- Amazon.co.jp ・本 (488ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062765572
感想・レビュー・書評
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「下」巻に入り、スローハイツの住人たちが動き出し、徐々に辻村さんの心理描写の細やかさが深くなっていく気がしました。「上」巻を読むのに3日ほどかかったのですが、「下」巻は一気読み。
場面・時間の展開も前後左右にスピーディに展開していく。そして、目を見張るばかりの伏線回収。「上」巻も丁寧に読んでいたつもりだったけど、「もっと時間をかけてしっかり読んでおけばよかった」とついつい思ってしまうほど様々なことが繋がっていきます。
なんとなく朧げに記憶していたストーリーの断片が過去の様々な事実によって形を作り出し、現在のありようを鮮明にしてくる。これまでの人間模様に思わず涙してしまう、そんな感じだったでしょうか。
「スローハイツの神様」と題した背景もしっかりと腑に落ちました。面白かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
上巻の時は、そこまでハマらなかったが下巻に来て、一気にハマった。そこと繋がるのか、と読み応えがあった。
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伏線回収が見事でした。結末に向けての展開は心を揺さぶられました!面白かった!
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下巻読了。最高に面白かった。上巻で散りばめられていた伏線のピースがハマっていく度にキャラクターの輪郭と深みが増していく。上巻では、少し冗長に感じられた登場人物のエピソードが、下巻ではもっと知りたいと変わっていた。ラストも納得の結末だった。『V.T.R.』も読みたい。最後に、上下巻読み終えて、以下の作中の台詞が印象に残った。公輝の台詞。
「いいことも悪いことも、ずっとは続かないんです。いつか、終わりが来て、それが来ない場合には、きっと形が変容していく。」
彼らに良い変化が起きて良かった。 -
なるほど、そうつながってくるのか。鼓動チカラや幹永舞の正体などは枝葉でしかなく、初対面での第一声や公輝の金銭感覚、趣味嗜好のエピソードにこんな意味が隠されていたとは。最終章のじんわりとした温かさが心地良い。正に「ステキ ナ フタリ」だった。すみれの10代のような恋愛のし方にも覚えがある。辻村作品には自分が忘れようとしているあの頃の負の感情が丁寧に描かれており、自分の黒歴史を曝け出されるように感じる時がある。
ちなみに私は『凍りのくじら』既読なのに、読了まで芦沢洸にまったく気づかなかった。 -
まじで泣いた
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読んだのは結構前だけど、今でも大好き。創作者の集まりで作られた現代のときわ荘。群像劇の中で明かされるそれぞれの抱えた秘密、過去、切実さ。でも一番の役者はやっぱコウちゃんだよね。
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上下巻まとめての感想
素敵なエピソードが散りばめられた感慨深いお話だった。もちろん再読したいと思っている。
著者の心理描写が上手で、胸にすーっと入り込んでくる。この感じがたまらなく好き。
クリスマスケーキのエピソードが最高。何度も思い出してしまう。こんなに素敵なことがあったら、どんなに苦しい状況でも頑張っていこう。そう思えるだろう。
ラストは感動に包まれた。