島はぼくらと

著者 : 辻村深月

• 講談社 (2013年6月5日発売)

感想・レビュー・書評

[finger0217さんの感想 · 2024年3月16日]

瀬戸内海の小さな島。「田舎のおっさん」が昔ながらのやり方でしきりつつ、歯に衣着せぬおばちゃんたちがあれこれと世話を焼く、身内にやさしくよそ者には少し冷たい、「ザ・田舎」。

その中で育ってきた、たった４人の同級生は本土の高校へフェリーで通っています。最終便に間に合うために部活動に入ることもできませんが、島全体を「家族」のように思って過ごしてきました。

昔は日本全国にあった「地域のコミュティ」が色濃く残る舞台は、自分では経験したことがなくとも「なつかしさ」を感じます。濃密で閉鎖的な社会だからこそ起こるトラブルもありますが、その密な関係に救われることも多くあります。不器用ながら、相手一人ひとりと真剣に向き合う島民たちの関係性にも少し憧れます（実際には面倒くさいしがらみも多々ありそうですが）。４人の、そして島の将来に希望を感じさせるエンディングで読後感も爽やかです。

[まいまゆさんの感想 · 2024年3月2日]

「離島」という特殊な環境で暮らす人々の物語でした。実際に、島特有のしきたりや文化があるのだろうと思います。その中で、地の人とIターンの人との軋轢などを乗り越えて、生命を繋いでいくことは並大抵のことではないなと感じました。わたしはやはりある程度の町で暮らしていきたいなと思います。

[ベジさんの感想 · 2024年1月21日]

島に住む高校生4人の青春小説。ロードムービーぽさもある爽やかな物語だった。

[totokonekoさんの感想 · 2024年1月17日]

青春

[いのえりさんの感想 · 2023年12月16日]

火山噴火から過疎化が進んだ町が、近年注目されているIターンで少しずつ賑わいを戻す中、小さい頃から島に住む高校生四人組が島に住む者として家族やIターン組と向き合い、少しずつ大人になっていく物語。
最初はなんだか読み進めるのに時間がかかったけど、伏線回収も面白く他作品の登場人物が綺麗に関わってきて、楽しく読めました。

[ひさみさんの感想 · 2023年11月21日]

兄弟
母子手帳
　たくさん、たくさん。げんきで、いてください。
　ずっと、げんきで、いてください。

[Jさんの感想 · 2023年11月7日]

2023.11.07読了

[愛ちゃんさんの感想 · 2023年9月16日]

青い！青くてキラキラしてて、
本当に瀬戸内の海を山から見たときのように、透き通ってて美しい。
最後にうまく行きすぎてるから
本当は☆3.5って感じだけど装丁も素敵なので☆４

[ちひろ。さんの感想 · 2023年8月18日]

瀬戸内の島で暮らす高校生4人の物語。島で暮らすということ、故郷を離れるということに思いを馳せる。

[コルベットさんの感想 · 2023年8月18日]

昔から離島の暮らしに
憧れがありました。

四方を海にかこまれて
のんびりと気ままなる
暮らし。

隣近所と家族ぐるみの
つきあい。

しお風に吹かれながら
夕焼けに染まる堤防を
友だちと歩いたり。

まさしく憧れの世界が
臨場感一杯に描かれて
いて、

まるで体験をしてきた
ように満足です。

でも暮らしって綺麗事
だけでは成り立たない。

食べていかないとだし、
老いも病もある。

人間関係のいざこざに
巻き込まれることも。

出会いや別れ、友情や
恋愛、挫折や逃避、

いずこに暮らそうとて
ドラマはあるし、

思い悩みも尽きないん
でしょうね。

著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ！』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」