テロリストのパラソル

著者 :
  • 講談社
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感想 : 87
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  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062077972

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  • 第41回江戸川乱歩賞 第114回直木賞

    史上初のW受賞だとか。

    バーテン。やくざ。酒に暴力。そして男同士の友情。
    乾いた感覚。短めの文章の集結。
    なんともハードボイルだ。

    60年代末期に起こった学生闘争から始まった二人の男と一人の女の人生。

    リアルタイムで経験してない学生闘争のことは、理解しがたい部分もあるんだけど
    とにかく緻密で小難しくない文章は読んでてスムーズだ。

    登場人物たちも皆個性的で魅力的。
    「偶然」が多いのだが、そんなことも彼らの運命だと思わせる。

    しかし、これミステリーとしてはどうだろう。
    事実を隠してのストーリー展開。
    主人公が謎をとくときに、隠してあった事実を事後報告のかたちとして出す手口は
    ミステリーファンとしては、どう思うのだろうか。

    あたしはミステリーだとしても推理しながら読んだりすることは
    ほとんどないので、とくに支障はないのだがね。
    ちょっと気にはなった。

    ( ・_ゝ・) < ハッピーエンドとなるのかどうか・・・・なのにスッキリ!

  • おもしろかった、よくできた推理小説。
    主人公と、奇妙なやくざの浅井のやりとりがいいなと思った。

  • 相棒のヤクザが少し優しすぎるのでは?
    あとホットドッグ

  • ゴールデンウィーク前後の通勤で読みました。
    こうちゃん一押しだったので期待して読みました。
    うーん、予想より普通。期待しすぎたかな。
    でも、先が気になって読んじゃいました。そういうのはまってるって言うんでしょうかね。

  • 何層にも話がなっていて面白かった。
    作者は夜な夜なウィスキー片手に
    ミステリーを読むことが至福のひとときと
    語っていたが・・わかる。

  • さすが、史上初の江戸川乱歩賞と直木賞同時受賞作。非常に面白かった。

    アルコール中毒・爆弾テロ・ヤクザなど、裏世界の陰鬱な空気ではじまり、そのまま最後まで進んで行く。

    アル中でどうしようもない男の中に眠る正義感。
    なんとか真実を知ろうと懸命に情報を集め知恵を絞って犯人に立ち向かう。
    ドキドキ感を失わないまま事件は解決に向かい、最後の終わり方も最高。

    冒頭にも書いたように終始陰鬱な空気を保ったまま、
    それでも最後まで決して飽きさせない著述力はすごいと思う。

    最初こそ描かれている世界観に抵抗があるが、ハマると抜け出せない。名作です。

  • ハードボイルドとしてもミステリーとしても名作と謳われるのは分からなくもないが、
    時代背景も含めてのテーマにピンと来ず、普遍的な物語の枠を超えられなかった。

  • 出だしの、飲んだくれ主人公と少女との会話にやられました。
    正統派ハードボイルドです。

  • 史上初!直木賞&乱歩賞W受賞の名に恥じない傑作。
    読み始めたら止まらないから要注意です。
    残念ながら藤原さんは他界されています。もう少し藤原さんの作品を読みたかったなぁ。

  • 「ダックスフントのワープ」以来、麻雀に現を抜かしながら雌伏していた藤原伊織の復活作である。これは出版時と直木賞受賞後の二度にわたってサインをと言うか、サインは一つだがコメントを入れてもらった。

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著者プロフィール

1948年大阪府生まれ。東京大学仏文科卒。85年「ダックスフントのワープ」ですばる文学賞を受賞。95年「テロリストのパラソル」で江戸川乱歩賞、同作品で翌年直木賞を受賞。洗練されたハードボイルドの書き手として多くの読者を惹きつけた。2007年5月17日逝去。

「2023年 『ダナエ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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