- Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062155489
作品紹介・あらすじ
詩誌『エウロペ』の編集者で詩人、井崎修一。類い稀な美貌と傲岸さを併せ持つ少年詩人、月原篤。篤の作品投稿をきっかけに二人は出逢い、互いに奇妙な愛憎を抱きながらも、次第に打ち解け合っていく。やがて篤は「世界の果て」を求めて、単身イタリアへ旅立つ。遙か異邦の地より、井崎に届けられる篤の私信。しかし、一年ののち、彼は一通の手紙を最後に消息を絶ってしまうのだった。若き詩人が異国で見出した「世界の果て」とは、果たして何だったのか。井崎は篤の残した詩と私信から、彼の生の軌跡を「小説」に刻もうと試みるが-。
感想・レビュー・書評
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諏訪さんの作品はどれも着眼点や発想が興味深い。
そして、テーマを効果的に表現するために構成や手法に拘っているところも凄いと思う。
かなり変わってはいるけれど、もっと評価されても良い作家さんだと思う。
今回は「皮膚と心」
同じテーマの他の作家の文章なども出てくる。
人を目に見える形に成す肉体というものについて、外面と内面について。
それから夥しさが齎す気持ち悪さについて。
気持ちの悪い漢字についての記述。
まず「田」があって、それよりも気持ち悪いのが「回」さらに「凡」「丹」最終的に「母」という文字に行き着く。母との関係という側面もありつつ、文字としても影響を与える。
一文字ではなんてことないけど1ページにぎっしり「母」が埋め尽くされると、確かに気持ち悪い。1ページに同じ漢字を並べるという酔狂なところが諏訪さんらしくていい。
他の作品もそうだけど、ちょっとおかしいところ(哲学絡みのこじれ感とかヤバいというか気狂い感というか)が唯一無二で、私は結構好き。
'' そもそも、内面なんて、外面の裏側でしかないのではなかろうか。本当は、種や仕掛けなんてどこにもありはしない。でも人は、隠すことで自分の本性を美しくほのめかす。たとえ隠すものがなくても、ほのめかすことならできる。ほのめかし方次第で、人は自分をどんなカリスマに仕立てることさえも不可能でなはない。
日本という国の、あらゆる美徳が、この操作によってかたちづくられていることを、僕は知っている。'' (p261より抜粋)
エグい性器や性癖についての部分は流し読みしました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
年若い美貌の少年詩人に惹かれた編集者の男…彼への愛欲と彼の狂おしい詩才はどこへ向かうのか…???詩と性を巡る幻想奇譚。
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この感想を書くのは難しいなあ。
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エロい!
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こんなに性器に名称があるのかともはや圧巻である!これは作者楽しんでいるな、とすら思える。
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夢のようなエロスの世界。
現実的な場面もあるのにどこか浮世離れしていて
そこに引き込まれる。 -
うーん・・・
不思議な感じに陥った。
アツシはなんか好きなんだけどなー -
性器=排泄器官でない生物っている?