- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062735728
感想・レビュー・書評
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中短編集のため、気軽に手を出すことができた。綾辻さんらしい叙述トリックが満載で、注意深く読んでいないと、伏線を見逃してしまう。
大枠のトリックに気づけても、問いをきちんと読んでおかないと、最後の最後に「しまった!」と悔しい思いをすることになる…
本編ももちろんだが、文庫版後書きを読むと、作品への思い入れを知ることができ、再読するときにより深く物語を味わうことができると思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
短編集。
本編と一緒に謎解きしていく感覚で良かった。
登場人物も馴染み深い家族が出てきたりして、想像しやすくて楽しい。
人が動物をイジメる描写があったが、小説とはいえ、少し嫌な気持ちになった。
こういう類の話は苦手だと確認できた作品。 -
学生の頃以来の再読。かなり昔に読んだはずなのに話の流れやオチを大体覚えていたのでそれだけ印象深い作品だったって事なんだろうと思う。初読した時は最後の話以外犯人は分からず、でもその「騙された!」という感情を抱く事こそミステリの醍醐味だと個人的には考える。
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挑戦状つきの「犯人あて」連作短編集。それぞれが独立しているものの、はじめから読む必要がある。
それぞれの短編は純粋なトリックというより、単なる言葉のひっかけで、個人的にはミステリじゃないと思っている。落ちも正直微妙。ただ、短編集の並べ方が秀逸で、前の話の応用→微妙にはずされる→更に応用→また微妙にはずされるの繰り返し。そういう意味で、似たような話でありながらバラエティーに富んでいるといえる。 -
犯人当ての短編5編。そんなのわかるかよ、って思ってしまう解答なのですが、読み直してみると実に綺麗に伏線が張ってあって、ちゃんとフェアで驚きます。伊園家のブラックさには、ちょっと引きましたがこれも良かったです。井坂先生とどうやって知り合ったかはとても気になるところです。でもやっぱりすべてを持って行ってしまったのは「悩める自由業者・リンタロー」と毎回登場する「タケマル」。彼らとの関係を想像して、なんだか暖かい気持ちになりました。「人間じゃない」にシリーズ番外編のような一編があるそうなのでとても楽しみです。