どんどん橋、落ちた (講談社文庫)

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  • 講談社
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感想 : 278
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062735728

感想・レビュー・書評

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  • 中短編集のため、気軽に手を出すことができた。綾辻さんらしい叙述トリックが満載で、注意深く読んでいないと、伏線を見逃してしまう。
    大枠のトリックに気づけても、問いをきちんと読んでおかないと、最後の最後に「しまった!」と悔しい思いをすることになる…
    本編ももちろんだが、文庫版後書きを読むと、作品への思い入れを知ることができ、再読するときにより深く物語を味わうことができると思う。

  • 短編集。
    本編と一緒に謎解きしていく感覚で良かった。
    登場人物も馴染み深い家族が出てきたりして、想像しやすくて楽しい。
    人が動物をイジメる描写があったが、小説とはいえ、少し嫌な気持ちになった。
    こういう類の話は苦手だと確認できた作品。

  • 学生の頃以来の再読。かなり昔に読んだはずなのに話の流れやオチを大体覚えていたのでそれだけ印象深い作品だったって事なんだろうと思う。初読した時は最後の話以外犯人は分からず、でもその「騙された!」という感情を抱く事こそミステリの醍醐味だと個人的には考える。

  • なんというか、メタい内容。
    ミステリーとしては「〇〇と思わせて実は〇〇」パターンが多い。
    一番ネタっぽい「伊園家の崩壊」が一番オーソドックスっぽい。

  • 特に1話目が面白かった。そんなのありかよ!ずるい!って感じだけど、確かに人間達の話ですよとは書かれてなかったな…

  • 挑戦状つきの「犯人あて」連作短編集。それぞれが独立しているものの、はじめから読む必要がある。
    それぞれの短編は純粋なトリックというより、単なる言葉のひっかけで、個人的にはミステリじゃないと思っている。落ちも正直微妙。ただ、短編集の並べ方が秀逸で、前の話の応用→微妙にはずされる→更に応用→また微妙にはずされるの繰り返し。そういう意味で、似たような話でありながらバラエティーに富んでいるといえる。

  • 犯人当ての短編5編。そんなのわかるかよ、って思ってしまう解答なのですが、読み直してみると実に綺麗に伏線が張ってあって、ちゃんとフェアで驚きます。伊園家のブラックさには、ちょっと引きましたがこれも良かったです。井坂先生とどうやって知り合ったかはとても気になるところです。でもやっぱりすべてを持って行ってしまったのは「悩める自由業者・リンタロー」と毎回登場する「タケマル」。彼らとの関係を想像して、なんだか暖かい気持ちになりました。「人間じゃない」にシリーズ番外編のような一編があるそうなのでとても楽しみです。

  • 楽屋オチだらけの短編集。
    ミステリ界に精通していればより楽しめる内容になってる。個人的に海外ミステリに疎いので、きっと半分くらいしか理解できてないと思うけど、面白かった。
    ただ、「順番に読むように!」との紹介が多く期待して読み進めたら、最後が突然シュールな終わり方になって、ちょっと肩透かしをくらったので、☆3つ。
    以下、自分が理解した内輪ネタの解説になるかも。

    ・「どんどん橋、落ちた」…ある日突然綾辻さんをU君なる人物(若かりし頃の綾辻さん?)が訪ねてきて、自作のミステリを無理矢理読ませ、犯人当てをさせる。
    登場人物(?)が「エラリイ」「ポウ」「アガサ」って、『十角館の殺人』のセルフパロディやないかい!
    そして綾辻さんの突っ込み「人物が描けてない!」が、綾辻さんがデビュー時にさんざん言われただろう批判なのも笑いを誘う。
    海外作家の名前の印象が強すぎて、斎戸サカエが斎藤栄のもじりだったりしたのは指摘されるまで気づかなかった。
    リンタローが悩んでるのが一番面白い。
    もちろん犯人は当てられなかった。

    ・「ぼうぼう森、燃えた」…登場動物紹介の「エラリイ」「アガサ」「ルルウ」と来て、「マヤ」「アリス」で吹いた。ここでやっとタケマルが我孫子武丸だと気づく私。
    そして、相変わらずリンタローは悩んでいる。「悩まないリンタローはリンタローではない」、笑える。

    ・「フェラーリは見ていた」…ちょっと奥さんのフェラーリの説明が不親切だとは思ったけど、一番ミステリぽかったかも。
    ていうか、どうしてタケマルは断固犬なんだろうか。タケマルって響きが犬っぽいからか、ほかの意味があるのか。我孫子武丸ほとんど読んでないから分からない。

    ・「伊園家の崩壊」…サザエさんの世界を下敷きにした、大抵の日本人が共有できる内輪ネタ。ていうか笑えないくらいブラックで、多方面からクレーム来たりしないのか心配になった。

    ・「意外な犯人」…作中のビデオドラマは面白かったんだけど、作品自体のオチがシュールすぎて…これにも何か元ネタがあるのかしら。

    こういう内輪ネタ満載の話を公に出版できちゃうのが売れっ子の証拠なのかな。

  • 1.2.3話目まではこんなミステリもありなのか〜と感心しながら楽しく読んでいました。
    4.5話目あたりからおもーくなり、最後も後味が悪く感じました…
    でも、1.2話は特におもしろくて好きでした。

  • 短編集で読みやすかった。
    なかなか面白かった章もあったけれど、そうじゃない章もあったり(特に最後の章)。

    結局のところ一番印象に残った話は、本のタイトルにもなっている、「どんどん橋、落ちた」だった。

    「伊園家の崩壊」もなかなか面白かったが、パロディとなんで言われているのかよく分からなかったが、、
    なるほどね。サザエさんの登場人物のパロディだったのか。。
    ようやく、バブーの意味が分かった笑

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著者プロフィール

1960年京都市生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院博士後期課程修了。87年、大学院在学中に『十角館の殺人』でデビュー、新本格ミステリ・ムーヴメントの契機となる。92年、『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。2009年発表の『Another』は本格ミステリとホラーを融合した傑作として絶賛を浴び、TVアニメーション、実写映画のW映像化も好評を博した。他に『Another エピソードS』『霧越邸殺人事件』『深泥丘奇談』など著書多数。18年度、第22回日本ミステリー文学大賞を受賞。

「2023年 『Another 2001(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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