三月は深き紅の淵を (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062648806

感想・レビュー・書評

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  • すっかり引き込まれて夢中になってよんだけど、最後がものたりなかったなー。

  • 「三月には深き紅の淵を」という小説にまつわる、
    4つの話が書かれた作品。四部作。
    「待っている人々」「出雲夜想曲」
    「虹と雲と鳥と」「回転木馬」

    3つ目の話「虹と雲と鳥と」が好きだった。
    どうも鬱展開?が好きらしい。
    最後の劇中劇?がちょっと投げっぱなしな感じがあったような・・・。
    もっとちゃんと読みたかった。

  • 再読13回目。
    20歳ぐらいのときに買った本。何回読んでも読める本。
    本を読む楽しみ、みたいなのが分かる一冊なんだと思います。あくまでも、私にとって、ですが。

  • 敬愛すべき恩田陸先生のなかでも講談社文庫から出されたものは全て好き。
    なんというか、全てを語らず読者に委ねるところに心を鷲掴みされた。現実と作品の世界がリンクするというか、作品の中に取り込まれて自分もその一部になるというか、とにかく想像力を駆り立てられ、読後に唸ったのを覚えてる。

  • 稀覯本「三月は深き紅の淵を」をめぐるミステリ。
    作品中の「三月~」も、実際の本作も四章からなり、章ごとの雰囲気も同じという見事な入れ子式。自分が一体何を読んでいるのかわからなくなるような、迷宮的な魅力がある作品。結構なボリュームだが再読なのでさくさく読む。

    一から三章はそれぞれが独立した作品として出せるほど良質なミステリ。
    三章の少女たちの事件は切なくて美しくて印象的。
    四章の「回転木馬」では執筆中の恩田陸の頭の中にいるみたいに、様々な雑念や物語の断片が浮かんでは消えていく。
    好みが分かれる作品だと思うけど、私はやっぱり恩田陸が好きだなと思った。

  • あいかわらずどのジャンルに入れていいのか悩む恩田陸ですが、これはミステリー・・・でいいのかな。

    四部作構成になっており、小説内に小説タイトルと同名の「三月は深き紅の淵を」という本がでてくる入れ子小説。
    恩田陸の世界観が如何なく発揮されていて、この雰囲気がたまらない!

  • 第四章がよく理解できませんでした。

  • 読書が趣味というだけの理由で、会社の会長から2泊3日の招待を受けた若手社員。
    そこで彼が聞いたのは、たった一人に一晩だけしか貸してはいけない本の話だった。

  • タイトルに惚れて購入した本。
    でも読み始めてみるとすごく面白くて、友達に貸してあげたくなってしまった。
    もちろん、「貸せるのは一晩だけ」

  • 小説の中でもう一つの小説が進んでいく。第一章で引き込まれて、あとはだんだん霞がかった世界へ入っていく。謎な謎のまま。
    『うんといい小説を読むとね、行間の奥の方に自分がいつか書くはずのもう一つの小説が見えるような気がすることない?』

  • まずは引きこまれるようなタイトルに目を留め、次に著者が恩田陸と知って、即座に手に取った本。
    どんな内容なのか、気になります。
    ミステリーといったら、殺人事件が起こって探偵が犯人を探し当てるディテクティブストーリーと同義だと思っていたミステリービギナーの私に、それだけではないと教えてくれたのが、この作家。
    この本も、彼女ならではの世界が鮮やかに展開される、上質で芳醇なミステリー。苦手な私でも浸りきりました。

    4作に分かれますが、全てがタイトルに収斂されていく内容。
    特に第一作目に入り込みました。
    謎めいた密室で登場人物たちが語りゆく幻の本の話。
    本好きの誰もが夢中になる、今はない本の話が、鮮やかに、そして怪しげに語られていきます。
    ミステリー好きにはたまらないでしょう。

    シチュエーション的に『ネバーランド』を思い出しました。こういった環境下での話が本当に得意な作家だと思います。
    ただ、最後まで読みおえて、主人公が屋敷に招待された意味がよくわかりないことに気が付きました。
    単なる有閑者たちの上質なお遊びなのか?執筆上での刺激が欲しかったのか?

    2作目も、夜行列車のコンパートメント内での話が中心となるため、密室小説といえるでしょう。
    解けない謎を解き明かしていくためには、並々ならぬ愛情と興味が必要だと思い知らされます。
    幻が現実化され、現実が幻と混ざりゆき、期待と失望がないまぜになった、ダリの時計のようなぐにゃりとした生々しい違和感を味わいました。

    3作目も、作者が得意とする、美しい選ばれし少年少女の物語。
    一番リアリティがありそうなのに、一番やるせない読後感が残りました。

    4作目は、いくつかの話が挿入されて進むため、読みづらくはありますが、読み応えたっぷり。
    真実か虚構か、はっきりと明かされないままに話は進んでいきます。
    まさに『ネバーランド』な物語。こぎれいな日常の裏に潜む悪夢のような絶望。

    どの話も呼応しているわけではないため、全て読み終えたところであらためて、幻の本の曖昧さ、重層性が浮き彫りにされてくるという効果。
    重低音のメロディが重なった、不協和音の聴こえる壮大な交響楽といったところです。

    著者とはかなり嗜好も思考も似ており、彼女の著書を読んでいると「そうそう!」と思うことが多々あります。
    言葉にできない漠然とした気持ちを、明解に文章に表してくれている爽快感と若干の畏怖感を、著者の作品からはよくよく感じ、ひたることができます。

    決して好きなストーリーではないのですが、読むと耽溺する魅力的な文章。
    久しぶりに、読みごたえのある良質の小説に触れたという読後達成感を味わいました。

  • 様々なものが織り込まれた、不可思議な雰囲気を持つ小説。なぜがこよミステリアスな雰囲気に引き込まれてしまう

  • 4章から構成されてたが、3章の中ごろになって、やっと気づきました。
    みなさんはもっと早く気づくのだろうか・・・。
    何も知らずに図書館で借りたのですが、シリーズものの1つめらしく、「麦の海・・・」「黒と茶・・・」と続くようです。たまたま借りたのが1つめでラッキー!
    2つめ、3つめもぜひ読みたい。

  • 1章と4章が特に好きです。
    雰囲気といい言葉選びといい、恩田さんの作品では一番好きかもしれません。
    とりとめのない部分も含めて一つの作品だと思います。

  • 引き込まれる。全編通して漂う不穏な雰囲気がすき。
    どうでもいいけど、理瀬シリーズということばをよく耳にしていて、ずっとかっこいい男の子だと思ってた。女の子なんですね。

  • 2012.11.25読了

    良いです。ミステリーです。
    とっても読みたくなる本が描写されていて、それが小説全体のキーになってます。不思議な感じのする本です。

    第一章でまず引き込まれます。ミステリー!謎解き大好きです。
    第二章でも、謎解きの、ドキドキ感がつづきますし、ラストのどんでん返しも良いです。
    第三章では、最初に事件が起きて、それを解明していき、最後も納得の終わり方になってます。

    ただ、最終章の回転木馬だけが、どうしても違和感があって、読みにくかったです。

    他の方のレビューを読むと、恩田陸先生の他の作品とリンクしているそうなので、もう一度、それらの作品を読んでから再読してみたい作品です。

    個人的には、第二章が一番好きです。夜行列車にも憧れます。

  • 1つの本を軸に進む4つの独立したお話。
    章が変わる度に頭の切り替えをしないといけないので少したいへん。笑

    でもどの話もクライマックスで引き込まれた。
    1話目は軽快に読めた。老人が元気だし主人公に好感が持てる。最後の推理もなんだか奇妙でおもしろかったな。
    2話目は会話メイン。
    3話目が一番好き。怖くてリアル。
    女の生き方が見えた。
    4話目は、混乱した。繋がる点がみえんかった。
    別の話とも関連があるみたいなので、読んでみよう。

  • おもしろい。それぞれ独立した短編集だが『三月は深き紅の淵を』という本により結び付けられる。
    一章ではこの本は存在していない。この章で語られているのが『黒と茶の幻想』の断片。二章では本が存在しており、二人の女性がその作者を探す旅に出る。三章は異母姉妹の悲しい真実に辿り着いた女性がその本を書く決意をした所で幕切れ。四章はこの本を書いている場面。『麦の海に沈む果実』が出てくる。
    物語の中にある『三月は深き紅の淵を』を読みたくなる。読後も余韻で満ちる不思議な一冊。私は三章が好きだな。

  • ???結局どういうこと?各章は独立した話?解んないー
    第3章「あれは、美佐緒のお父さんのお墓でしょ?」にはゾクっときた

  • 久しぶりに恩田陸!前からこのタイトルに惹かれて気になっていたし、期待してたせいなのか読みやすいわりに全く好みじゃなかった。
    ただ、わたしの理解力が乏しいせいもあるけどこういう書き方はイマイチかなぁー。

  • 迷い込むタイプのミステリーでした。

    『三月は深き紅の淵を』という幻の本をめぐる四部作。
    ですが私は全体としてよりも、各章ごとに結末を見る方が面白かったかな。未熟者ですから(汗)。

  • 第一章と第二章が、すき。
    正直、第四章は結局何?って思った。
    ただ、あたしの理解力が足りないだけなんだけど。。

  • 一冊の本をめぐる物語。4部作。幻の本。不思議で深くて忙しい。だけど引き込まれる。美しくて残酷で。掴めそうで掴めないミステリアス。本が好きです。

  • 一回とちゅうで、本をなくしてしまって、
    半年後にもう一度よみ始めました

    本の中に本はあって

    ひとつひとつ、言葉にしるしをつけてもう一度よみたいです
    頭の回転も良くなる

  • 同タイトルをめぐっての4章からなるストーリー。
    単独では完結しているし話の筋としても通っているとは思うが、
    全体としてみたときにいまいち自分は理解しきれないまま読了してしまったのが残念。
    誰か教えてほしい。

  • 1冊の幻の本を巡る4つの短編集。
    その本の名前がタイトルにもなっている『三月は深き紅の淵を』。その興味をそそられる題名もさることながら、作者不明。世の中に数冊しかないという希少性。1人の人に一晩しか貸してはいけないという奇妙なルール。読んだものの心を離さないというストーリー。多くの謎をまとっている本なのである。もし、本当にそんな本があるのなら、ぜひ手に入れたい。読んでみたい。読書好きなら誰でもそう思うだろう。
     4つの短編は本のタイトルと本をとりまく謎は共通しているものの、逆にそれだけを基礎に、それぞれの物語は独立している。短編集ごとに謎の作者の正体も違うし、ある短編の中では本自体は実は存在していないというオチだったり。最初は4つの短編がお互いの伏線になっていたり、うまく関連しあって全体で1つの流れになることを期待していたので、あれ?って思ったけど。それぞれ本の謎に迫るミステリーは楽しめるし、1つの短編として、綺麗にまとまっている。こういう構成もおもしろい。最初の3つはそう思う。ただ、4つめの短編はそこまでバラバラだった全体をまとめる役割を担っているのか、全体の総括的な位置づけなのだが、私には一番意味不明な作品だった。恩田陸ファンには、4つ目の短編に作者の別の作品(『麦と海に沈む果実』)とのリンクも楽しめるのかも知れないけど、私のように昔に読んだけど、詳しいことは忘れちゃったなって人には、意味深でますます混乱。どうせなら、4つ目も独立した純粋な本を巡るミステリーにして欲しかったなぁ。
     本の中に書いてある物語ももちろん好きだけれど、本を巡る物語もまた私は好きだ。と、思って今回の引用を選んでみた。

  • 第三章 虹と雲と鳥と がぐさっときた。残酷で美しい物語。
    恩田陸さんらしい。

  • 「三月は深き紅の淵を」という4部作の小説をめぐる4部作の小説。

  • もう何回目かわからないくらい繰り返し読んでる本。
    毎回違う魅力がある。
    自分が物語の中にいるかのような錯覚。
    不思議な本。



    (購入)

  • 恩田さんの初期のすべてがつまっている感じ。本が本当にお好きなんだなと尊敬します。

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著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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