マレー鉄道の謎 (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062750776

感想・レビュー・書評

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  • 提示された材料がほとんど消化しきれていない、特にマレー鉄道絡みで死んでいった人物などミステリーっぽく展開させるも結局、謎解きさえしないという手抜き。
    密室殺人の謎も、あえて密室でなければならない必然性といったものを感じられず、ジャッキでトレーラーハウス内のものを移動させるのにどのくらいの角度をつければいいんだという手間暇を考えれば、危険すぎる。
    しかも、3つめの殺人動機がジャッキとジャック(ジョン)の聞き違いというオチでは・・
    事件解決後の「終章」もあってもなくてもいい内容。

    唯一良かったのは、表紙の絵でした。

  • 再読。(聞き取り不能)と相手が何を言ったかに関して原文で繰り返すことは「できんわ。覚えてない」と火村に答えるアリスに思わず可愛いと思いながらも大いに共感していました。密室のトリックはそれほど突飛ではないのですが、後半ひとつの鍵を拾ってあっという間に収集していく火村の謎解きはしっかり楽しめました。犯人に全く共感できず、さらに最後は苦いのです。それでもアリスと火村の優しい関係が好きで(今回はそれに大龍を加えた三人ですが)またきっと再読してしまうでしょう。

  • 国名シリーズ第六弾。

    旧友の待つ楽園で火村とアリスの二人を出迎えてくれたのはウェルカムドリンク、フルーツならぬウェルカム殺人事件。

    密室トレーラーから始まる連続殺人事件、やがて旧友にも嫌疑が。
    迫る帰国時間、どうこの謎に挑むのか…。観光気分も味わいながらの緩やかな前半からタイムリミット迫る後半はグッと動き出す。
    大掛かりな密室トリックは想像力を駆使してみれば、なるほど…となんだか納得できる。

    この一連の事件の根底で様々な感情がジャングルのように密に絡み合っていたのかと思うと、舞台が楽園なだけにせつなさが増した。

    あの人がジャングルで吼えるのかも気になるところ。

    火村とアリスの何気ない会話がところどころに癒しの風を運ぶ。
    これもこのシリーズの魅力の一つだ。

    • あいさん
      こんばんは(^-^)/

      くるたん国名シリーズ読んでいるんだね!
      私学生アリスは好きなんだけど、小説家アリスは思ったほどではなくて…...
      こんばんは(^-^)/

      くるたん国名シリーズ読んでいるんだね!
      私学生アリスは好きなんだけど、小説家アリスは思ったほどではなくて…
      いつも短編だからかな?長編だったら読み応えありかなぁ。
      火村も好きなタイプだし不思議なんだよね。
      私この本持っているような気がする(。-∀-)ニヒ♪
      2019/06/10
    • くるたんさん
      けいたん♪
      こんばんは(o^^o)

      うん、基本長編が好きでね、なんとなく積んでいたのをひっぱりだしたの。

      シリーズ順番なんか関係なく読ん...
      けいたん♪
      こんばんは(o^^o)

      うん、基本長編が好きでね、なんとなく積んでいたのをひっぱりだしたの。

      シリーズ順番なんか関係なく読んでるから学生アリスは未読だわぁ。
      しかも有名どころをまだ読んでいないという…(*≧∀≦)ゞ

      これは異国の地へ行った気分を味わえて満足だったよ♡
      2019/06/10
  • 個人的には最後の犯人とのやりとりはあんまり好きじゃないでよねぇー(´・ω・`)
    ロジックは有栖川さんらしく、ちゃんとしてたと思います

  • 何度読んでも、いちばん大きなトリックがいまいちピンとこない…本当にできるのかな、そんなこと。

    印象的なのは、卒業旅行の負けん気の強いアリス。大龍のために憤るアリス。
    それから、火村が犯人を逃がしたこと。

  • A04-05, A10-01

  • 派手さはないが、しっかりした作りのミステリー作品。いつものように日本の警察捜査に協力する話ではなく、二人が大学時代の留学生の友人をマレーシアに訪問した際に殺人事件に巻き込まれる話で、現場警察との衝突があるところがいつもとは違う。
    事件の背景となっている過去の出来事や犯人に関しては、予想しやすいのではないだろうか。
    トレーラーハウスの「目張り密室」という特異な設定を上手く活かした密室トリックは、読者には予測しにくいものではあるが、大技で斬新。ワンフーの遺体がキャビネットの中に入っていた理由にも納得。
    3つの殺人のそれぞれの動機が焦点となるが、津久井殺しの動機が面白い。アランからの電話に関するある錯誤も、海外旅行中の事件という特質が巧く使われていて面白い。

  • こういう密室トリックは、文章読んでもよくわからない。イメージができにくい。読解力の問題と言われるとそれまでだが。
    ラスト展開が急になり、事件は解決するが、それが少し強引かな。正直解決できないかと思ったりして。

  • 初の海外舞台編。
    大学時代に日本に来ていた留学生、衛大龍(ウイ タイロン)と仲良くなった二人が、彼の故郷であるマレーシアに招待されて、行った先で殺人事件に巻き込まれる話。
    キャメロン・ハイランドってジム・トンプソンが失踪したところなのかー。以前親から失踪した話は聞いた記憶がありました。タイのシルクの人。
    地元のちょっと不真面目が青年が、その土地でレストランなどを経営する日本人実業家の敷地にあったトレーラーハウスで殺されるんですけど、その第一発見者となった火村とアリスが乗りかかった船、ということで帰国までのタイムリミットに追われながら、密室の謎に挑むという流れ。タイムリミットがあることや、アリスが英語が火村ほど堪能ではないという設定(のせいで、現地の人や英語での会話は所々伏せられたりする趣向)が結構面白かったなーと。
    大オチの密室トリックは、パズルゲームのようだった。倉庫番を思い出しますよね。。件のトレーラーハウスで火村せんせとアリスが犯人と対峙するんですが、その展開がまた銃が登場するなどして、ハラハラドキドキ感が満載で、かなり熱い対決になってました。最後、犯人は森に逃げていくんですけど、なんとなく「山月記」を彷彿とさせられるような…。人としての理性を失ったとしか思えない、虎が森へ逃げていくというイメージのせいですかね。
    でもこれ実はことの発端は、別の人のちょっとした悪意(意図的ではなかったのかもしれないですけど、それはまあ本人のみぞ知る)から始まるんですよね。まあもっともその悪意を呼び覚まさせたのは、元をただせば犯人の行動なんでしょうけど。
    久々のシリーズ長編ということもあって読み応えもあって面白かったなあ。

    あ、あと外せないのは、最初の方に出てくる、アリスと火村先生の悪についての談義ですね。悪は環境変化に対応するために、神より与えられたバリエーションの一つ、という説が面白いなあ、と。火村せんせはなので、そういう個性を持たせた神様に喧嘩を売っている、というアリスの説もなるほど、となりますね。性悪説にもちょっと通じるのかなとも思ったんですけど、あくまで個性の一つだということでしたが。

    ところで"Ooi"でウイと読む、というのが未だに、何だか腑に落ちないんで、調べようと思って調べてないな。ちなみに"大井"ならOhiでは、とも思うんですけど。Oiって"おい"になりません?どうなのかな。

    大龍が「人から嫌われるのは嫌なんです」といったのに対して、アリスが結構強くアホなことぬかせというくだりがね、ぐさりとささりました。誰にも嫌われないなんてありえない、もしそんな奴がいたら、そいつを好きな奴はゼロや、って怒るんですよね。まあ、大龍に怒ってるわけじゃないんですけど。嫌われたくないのは、それでもやっぱりありますよね、ってなことを思ったんでした。

    解説は読もうと思って読んでない!
    あとがきは取材に行ってからも大幅に時間が空いてしまったという話がメインだったかな。

  • すべての出入り口が内側からテープで目張りされた強固な純正密室。
    マレーシア観光中に二人が出会ったとある因果。

    久々に密室を形成する大掛かりな物理トリックが読めて楽しかった。
    読者の発想がそこに至るまでの見えない道筋も振り返ってみれば丁寧かつ独創的で。
    本格ロマンチック。

    火村英生と作家アリスの国名シリーズ六作目。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。89年「月光ゲーム」でデビュー。「マレー鉄道の謎」で日本推理作家協会賞を受賞。「本格ミステリ作家クラブ」初代会長。著書に「暗い宿」「ジュリエットの悲鳴」「朱色の研究」「絶叫城殺人事件」など多数。

「2023年 『濱地健三郎の幽たる事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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