発火点 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (576ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062751995

感想・レビュー・書評

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  • 心の想いと行動とが一致しない主人公にイライラしながら、でも自分が経験した反抗期もこんなものかなあと思いながら読み進めました。最後に父を殺した本当の理由は?というところに行きつくが、自分には理解できません、こんなことで?と思ってしまう。

  • 殺人事件の被害者家族となった主人公が、どうして父は殺されたのかを知るために辿る話。ラストの展開が唐突なような。。いい話に持っていった感。

  • 久々にホワイトアウトの真保作品。細かな描写にこだわりすぎて本が分厚くなる典型ではありますが、その辺をすっ飛ばしても最後まで答えが見えないこの仕組みが面白い。事件の当事者でない被害者の息子という主人公の立ち位置はこれまであまり考えられたものではなかったと思うし、難しいキャラクターを描き切ったな、と。ちょっと最後はいい話にしすぎているような気がしますが。これが誉田作品との違いですかね。

  •  犯罪被害者の息子の話。
     けれど、決して、その加害者を憎んでいたりは決してしなくて、自分がその原因の一端を握っていた、とずっと思い続けていた話。
     なんていうか……ちょっと考えさせられること山ほど。

     大人にも見栄があって。
     触れられたくない部分があって。
     子供の思っているほど、大人は大人じゃない、という話だったのだと、僕は思った。

     まぁ、僕だって、いい加減いい年になっていて。
     法律上は大人で。
     多分、年齢的には大人なんだと思う。
     でも、実際は、まだ、子供気分がこれっぽちも抜けてなくて。
     相変わらず、扶養家族の立場を謳歌していて。
     見た目だって、ちっとも大人になれなくて。
     安い服を着て、時々高校生に間違えられる(爆)(最近の高校生が背伸びしすぎなだけだと思うけど……)

     最近は、スーツっぽい格好をして、出かけているから(実習の都合上)、さすがに「高校生」には見えないだろうが……。
     それでも、そのスーツっぽい格好がしっくりこない自分がいる……。
     勝手に「まだ早い」とか、考えている(爆)
     実は、そんなに早くなくて、遅いくらいなのだけれど。

     大分、話、ずれたな……。 

     それと、もう一つ、理解できないのが……。
     この話のラスト。
     いや、多分、理解できないんじゃない、理解したくないんだ……ってことは、十分にわかってる。
     でも、ちょっと、受け入れにくいな……(爆)
     果たしてどっちなんだろう……という、明確な答えを求めたがっている自分がいる。
     多分、あっちだろう、という検討はついているのだけれど……(苦笑)

     僕は、そろそろ将来について真剣に決断しなくちゃいけない。
     夢を追い求めることと、追わないことと、どっちの罪が大きいのか、正直悩んでしまう。

  • 最近読む真保作品は、今一つ自分にマッチせず…。殺人事件の被害者家族が主人公、その感じ方や、周りからの見え方、過去の記憶や後悔、また被害者、加害者、それぞれのアプローチがあり、ところどころの感触としては、ハッと思わせる部分があったものの、全体的には今一つの読後感。

  • 読み進めるのが辛かった。あまりにも重く暗い。
    でも、終盤になると早く次を知りたい、読みたいと変わって来る。
    どこに着地するのだろうと気になっていたが、そういう事だったのかと納得する。

  • 2013.5.20
    今ひとつ沼田の殺人の動機がしっくり来ない・・残念。

  • 最後の最後までなぜ敦也の父親が友人に殺されたのかは分からなかったけど、なんとなーく納得がいかない結末だった。

  • 久しぶりに読んだ真保裕一。かなり長編だが一気に読了。小学生時代に父を殺された主人公がその事実と向き合う。正論を吐き、周囲の人間を傷つけ拒絶することが自分の弱さに起因することを悟り、成長していく。彼の著書のいくつかに共通するテーマだが、一人称で記述される本書が最も顕著と思う。その行動や考え方で我が身を振り返らされる部分もある。エピローグ前までに書くべきことは終わり、でもその後を示唆する重要な部分が最後にさらっ、と書かれているのは真保裕一らしいが、ラストはどちらと再会?きっと靖代?少しモヤモヤ感が残る。

  • 真保 裕一(シンポ ユウイチ)を初めて読んだ。なんだかグチャグチャ女々しく読むのがしんどかった。

    父親を父親の友人に殺された少年が、犯罪被害者という世間からの哀れみの中で、過去に付きまとわれず普通に暮らしたいと切望しながらも、上手く社会に適合できないジレンマを描く。

    二人の女性との付き合いを通じ、また、何故父親が殺されたかという真相を突き止めることにより、過去の事件を消化し成長していくストーリ。

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著者プロフィール

真保裕一(しんぽ・ゆういち)
1961年東京都生まれ。91年に『連鎖』で江戸川乱歩賞を受賞。96年に『ホワイトアウト』で吉川英治文学新人賞、97年に『奪取』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞長編部門、2006年『灰色の北壁』で新田次郎賞を受賞。他の書著に『アマルフィ』『天使の報酬』『アンダルシア』の「外交官シリーズ」や『デパートへ行こう!』『ローカル線で行こう!』『遊園地に行こう!』『オリンピックへ行こう!』の「行こう!シリーズ」、『ダーク・ブルー』『シークレット・エクスプレス』『真・慶安太平記』などがある。


「2022年 『暗闇のアリア』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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