プライベートバンカー カネ守りと新富裕層

著者 :
  • 講談社
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感想 : 70
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  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062201995

感想・レビュー・書評

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  • 【感想】
    「プライベートバンカー 驚異の資産運用砲」著者が主人公になったノンフィクション小説。

    プライベートバンカーとは・・・
    個人の富裕層をメイン顧客とし、その顧客にとって最も適した資産管理・資産保全・資産運用方法(ソリューション)を提案し、顧客が独力では得られない資産防衛と運用のためのインフラや環境を手にしてもらう。
    日本の投資銀行のように手数料で稼ぐのではなく、主要な収入源は、顧客から預かった資金の残高に対する年間管理費用である。
    (アカウント・マネジメント・フィー)

    富裕層には、こんな素敵な「執事」が就くのか!!と羨望の気持ちで眺めつつ、
    自分のような庶民にはこのような「執事」は就かないのかと落胆しつつ・・・

    上記の著書は読んでいて面白かったが、この本は小説としてはイマイチな出来だった。
    「ハゲタカ」シリーズの方が読んでいてドラマチックだったな。比べるのは失礼だが・・・

    「資産運用砲」を読んでいて思ったが、まずは自分の資産を2000万くらいに上げないと、資産運用だけでは食っていけないね。
    頑張って資産を形成しましょうか。


    【引用】
    p14
    これは資産家全般に言えることだが、資産が一生の生活をまかなうところを超えて使いきれないほど抱えると、多くの人たちがそれを目減りさせずに跡継ぎに残す事を考える。
    その点、シンガポールは絶好の地だった。

    第一に、日本以上に治安が良く、時差も1時間しかない上、移住者の好む近代的な街並みを備えていた。
    第二に、天然資源がなく有力な企業も少ないため、政府が外国人富裕層や外国企業を積極的に受け入れる政策を採っている。
    第三に、富裕層誘致のため相続税や贈与税などを廃止したオフショア、つまり課税優遇地である。
    地方税なキャピタルゲイン課税もなく、所得税率と20%と日本の半分以下だった。

    そして第四に…多分これが彼ら資産家によって一番重要なのだが、日本の税法には抜け道があって、そこを巧く突けば相続税を払わずに資産を継承できる。
    現地では、「相続後には晴れて日本に戻れる」と言われていた。


    p28
    彼らが使う「オフショア」とは実に曖昧で便利な言葉だ。
    本来オフショアとは陸から海へと吹く陸風のことである。
    カネにからむ話をする時には、「海へと吹く」というよりも、あるいは海の向こうへと逃れていく陸風、つまり課税の重い国から税のない外国に吹く「カネの陸風」である。

  • まあまあかなあ、後半の失速感、シンガポールって魅力ないなあ、やはり、ヨーロッパに勝るものなし

  • 編集方法が、実に稚拙で、物語の羅列。
    物語が絡み合うことがなく、つなぎあわせただけ。
    杉山智一というオトコを 軸にして構成している。
    なんと言っても、焦点の定まらないオトコである。
    そのオトコを軸にしているので、
    まわりの人も焦点がぼけている。
    億単位以上の金持ちの生態を描いている。
    シンガポールにいる金持ちの図鑑みたいな感じなのかな。
    節税のために シンガポールに5年在住する。
    日本の税金を逃れるために生活する。
    何のためのお金なのか?
    まさに、お金に飼われている人たちと
    そこから、巻き上げようとする プライベートバンカー。
    よく考えたら、金持ちの寄生虫だね。
    震災が起これば、儲けるチャンスとはねぇ。
    それで、人生楽しいのだろうか?
    実に、乾いていて ひからびている。

  • Wealth Management関連の仕事で購入した一冊。
    富裕層向けサービスとはどんなものなのか?そもそも富裕層とはどんな人たちなのかを小説仕立てで読むとわかりやすいかと思い、また実際読んでみてわかりやすかった。多少大げさではないかと思うところもあるがそこは小説なので3割引ぐらいで理解しておけば良いかなと思った。
    富裕層もいろいろと大変なんですね…という感想とともにお金には気をつけなくてはと改めて思いました。

  • オフショアは「課税優遇地」課税の重い国から税のない外国に吹く「カネの陸風」、タックスヘイブンは脱税の温床の「租税回避地」
    有価証券を販売する行為は無から有を生み出す。
    兵役はBoyがManになる必要な試練。
    スティーブ・ジョブズの言葉で「今やろうとしていることは本当に自分のやりたいことだろうか」のように虚しく働いてはいけない。
    欧米人思考で大成功したらパッと仕事を辞め次のやりたいことをすれば良いが、欲が絡むと道を誤る。税金を逃れてきた日本人で幸せになった話はあまり聞かない。充実をした人生を送ろうとしてもすべての面で好条件を満たす国はありえない。こんな世界もあるんだという感想。

  • いかにもな内容。

    財産があるだけでは人は幸せになれない?

    相続税免除の海外居住歴が5年から10年になると、PBはさらに仕事がしづらくなるのか。

  • プライベートバンカーの仕事の雰囲気は伝わるが、文章が固い。

著者プロフィール

きよたけ・ひでとし/元読売新聞編集委員。2004年より巨人軍球団代表を務め、2011年に解任。現在はノンフィクション作家として活動する。2014年『しんがり 山一證券 最後の12人』(講談社文庫)で第36回講談社ノンフィクション賞を受賞。他の著書に『トッカイ 不良債権特別回収部』(講談社文庫)、『サラリーマン球団社長』『後列のひと 無名人の戦後史』(ともに文藝春秋)など。


「2023年 『どんがら トヨタエンジニアの反骨』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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