- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062761420
感想・レビュー・書評
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世の中の流れに立ち向かおうとした兄弟の物語。
伊坂さんがあとがきで「ファシズムや憲法、国民投票などが出てきますが、それらはテーマではなく、そういったことに関する特定のメッセージも含んでいません。」と書いている。
ならば、この作品のテーマなんだろう?
「とにかく時代は変りつつある」『時代は変る』ボブ・ディラン
「時代は少しも変わらないと思う。一種の、あほらしい感じである」『苦悩の年鑑』太宰治
巻頭にあったこのふたつの文がとても心に残った。
これがこの小説のテーマのひとつかもしれない。
この先時代は変わるのか、変わらないのか…
この作品から感じた不穏な流れ、世の中の怖さ、その雰囲気は嫌いじゃなかった。
流されるな、「考えろ」とずっと投げかけてくれた。大事な事だと思う。
「政治家が賢いのと馬鹿なのでは、どっちが怖いんだろう」
この質問は凄い。考えろ、考えろ!
ただ、お兄さんのしたかった事、潤也くんがしようとしている事、犬養という人、そして、帯に書かれている「魔王とは何者なのか?」、どれもはっきりしなかったなぁ。
モヤッとした終わり…
何より、ファシズムとは何か、ファシズムの何がいけないのか、統一とは悪い事なのかがメインなので私にはちょっとハマれなかった。
この作品に私の大好きなあの人が!何を調査しにきたの?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
古本屋で安売りしてたので買った一冊
うーん
なんて言ったらいいかわからない
魔王と言う題名なのでもっとバイオレンス的な内容だと思ったが全く違った
魔王の方はなんだかよくわからなかった
呼吸は世の中に流されない2人が書かれていた
楽しめる小説ではなかった小説でした。 -
20年近く前の作品だが、作中に出てくる政治の雰囲気が今と全く一緒なんだけど…
作者が未来予知しているのか、20年間政治が進歩していないのか
謎を撒き散らしてそのまま放置するから読後のモヤモヤがすごいある。
☆2.3 -
タイトルの『魔王』はシューベルトの楽曲「魔王」から来ているらしい。
「魔王」は、父親が息子を脇にかかえながら、馬を疾走させ森を駆け抜ける、というストーリーのある曲だ。
魔王が息子についておいでと囁くのだが、「魔王がぼくをさらおうとしている」と父親に訴えかけても、気のせいだと宥められてしまう。
……そんな楽曲。
「魔王」の不穏なピアノ音が、小説『魔王』のバックグラウンドで鳴っているような気がして、なんとも不穏で不気味だった。
お話自体は重いというわけではないが、群衆(民衆)の思いが一つの潮流となって、予期せぬ場所に向かいかけたら止められないみたいな(イギリスのEU離脱、アメリカのトランプ政権樹立のような)事象を書いていて、エンタメ作品というのでもない。
政治の大きな流れをいち早く予感し、自分なりの方法で向かっていく、超能力(と自覚はされていないが)を持ったある兄弟のお話。 -
最後に千葉さんが出てきたところで嬉しくなったが、それは 魔王 とは関係のない話。他の作品とのつながりがあるのも伊坂さんの作品の良いところ。ただ、政治や思想の話が絡むので本筋の話は少し苦手。
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ちょっと消化不良
よくわかんなかった
なぜ安藤は死んだのか?
潤也は何をしようとしてるのか? -
伊坂幸太郎の本だ!と思って喜び勇んで読んだけど、うーん、つまらなかったなぁ。
なんというか、終始何が言いたいのかよく分からないというか…
文章としてはやっぱり書き方が上手いのでこの先面白くなるのかもとずっと期待して読んだが、結局最後まで何がしたいかよく分からない話だった。
ファシズムと何も考えてない日本人の話?
特に驚きもなかったし…
二度と読みたくない!って怒るレベルのつまらなさじゃないけど、なんか時間無駄にしちゃったかもなって思うレベルにはつまらなかった。 -
図書館で借りて。政治の話は考えさせられるところもあるけど、超能力にオチがつかなくて消化不良。
伊坂さんは読みやすいけど好きではないかも。個人的な印象としては読者を選ぶように思うので、正直なんで売れてるのかよく分からない。 -
単純に思っていたのと違う方向性のお話で作者の伝えたかったことを読み取るのが難しかったです
考えろ、考えろ。と作者に言われているのかも