悪意 (講談社文庫)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062730174

感想・レビュー・書評

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  • 加賀恭一郎シリーズ。
    流石は東野圭吾さん。早くから犯人が分かってしまうが、そのあとは動機や事件の背景をめぐる考察、お互いの心理描写でページが進み、最後は、そんな?と思うくらいの大どんでん返し、ちゃぶ台返し。
    言葉は、もともと、知識や経験を後世に伝えるために編み出された道具であるけれど、実際は、虚偽の思考を生み出すものでもある。考えさせられる。

  • 人はなぜ人を殺すのか。
    ある人気作家が殺された。現場にはその妻と昔からの友人がいた。
    加賀恭一郎シリーズ。

    どんでん返され過ぎて頭がこんがらがりました。笑
    超一流のホワイダニット。

  • シリーズ物だから買った一冊。

    事件は解決したなと思ったらそこから更に深い事件の真相があった話だった

    最後の方が複雑だった
    人の心理はわからない

    ただ気に入らないから始まって、悪意が増幅して殺人までいく
    わかるようなわからないような複雑な心理だ

    袋とじの解説付きの小説じゃなくてよかった

    いい人が死に自分勝手の人が生きている
    なんか虚しい小説でした。

  • 何回も裏をかかれた
    作者の頭の良さに何度も驚かされた

  • 意外な展開が続く作品です。殺人事件も犯人逮捕も作品の前半部分にあり、これからどうなるの?っと読みながら思ってしまうくらいです。この作品は犯人の「動機」が非常に興味深い作品になっています。また、刑事の捜査の仕方、操作中の考えや思いが詳しく描写されている部分が多く感じられ、この部分も興味深い作品です。ミステリー作品が好きな方は絶対読むべき作品だと思いました。
    最後のページまで読むと作品のタイトル「悪意」の意味が胸に刺さるような感じでわかり、あぁ~なるほど~そうなのかぁ~っと思いました。

  • すごく面白いミステリーでした。。
    理詰めでの考え方がすごい!!
    しかも本の構成、話の流れもとても面白いものでした。
    内容は・・タイトルと帯に書いてあるとおりでした。。

    一度読んで、自分が本当に読みきれているかどうしても不安だったので、勧めてくれた方にメールをしたところ非常に親切に教えて下さいました。
    ありがとうございました。

  • 加賀シリーズを全制覇したくて積読だったこちらから。

    さすが東野圭吾さん。安定の面白さ。
    時代を感じさせられつつも読みやすくサクサク読了。
    「悪意」って、たしかにわかりやすくハッキリしたものとは限らないかもね、と思わせられた。

  • 久しぶりに再読。自分に読書のおもしろさを教えてくれた一冊。
    タイトル「悪意」の真理、そしてこの「悪意」を持つ人間はゼロではないだろうな、もしかしたら行動には移さずとも自分自身も持っていたかもしれないという受け入れ難い残酷な感情に身震い。

  • タイトルが本当にぴったり!最後まで真相が全く見えず。とにかく人の嫌な部分を突いてくるのに読み終わるとおお〜すごい...!ってなるような、なんかすごい話だった。

  • まさしく悪意そのものでした。

  • 加賀恭一郎シリーズ全10作中の4作目。
    前作「どちらかが彼女を殺した」に引き続き、王道から少し外れた(と表現したらいいのか?)作品。

    最初の庭の猫のシーンから一貫して感じられる不気味な空気感がたまらない作品であった。白夜行のようなイメージ?ゾクゾク感いいね

    東野圭吾で最後に読んだのが白銀ジャックだったので、雰囲気の落差が大きかった笑

  • 犯人は早々に分かるが、それはまだ始まりであり、なぜやったのか?を明らかにしていく。ホワイダニットの傑作。

  • 一般的な推理小説で描かれる犯人探しの過程だけではなく、犯人を特定したうえでその動機に着目していたのが斬新だった。加賀刑事が元教師だったこと、花火師の存在、冒頭の猫、野々口と日高の過去、告白文‥あらゆる話が真相解明の材料となっているのが次々と判明し、本をめくる手が止まらなかった。
    警察・検察が犯人に不利益な(有罪となりうる)証拠には甘いという特性を利用し、自分も犯人に仕立て上げる手法には驚かされた。誰でも法的に罰せられるのは避けたいことであるはずで、野々口があえてそうなるように仕組んでいるとは考えもしなかった。これ程の頭脳と度胸と熱意を他に注いで欲しかったものだ。
    加賀刑事がいなければ、日高に汚名がきせられ、野々口は悲劇のゴーストライターといういまいちパンチの弱い結末になっていたかもしれない。そもそも自殺した不倫相手の名誉のために長年ゴーストライターに成り下がり、日高を殺すのは動機として弱いという批判がある。私自身そう感じたがその動機はあくまで野々口が作り出した虚像であるので、動機として弱いというのは東野さんの高い技術ゆえではないかと思う。
    今までの作品の中でもとりわけ伏線回収が見事であった。ラストは加賀刑事のセリフ一色でそのスピード感はお見事。野々口が一言も発しない非常に対照的で奇妙にさえも写る。
    人はなぜ人を殺すのかー。一般論といえないまでも、殺人のみならず、故意に人を傷つける際にこの種の悪意は潜んでいるのかもしれない。

  • 誰がやったのか?
    どうやってやったのか?
    それが中心のミステリーの中で

    何故やったのか?にスポットを充てた今作。

    こういう物語もあるんだなと感服。

    なにがなんでも追求する姿勢が
    加賀さんらしくて良いですね。

  • 加賀恭一郎シリーズ。

    単純に、終わったのかな?
    と思いきや、そうさせないのが東野圭吾作品!
    びっくり!痺れる!
    彼等を知る者たちの章が面白かったー!
    最後はちょっと頭の中がてんてこ舞いになった!

  • 加賀恭一郎シリーズ第4作目。今度は警視庁の刑事というだけで所属所轄までは特定されていないみたいだ。そして事件を解明していく過程で加賀恭一郎の教師を辞めた背景も今回明らかになる。
    著名な小説家の殺人事件の動機を解明していく話。犯人はその小説家の幼な友達で元中学校教師で今は児童文学作家の野々口修。
    加賀刑事が野々口のアリバイを崩し、自供させて解決したかの様相で始まるが、動機が解明できない。
    野々口は加賀恭一郎が刑事になる前の職業、中学校教師だった時の先輩教師だった。そして動機も加賀刑事の巧みな推理で一旦解明、事件解決となったかのようになる。しかしまだ疑問に思った加賀刑事は更に幼少の頃まで背景を調べ、驚くべき事実を突き止める。
    小説の形態が、犯人野々口の告白手記と加賀刑事の記録や独白という文章が各々の言葉で進行するので読む方も何が真実で何が虚偽か戸惑う。しかし最後に犯人や被害者を知る者達の話が、第三者の主観的話として色々語られるのが整理され、読む方も加賀刑事と一緒に推理していく醍醐味を味合うことが出来る。

  • 序盤で犯人がわかり、そこから終盤にかけて怒濤の動機解明が進む。こんなにあっさり犯人が分かっちゃったら、途中で失速するのでは?と一瞬思ったのは、素人の浅はかさ…!!

    読み始める前と読み終えた後では、表紙の「悪意」の文字がまったく違う印象で見えてきました。

    結末が分かったうえで、ぜひもう一度読み返したい一作。

  • 上手いなぁ〜構成が素晴らしい!
    手記、記録、独白…それが単純ではなく前後して読んでるうちにモヤモヤとさせられる(´Д` )

    加賀恭一郎がこんなに理論立て、謎を解明する過程を書いたシリーズがあったかしら?

    加賀恭一郎同様、わたくしも冒頭の手記で騙されてました( ̄▽ ̄)

  • 読み始めはタイトルの意味が理解ができないが、読みす進めて行くうちに「悪意」の真意を知る。
    粗筋は割愛するが、この物語は主に2人の登場人物(児童文学作家の野々口修と刑事の加賀恭一郎)による手記と記録により進行する形式となっている。
    それぞれの内容に思惑やその時点での考察が入り混じり、過去に遡るたびに悪意の本質に近づき、そして離れ、すべてのパーツが揃う最後にはとても驚かされる。
    ストーリ中にも、小説中の作者の思いを紐解くシーンもあり、我々も同様に筆者の思惑を探る事はとても面白い。
    決してネタバレや前情報を頭に入れる事なく、純粋に本作品へ没頭するのが楽しめると思う。

  • この手法は見事だなあ。とても主観的に読み進めていった結果...

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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