- Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062149181
感想・レビュー・書評
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昭和21年に起きた男児誘拐事件。男の子は戻らず未解決入り。昭和36年女性惨殺事件が起き、15年前の男児誘拐事件と絡み合っていく。昭和21年、戦後の混乱を一生懸命生き抜いている日本、高度経済成長に沸いている昭和36年の日本。人物の書き分けがハッキリせず視点もよく変わるので、途中「どっちの刑事?」とこんがらがりましたが、それぞれの過去と現在が交叉し、楽しく読んだ。
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第54回 江戸川乱歩賞受賞作。身代金目的で金持ちの5歳の息子が誘拐される事件が起き、身代金引き渡し現場で警察は犯人を取り逃がす。時代は戦後直後で国民は混乱中の時代。15年後に普通の生活をしていた女性が殺害される事件が起きて…という話。誘拐された子供は貧乏な母子家庭で生きていたが、真実を母の死に際に告白され本当に気の毒。幼少時代の貧困環境はいつの時代もキツイと思う。
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感動した?ーそうでもないかな。
ハラハラするような話?ーう〜ん微妙・・・。
淡々と始まり淡々と終わったという感じです。
戦後の混乱期、不便不自由の多い時代だったし、
今のような科学捜査もないのだから未解決なのも
仕方ないか。
そういう時代だったからねぇという一言に
すべてが集約されてしまう。
刑事たちの人物像が地味すぎて、
個性がなさすぎるのか、紛らわしいと思いました。
良雄の「俺は、お袋の子供でほんとうによかったと、
そう思っているんです」という一言には救われる。
お母さんも必死に育てた甲斐があるってもんです。 -
なんか、先が読めてしまってあー、やっぱりねーなまとめで、つまらなかった。
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内容は戦後直後の混乱期に発生した誘拐事件が発端となり、新たに発生した殺人事件を境に誘拐事件の犯人やその背景が判明していくというものです。
時代背景が戦後直後というのは良かったのですが、事件直後には解決できず、時効間近の誘拐事件が、ある事件を境に一気に犯人を含め、解明されていってしまうスピード感や偶然性にはちょっと違和感を覚えました。(そんなに簡単に真相までたどりつけるものだろうか?と)
また、誘拐事件の犯人が証拠となるようなものをとっておいたことが、事件解決への伏線になっているという不自然さもありました。
でも、誘拐児であろう主人公が、自分は誘拐児なのだろうか?と気持ちが揺れながら、最後は育ての親を自分の真の母親だと受け入れるくだりは良かったと思います。 -
う〜ん…話としては面白いし、引き込まれる。が、あまりに偶然が多くないかな。意外性や伏線などを盛り込んでいくとこうなるのかな。ご都合主義とまでは言わないが…違う切り口なら感動出来る。
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見た事のない昭和の描写がすっと頭に入って、目の前に再現された。すごい。
最初から主人公がさらわれた子供なんだろうな、と思っていたけど、どうやって真実が紐解かれるかドキドキしながら読めた。
ただ、、お母さんがすぐに本当の家に戻してくれていたら不自由しない豊かな生活を送れたのにと、主人公が母を憎むのではないかと最後までハラハラした。
そんな事よりも愛された記憶が勝ったのかなぁ -
今月の7冊目。今年の52冊目。乱歩賞受賞作。
うーん、人物・情景描写はすごいなーと思ったけど、やはり内容というか先がものすごく分かりやすかったのが、残念。主人公が出す結論もありきたりというか、分かりやすい。もう少し、先が不透明な展開が欲しかった。 -
江戸川乱歩賞。
良雄は悩んでいる。母親が死ぬ間際、自分が本当の息子ではなく、誘拐ーと言い残したからだ。良雄は、15年前の誘拐事件の子どもなのではないかと思い悩む。
一方、女性が夜道で殺された。犯人は何かを探しているらしい。どうやら、誘拐事件の証拠らしいのだがー。
2つの事件が繋がるとき、ようやく真相がみえてくる。
ちょっと期待に外れたかなあ。元々警察小説が苦手なのがきいた。