前で起きた毒殺事件に、
    臨床犯罪学者・火村英生が超絶論理で挑む表題作ほか、
    クリスティの名作「ABC殺人事件」をモチーフに書かれた、
    連続挑戦予告殺人を追う「ABCキラー」、
    誘拐殺人の陰に潜む悲劇を描く「助教授の身代金」など、
    研ぎ澄まされた論理が光る有栖川本格全4編を収録。

    +++++++++++++++++++

    国名シリーズの何作目か。
    短編集は全部読んでいると思うのでたぶん再読。
    今更だけどわたし火村&アリスのシリーズはあんまり好きじゃない。
    本格ミステリの体で結果は安っぽい2時間サスペンス調
    だったりして残念に思うことが多い。

    特に表題の作品は終盤にだだーっと解決してしまった風で
    推理を楽しむことが出来なかった・・・動機もなんだか特異な感じ。

  • 再読

  • 有栖川有栖って有名だよね!ってことで読んでみよう企画。最初はやはり短編集からでしょう。ということで。

    …物凄いハマった。
    助教授かっこいい!素敵!アリスはあだ名なの?名前そのまんまだけど良いの?カタカナ表記しただけでここまで仲良し加減が出せるとは!

  • 推理合戦は面白かったけど表題作がちょっとなぁ…。

  • マジか?

    引用文にもある台詞がとてもとても切なうございました…健気だなおめー…。

  • 実は再読。

    国名シリーズの短編集。
    一番好きな話は超短編、友人作家の連載話。

  • 手のひら編がめちゃくちゃ好き! あとABCキラーの最後の火村が良かったなーと思います

  • ・助教授の身代金
    ・ABCキラー
    ・推理合戦
    ・モロッコ水晶の謎

  • 有栖川の国名シリーズ。短編集。割と軽めの作品が中心だった。

  • 短編は秀作揃いなのだけど、今回は中篇程度で結構読むのが疲れた。題名にもなってるモロッコ水晶のトリックがなんというか、それは推理とは言わないだろうと期待外れすぎてがっかり。割とくだらない解決も多い短編だけど、今回の火村さんはキレが無かったなぁ。もっとサクサクしてたほうが気持ちいい。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。89年「月光ゲーム」でデビュー。「マレー鉄道の謎」で日本推理作家協会賞を受賞。「本格ミステリ作家クラブ」初代会長。著書に「暗い宿」「ジュリエットの悲鳴」「朱色の研究」「絶叫城殺人事件」など多数。

「2023年 『濱地健三郎の幽たる事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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