三月は深き紅の淵を (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062648806

感想・レビュー・書評

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  • 本書の題名になっている本を巡ってのミステリー。
    第1章は、招待された会社員が会長の別宅で、その本を探す話。
    そこで交わされる本の話題。
    「僕の知っている範囲じゃ両極端ですね。読む人はマニアックなまでに読む。読まない人は読まない。・・・女の子はファッションでしか読まない」
    「日本の社会自体、本を読む人間には冷たいんですよ。本読むって孤独な行為だし、時間もかかるでしょ。日本の社会は忙しいし、つきあいもあるし、まともに仕事してるサラリーマンがゆっくり本読む時間なんてほとんどないじゃないですか」
    ブクログ諸氏たちはみな、納得し同意するのではないだろうか。
    第2章は、その本を探して出雲へ旅行する編集者の話。
    第3章は、二人の女子高校生の死が、事故か自殺か、あるいは事件かを巡って、様々な憶測がなされる。
    第4章は、主語が、私になったり彼女になったり、はたまた色々な人物の固有名詞になったりと、めまぐるしく変わる奇妙な短編。
    著者が緻密かつ周到な計算で築き上げた小説なんだろうが・・・。

  • 同著者の「麦の海に沈む果実」内に同じタイトルの本が出てくるので気になっていた。
    第一〜三章までは幻の本「三月は深き紅の淵を」を巡って、色々な人たちが推理を繰り広げたりするストーリーで楽しく読めたのだけど、第四章が難し過ぎた。時間軸や場所が行ったり来たりして、特にちょっとずつ読み進めていると、何が何だかわからなかった…ただこの章と「麦の海に〜」がリンクしてることだけは分かった。
    ちょっと消化不良。

  • 『三月は深き紅の淵を』という幻の本にまつわる独立した4つの中編小説。

  • ブクログの談話室の「恩田陸さんに最近嵌りました」のスレッドを見て、恩田作品は「夜のピクニック」しか読んでないことに気が付いた。

    本屋で昔からよく見る本書を選ぶ。
    「三月は深き紅の縁を」という何か耽美的なタイトル。
    このタイトルについて具体的に語られることは無いけど、読書中に時々頭を掠めた。
    幻の本を探すという第1章。
    しかし、幻の本の作者を探す第2章、二人の少女の死を秘密を辿る第3章。第1章であった幻の本の紹介とは、設定が近いけれど変わっている。

    第4章では作者が何度も「書き出し」を書き始める。作者が語るモノローグは、執筆活動や過去の思い出、第2章の取材旅行。その一人語りが架空の物語に引き込まれる。
    何回もの「書き出し」は、やがて孤立した学園への転入生おの物語が本筋になっていく。ゴシックホラーというのかな、「アッシャー家の崩壊」のように最初から破滅が待ってるオドロオドロした話。映画「千と千尋の神隠し」で海上を走る電車のシーンを想い出す場面があった。作者の深層心理にある風景かな。
    ゴシックホラー(?)は、唐突過ぎて成功していると云い難い。
    大体、この第4章は完結してない。

    耽読したとまでは行かないが、この不思議な物語に浸っていられた。

    「麦の海に沈む果実」はこの学園ホラーを書き直したものだよな。読むべきか?

    ロレンス・ダレルの「アレキサンドリア四部作」のことが出てきた。30年ぐらい前に池澤夏樹さんの書評を読んで、いつか読みたいと思った本。忘れないでおこう。

  • 『麦の海に沈む果実』に登場する赤い表紙の本をめぐって様々な人々が思いを巡らせる様子を4部構成で描く。この4部作を元に『麦の海に沈む果実』が書かれたから、また読み返すと面白いかも。
    恩田さんの小説の雰囲気が好きだなぁ。
    幻がかっている世界観が私の趣向にぴったり当てはまる。梨木香歩著作の『裏庭』の世界観に似ている。
    他の著書も読破してみたいなぁ。

  • 第四章は難しすぎた、、、
    でもなぜか読むのをやめられなかった。

  • 自分にはまだ早かったかなと。
    読んでいて難しいなという感じだった。

    1〜3章までは『三月は深き紅の淵を』という一冊の本に関する、それぞれ独立したエピソードであり面白かった。(所々に繋がりもある)

    ただ、4章が難しかった。わからなかった。
    理瀬シリーズとして、『麦の海に沈む果実』との関連があるらしいので続けて読むこととする。

  • 注:この本の内容と『黒と茶の幻想』の結末の方向性に触れています


    ウィキペディアを見ると4作目なんですね。恩田陸の。
    『六番目の小夜子』、『球形の季節』と恩田陸、お得意のパターン(設定といい、結末がどっかいっちゃうといいw)が2作続いて、次に本人曰く「完璧にプロットと作って書いた」という『不安な童話』。
    その後ということで、まぁなんというか。いろいろ鬱屈が溜まっていた時期だったんですかね?(笑)
    登場人物を通して語る、どっかで聞いたよーな、どーでもいい世相批判がうるっせーのなんのって!w
    『三月は深き紅の淵を』という妙にくどいタイトルもそうなんですけど、素人が手慰みで書いている小説じゃないんだからさぁ~w

    いや、読んでいて、やっぱりさすがだよなーと思う所も多々あるんです。
    どうという話じゃないんだけど、何だか妙に読んじゃうところとか。
    その辺りはさすが腐っても恩田陸!って感じ。←ホメていますw
    とはいえ、如何せん全般にテンション低すぎねぇ~か~って感じはするかなぁ~(と言うより、意気込みに筆力が追いついてなかったという方が適当か?)。

    この本は4つの話からなっているんですけど、1つ目『待っている人々』は話自体どーということないのもさりながら、上でも書いたように、登場人物を通して語る、どーでもいい世相批判が多すぎですね。
    著者独自の視点のそれであればまだしも、全て当時他の誰かも言っていたようなことで、読んでいて薄ら寒い(笑)
    ていうか、ウィキペディアを見るとこの『待っている人々』が出たのは1996年ということですけど、現在の世情批判と大して変わらないところが面白いです。
    その時代から4半世紀近くが経って、ITだなんだかんだ言っても、人間も世情も大して変わんないんだなぁ~ということなんでしょうか?w

    ただ、これも上に書きましたけど、どーということない話なんだけど不思議と読ませるんですよね。
    たんに恩田マジックということなのか、ていうか、この話の場合、時代が恩田陸に追いついた(or世の中が恩田陸化した?w)と言った方が適当な気もするんだけど……!?
    その辺り、当時リアルタイムで読んだ人に聞いてみたいです。
    小説としては、ま、★2つというところw


    2つ目の『出雲夜想曲』は結構好き。
    女性二人が夜行列車で延々語る、いかにも恩田陸というインドアな感じ、それはそれでいいんだけど、実際に出雲の着いてからの雰囲気がいいんですよね。読んでいて醸し出される光景が妙に暗くって。
    夜行列車の車内は夜だから当然暗いはずなのに、昼間である出雲での出来事の方にほの暗さを感じるところが面白い(上手い!)です。
    ただ、重箱の隅突っつくようですけど、あの廃屋で歩きタバコをする人はいないと思うけどなぁ…。
    小説としては、★3つ。

    3つ目の『虹と雲と鳥と』は、終盤いきなりバーン!という衝撃とそれに続く迫力ある場面があるから、そこで評価は一気に上がるんですけどねぇー。
    ただ、恩田陸オールスターズとでも言いたくなる登場人物たちに、え?またこの人たち?と、ちょっと食傷気味(笑)
    ていうか、不思議なのは二人の母親って、東京でデザイナーとして活躍していた父親と結婚したはずなのに、なんで離婚した後、どっちの奥さんも同じ長野に住んでいるんだろう?
    あと、二人がぶら下がっていたというのもよくわからないんですよね。
    そんなこと実際に出来るものなのか?第三者が後で見てそういうことがあったとわかるものなのか?
    その辺りはよくわからなかったんですけど、そういうのは重箱の隅だと思うので小説として★3つ。


    4つ目の『回転木馬』は……
    いやはや。もう笑っちゃいました(笑)
    恩田陸の持ち味は結末は読者にゆだねる(結末が書けないとも言うw)ところにあると思うんですけど、まさか四部作の4つ目全て読者にゆだねるという荒業に出ちゃうとは!w
    とはいえ、読んでいて妙に面白いのが可笑しくって。
    いや、小説の部分じゃなくて。書きあぐねて、あーでもない、こーでもないとやっている、エッセイの方。
    あれ読んでいると、「四部作!と、バチっと決めちゃったら逆にダサいっていうのもあるか?」なんて思っちゃったりで。
    いやぁ、憎めねぇ、憎めねぇ(笑)
    あそこまでやるなら、いっそ、「トイレにいってスッキリしてきた」とか「コンビニ行って、ビールと肉まん買ってきた」とか、バカ丸出ししちゃえばもっと楽しめたのになぁ~w

    というわけで、これは小説じゃないんで★は無し。
    ただ、それは小説としての評価で。エッセイ、それもデビュー後4作目を書いている(まだまだ新人)作家のエッセイとしてなら、★5つでもいいんじゃないでしょうか。
    ていうか、この4つ目の話だけでなく、この本は全体的に恩田陸の創作ノートみたく読めるところがあって、そこがとっても興味深かったです。
    1つ目だったか、2つ目の話だったか、「気に入った本を読んでいると、その行間から自分が書く小説が浮かび上がってくる」みたいなことを登場人物を言う場面がありましたけど、「そうそう。この著者の書き方って、そうだろうね」って、すっごく納得できましたもん。

    さらに、この本の中に出てくる、(2001年に出版される)『黒と茶の幻想』はこの時点でどのくらいまで構想されてたのか、あるいは書かれていたのか。
    登場人物や大体のストーリーはともかく、登場人物いわく「尻切れトンボという感じは否めないね。そんなこと、どうでもいいやって感じの終わり方なんだよ」って、もうこの時点でそういう結末と決めてたってこと!?
    しかも、その後に「とにかく、途中これでもかこれでもかと変な事件を羅列するのにエネルギーを使い切っちまったって感じだね。あれは」と続くって…。
    恩田陸って、どこかの時点で結末(らしい結末)を書くことを放棄したんだろうなーと気はしていましたけど、そうか!この時点だったんですね。
    それはやっぱり、完璧にプロットを作って書いたという、前作『不安な童話』のトラウマなのかなぁ…w
    ま、人間、自分らしくないことはしないに限るってことなのかもいれません(笑)

    それはそれとして、小説の方の最後。
    憂理が理瀬に「別の三月の世界で会えるかもしれない」と言う場面があるんですけど、自分としてはこっちの三月の世界の話の方が断然面白かったです。
    もっとも、それは先に『麦の海に沈む果実』を先に読んでいて、エッセイの合間に出てくる話の断片をつなげてストーリーに出来るからであって。もし、読んでいなかったら何が何やらわからなかったような気がするんですけど、どうなんでしょう?
    その辺り、こっちを先に読んだ人に聞いてみたいです。

    その「別の世界で会える」とか、エッセイの部分が丸々2つ目の話の取材ノート(どうインスピレーションを受けたか?)になっているところとか。この4つ目の話は、いろんな点で著者の創作法が窺えるところが面白いです。
    ただ。最後の最後、「この書き出しは、どうだろう?」とあるんですけど、「森は生きている」と思うけどなぁー(笑)

    全体的には、著者が持っている自らの小説の魅力に、著者の小説を書く力(技?)がまだまだ追いついていない時期の小説なんだろうなという気がしました。
    ただ、4つ目の話の(小説の方の)最後とか、3つ目の話の途中のいきなりの展開とか、ああいうはっちゃけた展開は恩田陸にしては珍しくて面白かったですね。
    この後に書かれた(らしい)『麦の海に沈む果実』のあのなんとも煮え切らなさを思うと、何とももったいないような。
    とはいえ、その煮え切らなさこそが恩田陸の(ファンが抱く)魅力的な部分でもあるのかもしれません。

    恩田陸は、時代が恩田陸に寄り添ってきたのか、恩田陸が時代に寄り添ったのか、どちらかはわからないですけど、妙に「現在」という時代と合っているようなところがあって興味深いです。

  • これまで2回チャレンジしたが、第一章を読んだところで「面白いけど、読み続けるのはちょっとしんどいな」と思いしばらく放置していた。三度目の正直で今回は読み切った。

    全体を通してみるとそんなに悪くないような気がしているが、第二章あたりは正直「長いな…」と思いながら読んでいた。しかしその後の第三・四章では打って変わってスラスラと読み進めることができた。
    第三章は不穏で重く苦々しい青春小説だが、儚く煌めく美しいものも感じられる。
    第四章は作者の地の部分も出てきながらも、幻想的な雰囲気の物語も展開される。また作者側の場面であっても、深夜に執筆をしている場面、出雲に取材旅行にいった場面と分かれているため、やや慣れが必要かもしれない。

    各章での感想が結構異なっているため、本全体を通じての感想や印象を決めるのは難しい。ただやはり恩田陸は面白い作家だと思ったので(これが自分にとっては初の恩田陸の本だった)、『ユージニア』や『中庭の出来事』、『六番目の小夜子』、『私の家では何も起こらない』なども読んでいきたい。

  • #読了 #恩田陸 #三月は深き紅の淵を #読書好きな人と繋がりたい

  • 理瀬シリーズの最初ということで、昔読んだはずだけど再読。
    話ごとに風景が違って不思議さが増していく。
    ただ最後の話が、オチがないというか、読者に委ねられるタイプの終わりかたで、少し苦手だった。不完全燃焼になっちゃうんだよね…

  • 「作者不明の幻の本」を共通のテーマにした中編4作。この中編同士は連作という訳ではありませんが、小説が入れ子式になっていて面白かったです。

    幻の本『三月は深き紅の淵を』は四部構成で、物語同士の関連はなく、唯一「ザクロの実」というワードのみ共通している、という設定です。

    そして本作もまた四部構成であり、物語同士の関連はなく、唯一『三月は深き紅の淵を』の存在を匂わせていることが共通しています。
    また、なんとなく第一部で示された幻の本のあらすじと、本作の物語も似通った点があること、そして第四部では恩田さん自身の視点も描かれており、入れ子の入れ子…という一筋縄ではいかない構造にもなっています。

    本作だけでは閉じきらない世界が、後作に繋がっていたのだと思うと、いくつもいくつも鉱脈が埋まっているような気持ちになり、読むのが楽しかったです。

  • 難しいんだけど面白い。
    面白さを表現できない語彙力、理解力のなさに悲しくなる笑笑

  • 読みたかった理瀬シリーズの一作目
    ずっと不思議な世界観にのみこまれていた感じ

    作品の中に時々海外の小説が紹介されるけど恩田陸さんの説明が上手でそっちも読みたくなってしまう
    特に四部作に関してこの作品にも影響を与えたっていうロレンス・ダレルの「アレキサンドリア・カルテット」読んでみたい

  • [薔薇の中の蛇]を読んで、理瀬シリーズというので、読んでみた。理瀬出てくるのは、第4章にちょろっと。
    [三月は深き紅の淵を]というタイトルの本を巡る話。本の謎の周りをぐるぐる廻り続けて、謎はクリアにはならない。でも途中で止まらない、降りれない、読み続ける。不思議な本。

  • 4章の短編で、いずれも「三月は深き紅の淵を」という幻の本をキーアイテムとしている。
    第二章まではまだなんとか理解が追いついていたんだけど、その後結局よく分からないまま読み終わってしまった。掴めそうで掴めない感じ。
    恩田先生の作品はこういう物語が多いと思う。もう一度読めば印象も変わるんだろうか。

    多数の作家と作品が出てくる。
    個人的に好きなフレーズ。
    『山田詠美が、書いた小説は一言一句も直さないというのを聞いて「嘘だろ」と叫ぶ。(第四章)』

  • 小説は存在していない章としている章とあり、一つの本を題材にした、世界観が面白かった。時に残酷な表現などもあり、無意識にも緊張感が漂う感じ。第一章は不思議な世界!という入りやすい空気だったけど、二章後半あたりからミステリー要素強めに。

    と、感想を書きながら、ファンタジーとミステリーの違いが気になりはじめた。世界の所在のもんだい?

  • 幾重にも試行しての実験的な作品。
    1章 読者の作品探し。作品なし
    2章 編集者の作者探し 作品はできてある
    3章 真実探しの学園もの それをもとにこれから書かれる構想
    4章 これから書こうとしている作者の心情
    このように様々な視点で、時間軸で 「幻の作品」を提示しようとしている。それ自身が作中作品の構成とも重なるという細工。
    再読しないと見落としの伏線がたくさんありそう。

  • 一度読んだだけじゃわからないな。特に4章がどの場面の誰を書いているのか考えるのにものすごく頭を捻ってしまった。
    2章のことに言及しているから朱音視点なのだろうと思ったけど、朱音の名前は一度も出てこなかった(よね?)
    個人的には3章が好き。美人姉妹を見てみたい。

    麦の海に沈む果実を読んだ後だから言えることだけど、理瀬と黎二の終わり方はあんな感じであって欲しかった。思い出すと悲しくなる…

  • 隆子が恐怖を覚えた小説。
    p174.アガサクリスティーの「終わりなき夜に生まれて」
    恩田さんの「終わりなき夜に生まれて」を読んだばかりだ。凄く気になる。

  • 一話一話は面白かったけど、結局誰が書いたのかが最後まで分からず、最後突如作者らしい人が現れたけど、よく分からなかった。後味が残る終わり方。。

  • チョット良くわからなかったと言うのが正直な感想。
    4つの三月は深き紅の淵を
    それぞれミステリーなのだが。

  • p.55「夜、暖かい家の中で、これから面白い話を聞くのを待っている。恐らく、大昔から世界中でなされてきた行為。やはり、人間というのはフィクションを必要とする動物なんだな。」


    「三月は深き紅の淵を」という謎の本を巡る短編。
    表紙、挿絵が雰囲気あっていい。
    みんなの記憶の断片と口伝えのみで広がる本の存在、それがどこかにあるという謎、たくさんの本が詰まった家、という発想とわくわく感が雰囲気があって良かった。次のも「三月」の作者について意見を交わして故郷をつきとめられるのか、というアプローチが面白かった。
    残りの二編はあまりつながりが感じられないし、もやっとした感じで終わってて残念。

    恩田陸さんの、本や作者について語る部分が的確で批評的で作家の熱い思いみたいなのが感じられる。

  • 著者作品をいくつか読んで思ったが、どの作品も物語は違っても共通で、ノスタルジックな雰囲気がある。

    本作品も例外でない。面白かった、外さない。ミステリーが好きな人には恩田陸は本当におすすめだと思う。

  • で、結局なんなのよ!?というのが売り。

  • 「三月は深き赤の淵を」は四部作になっているのですが、それぞれの話に出てくる「三月は深き赤の淵を」もどうやら四部作のようで、どうやら、それぞれ別の世界線のお話のようで、、四部作目には、「三月は深き赤の淵を」の作者がでてきて、今からそれを書こうとしている。。という何とも不思議な構成の作品。燕尾服の男がそれぞれ出てくるのもなんか気になってました。それぞれの部で大分話の雰囲気が変わります。第3部の「虹と雲と鳥と」は大分衝撃的でした。。。
    続きも読み進めていきたい。

  • 難解。難しくて、歯が立たない。

  • 「三月は深き紅の淵を」という本を巡って、4部それぞれの章で話が進められる。
    一部から三部まではそれぞれ、実際に本がある世界であったり、存在だけの世界だったりする。
    四部では、作者視点でのこの本の製作に当たる物語がすすめられる。

    四部は俺にはいまいちピント来なかったが、それぞれ面白くできていたと思う。

  • 『三月は深き紅の淵を』という作中作が出てくる連作集。
    進むにつれてライトからヘビーな内容になってくるので、全体を通して読みやすかった。読後感はそこまで重くないと思う。
    個人的に好きなのは、第三章『虹と雲と鳥と』。
    二人の女子高生が話の核にいて、陰のある大人びた子と、みんなに好かれる人気者の子が出てくるが、どちらも内面が複雑で好きなキャラクターだった。青春の甘酸っぱさや、ファンタジーに寄った作品ではないのでご留意を。
    第四章『回転木馬』は、語り手が幾度か変わるので、一部は浮いている印象があるけれど、読みづらくはない。
    久々の恩田陸さん作品がが読めて楽しかった。

  • 難しい。
    再読か。

著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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