変愛小説集

制作 : 岸本 佐知子 
  • 講談社
3.75
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本棚登録 : 592
感想 : 77
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062145442

作品紹介・あらすじ

現代英米文学のなかから、変愛かつ純愛小説を集めたアンソロジー。

感想・レビュー・書評

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  • 行きつけの図書館で岸本佐知子で検索して1、2と連作だったので借りてみました。
    読んでてなんでこれが恋愛小説集なのだろうと訝しくなりマジマジと表題を確認。おっと恋愛ではなく変愛だった!なるほどーーー納得。岸本さんが普通の恋愛小説を編集するなんて何でだろうと思ってたのでほっとした(笑)
    私の好きな岸本さん、さすがの選集です。面白かったり、少しグロかったり、生々しかったり、薄ら寒かったり、キモかっとりと選り取り見取りでちょっと変な全方向から楽しめるまさに変愛小説集です。最近、こう、ちょっと変てこなジャンル読んでなかったので楽しめました。さ、次 2読むよー。

    イチオシは宇宙服になっちゃうやつ。僕らが天王星につく頃。ドキドキハラハラして残る。

  • いやぁ〜、楽しませていただきました。俺的に岸本佐知子さんは、ナンバー1アンソロジストに決定!噴き出す場面もあるけどグロテスクな味わいもある『リアル・ドール』がお気に入り。収録されている作家の短編集も面白そうだ。

  • 岸本佐知子さんが翻訳された本を読んでみたくて。かなり変わった愛の物語が11話。「僕らが天王星に着くころ」が変で不思議だけど、切ない感じで好きな話だった。「リアル・ドール」の男の子の愛は異常すぎて苦手。

  • #奇想に中毒して、後半のベイカーやバドニッツがいたってまともに見えてくるから不思議。一編選ぶとしたら、まっさきに「獣」を。これを〈変愛〉のアンソロジーに入れてしまうあたりが、編者を無条件で信頼でき、かつ心は許せないところ(笑) P164の「猫みたいに父の手をぐいぐい頭で押し上げ」にズキズキ(7行目は誤植?)。

    #短編集を訳出して欲しいのはレイ・ヴクサヴィッチ。下半身が自転車の新しい種族、ってそれもう、穂村弘の短歌じゃん! 「僕らが天王星に着くころ」もじつに穂村弘的な。他、「五月」「ブルー・ヨーデル」もよかった。

    (2009/10/18)

  • 何かを求める心についての短編集。自分が欲深過ぎるせいか、いわゆる恋愛のバリエーションであるような話には(不思議ちゃんのドヤ顔が思い浮かばれて)あまり興味を引かれなかったけれど、以下の4編はよかった。

    レイ・ヴクサヴィッチ「僕らが天王星に着くころ」奇想とごく普通の人間関係のブレンド具合がいいかんじ。
    ジェームズ・ソルター「最後の夜」わりとありそうな話なんだけど、文章がひやっとしててはっとさせられる。人生を「何も考えずにただ読み進む」ってこわい。
    ニコルソン・ベイカー「柿右衛門の器」あ、それやっちゃってもいいか!という気づきが気持ち良かった。
    ジュディ・バドニッツ「母たちの島」男だけ・女だけの息苦しさ。このあとあの4人組はどうなるのか、長編で読みたい。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「不思議ちゃんのドヤ顔が思い浮かばれて」
      まぁ「変愛小説集」ですからね。
      「柿右衛門の器」コレは最高ですね。ニコルソン・ベイカーは「もしもし...
      「不思議ちゃんのドヤ顔が思い浮かばれて」
      まぁ「変愛小説集」ですからね。
      「柿右衛門の器」コレは最高ですね。ニコルソン・ベイカーは「もしもし」が結構好き。
      2012/09/24
    • なつめさん
      ニコルソン・ベイカーは大昔何冊か読んだはずなのですが全然内容を覚えていないのです。再読が楽しみです
      ニコルソン・ベイカーは大昔何冊か読んだはずなのですが全然内容を覚えていないのです。再読が楽しみです
      2012/09/24
  • バリエーション豊かで楽しい短編集。
    以下気に入った書き手の人。

    アリ・スミス「五月」 
    「あのね、私木に恋してしまった。もうどうしようもなかったの」この本のド頭です。これでがっちりつかまれてしまいました。
    1人称で饒舌にドライブしていく感じが好き。

    ジェームズ・ソルター「最後の夜」
    岸本佐知子さんの言葉を借りれば「激苦」な短編。
    夫婦のダークサイドを異常な緊張感で描いていて、良し。

    全部変だけど、愛についての話です。
    故にカッティングエッジかつポップ。ドープかつキャッチー。
    素晴らしいと思います。
    ガイブン読まない人にもおすすめできるのではないかと。

  • 愛にまつわる11のアンソロジー。
    どれも理解し難いそれぞれの愛の形だった。時にグロテスクで不気味で、読む者に憎悪すら感じさせる愛。細部まで書かれたそのこだわりが愛を表していた。愛は一筋縄ではいかない。
    1番純愛だと思ったのは『五月』。木に恋をしている彼女ごと愛しているのだと思え、いいラストだった。
    不思議とさっぱりして好みだったのは『柿右衛門の器』。
    『母たちの島』は悲劇でしかなく、ため息をつきたくなるような苦しい話だった。

  • 装画/金氏徹平
    装幀/名久井直子

  • アリ・スミスの「五月」に一番惹かれた
    わたしも木が好きだ
    この物語では、木に恋した瞬間やその恋い焦がれていく心情が綴られ、わたしまでうっとりしてしまう

    すっかりわたしのなかで変愛が根付いてしまった
    恋をしているときは誰もが変なのだ

  • 文学

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