- Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062149181
感想・レビュー・書評
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主人公が母親の遺言により、自分が実の子供でない事を知ります。しかも誘拐児…。
悩んだ結果。最終的に、主人公が血が繋がっていなくても母親に対して想いを馳せるのは良い感じのエンディングに仕上がってるな〜と思いました。
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江戸川乱歩賞受賞作品ということで読んでみました。
最初は全然読む気なかったけど。
んー。内容的には面白かったけど、納得できない点が多々。
流れはよかったと思うし、最後まで読むのに飽きはしなかったかな。 -
面白くはなかった。戦後の闇市の描写とかはえらく、細かくよく書かれているけど、ストーリーはいまいち。ということで、星二つとなりました。
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「昨日の晩,きみはこう言ったな,お袋が亡くなる前に,何があったのかと」
「ええ,言ったわ」
「六月十日,お袋の容態が急変したあの日だ」
「何があったの」
「俺を真っ暗闇に放り出したまま,それから十五日後に一人で逝ってしまったんだ」
「真っ暗闇——」
幸子が目を見開いた。
良雄はその目を見つめる。
「そうだよ。あのとき,きみが病室から飛び出していって,ほんの一瞬だけ,俺はお袋と二人きりになっただろう。そのとき,お袋が濁ったようなぼやけた目で俺を見ながら,かすれた声でいったんだ,《おまえは,ほんとうの息子じゃないよ。私が誘拐——》と」
(本文p.120) -
新聞の書評にも何度も取り上げられ、すごく面白そうな雰囲気を醸し出しているこの本。最初はドキドキしながら読み始めたけれど、物語が進むにしたがって、どんどん面白くなくなっていく・・。過去の誘拐事件、現在起こった殺人事件、母親の足跡を辿る青年の三つの話が繋がり出す前のほうが楽しんで読めたように思う。まず、展開がグダグダ!!盛り上がる箇所もないし、どこに焦点を置いているのかもボヤけすぎて、締まりがない。しかも、登場人物に魅力が全くなく、誰が誰だ意識して読まないと覚えられないくらいに、競い合う刑事たちに個性が全くない。でも覚えておかなくても特に支障もなく読み進められるっていう・・。犯人に意外性もない。挙句の果てに、警察たち大丈夫かよっていう偶然ばかりに頼った捜査の進め方・・。あと、セールスポイントの1つとなっている時代背景の描写も、昭和21年の様子は楽しかったけれど、「今」である昭和36年にはそれほど魅力を感じず。
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戦後の混乱期に起きた『児童誘拐』の話をさかのぼっていく話。
誰が何処で絡んでいるのかちょっとよく判らないかな?
話の内容的には面白いと思うけど、展開上『何故この人が?』と思う場面もある。
主人公なのに、主人公らしくない存在感とか…
刑事が主役なのか、誘拐された元児童が主役なのか、彼女が主役なのか?
それも込みで『江戸川乱歩章受賞作品』なのかしら? -
終戦後の混乱時に誘拐事件が発生。
15年後に殺人事件がおこり、誘拐事件への関与が疑われる。
場面展開が多く、それはいいんだけど、
偶然性が高いのと、何か読みづらかった印象が残った。 -
終戦翌年に起こった誘拐事件。身代金は奪われたが、子どもは戻らなかった。そして15年後。残忍な殺人事件とある母親の死が、かつての誘拐事件の真相へと刑事たちを導く。第54回江戸川乱歩賞受賞作。期待していたのだが、いまひとつだった。中だるみを感じた。中盤まで緊迫感が欠けていた。真相が解明される終盤はさすがに盛り上がったものの、もうひとひねりほしかった。どんでん返しまではいらないが、もう少しダイナミックな展開を期待していたので残念だった。ミステリとしての謎作りはけっして悪くない。ただ、ストーリー構成には問題があるのではないか。料理にたとえるなら、材料はいいのだが、調理が下手という感じがした。不味くはないのだが凡庸。また食べたいとは思わない。せっかくうまいミステリを考えたのだから、もっと磨きをかけてほしかった。人物描写はどうか。感情移入できるかどうかは別として、主人公・良雄や恋人・幸子の性格設定は悪くない。母・貞世の心情もいい。ただ、刑事たちそれぞれの個性が弱い。それと、良雄が母の遺した言葉にひどく動揺する場面。出自に疑いを抱いたからだが、あそこまで動揺するならばもうひとつ別の理由が必要ではないかと思った。将来、文庫化の際にでも加筆・改訂があることを期待する。
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途中で誰それの紹介で云々の下りで、半ば理解するのを放棄してしまったダメ読者です。すみません。
昭和21年、ある誘拐事件で誘拐された子どもは帰ってこなかった。誘拐された子どものその後と、事件を追う警察官たちの物語。誘拐事件があった昭和21年の描写はリアルなのに、舞台となる昭和36年の描写がイマイチ。また、競い合うように事件を追う警官2組のそれぞれの特徴が希薄。結局どっちがどっちだか、という感じ。 -
第54回江戸川乱歩賞受賞作ということで。終戦翌年の誘拐事件、ごった返す闇市での身代金受け渡し、お金は取られて人質は返らず。それから15年後、昭和36年を舞台に過去が解き明かされる、みたいな感じ。自分は誘拐された子どもなんじゃないか、死んだ母親は本当は犯人だったんじゃないか、と、茫然自失、精神的におかしくなるぐらい悩むには、主人公はトシ食い過ぎてるんじゃないかなと。あとは何故この人をこうもあっさり信じてしまうんだ、シムラ後ろ的な部分とか。