指し手の顔(下) 脳男2 (講談社文庫)

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  • 講談社
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感想 : 72
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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062768016

感想・レビュー・書評

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  • 上下巻ですが、1冊にできたかも。ストーリは面白く、前作に続き進化した主人公がよいのですが、専門的な説明が多すぎて、ちょっとスピーディさにかけてしまっているのが残念。でも面白かったですよ。

  • 脳男の続編。

    の、割には、脳男である鈴木一郎の登場はほんのわずか。ですが、このわずかな登場シーンがきちんとストーリーを進める鍵が隠されています。
    読者に、彼の活躍をもっと熱望させるためにはすごく効果的なシーンの取捨選択がされているので、そのあたりはやはり上手いなぁと感じました。

    で、この連続する犯罪の真犯人ですけど、割と最初の方で予想出来てしまう方が多いのではないでしょうか。なんとなく予想した犯人&犯行に至るまでの背景もほぼワタシの場合、予想通りでした。

    精神科医療の抱える治療方針の問題点やブローカーの存在、などに関しては、普段あまり知る機会がないので、なるほど…と思いながら興味深く読みました。

    脳男のパート1が映画化されていますが、このパート2に関してはちょっと映像化が難しいかもしれませんね。サイコキラーの殺し方がかなりエグいです。でも、このエグさをぼかしてしまうと、ストーリー全体がボケてしまうような気がします。

    脳男である鈴木一郎の目的を達成する能力はさすが、と思わせてくれますが、いかんせんやはり直球ストレートで、感情部分はごっそり欠けています。でもそのストレートで合理的な部分と情けなどが一切ないところが、彼の脳男である所以なのかもしれませんね。

    この部分が、やはりラストで、鷲谷真梨子が彼を敵であるとみなす要因ではあるのですが、これ、おそらくたぶんまだ続くんでしょうね。だとすると、続きが非常に気になります。

    願わくば、ワタシが考えた最強陳腐なエンディング、
    「なんらかのきっかけで感情というものを取り戻した脳男が、死に際に真梨子に感謝とか愛情のセリフを言いながら『グハァ…!!』でエンディング」
    だけは避けてもらえたらありがたいです(笑)

    できたら、脳男はこの不条理な部分を抱えたまま、ストーリーを進めて貰いたいです。

  • 謎の美女イブの正体、脳男の過去、そして、事件の全貌が明かされる怒涛の展開…シリーズ第一作からの設定を壊さずに面白い仕掛けを物語に仕込んだものだ。この作品は日本のサイコパス、連続殺人犯を扱った小説の中でも上位に入るのではないだろうか。深刻なテーマでも、何故か少し軽く感じるのだが、それは登場人物の名前が残虐性をオブラートに包んでいるからか。

    さらには鷺谷真梨子と脳男のさらなる対決を予感させるラスト。続編の予感。出来ればスッキリ決着を付けてもらいたかった。

  • 「人間はね、恐怖に駆られるとなにかに頼りたくなるの。なんでも良いからできるだけ大きな物の陰に隠れたくなるの。でもそれは自分の意志を誰であれ他人に明け渡すということよ。わたしは人間が人間であるのは誰にでも意志の力が備わっているからだと思っている。だから他人に意志を明け渡してしまったらその人はもう人間とは呼べない。自分の意志を明け渡し場所がたとえ『科学』という名の判断基準だとしてもね。」めちゃくちゃ面白かった。

  • 痛いのは苦手。
    鈴木一郎をもっと見たかった。

    まだ、終わらない。

  • またまたありえない話で、面白かった。前半はサイコスリラーで、気持ち悪かった。話は終わっていない。次を見たい。

  • やっと鈴木一郎が登場して脳男らしくなりました。
    精神を病んだ人を犯罪者にした本というのは数限りなくあると思うのですが、やはり馴染めません。
    余り後味がよくありませんでした。

  • 殺し方が総じてえぐい!ぐろい!

    あと、難しい単語多くて
    長くて読み飛ばしたとこ多数
    なので、伏線を拾いきれてないかも

    それにしても、凄い色々と絡まりあって
    面白い!うん!

    どんでん返しみたいな展開はないけど
    それでも最後までどん②読みたくなって
    止まらない本だった。

    おかげで寝不足!

  • 長かったなー。

    前回よりはマシだけど、今回も紙幅を割いた割に後半説明が足らなかった気がする。

    序盤の力士の大暴れシーンとか、結局あんな風に書き捨てちゃうくらいなら、もう少し削ればいいのに。

    前回も気になったけど、被害にあった仲間のその後とかあまりにそっけない記述。思わずもらい屈辱。

    作中いろんなことが起きるけど、ほとんど振り返る視点がないから、結局なんだったの?ってなる。
    俯瞰できないんだよなあ。

    結局鈴木一郎の目的がわからないんだけど、そこは脳男3がでるのでしょうか。

  • 上巻は、「あ~日本人の癖に聖書ネタに、それもベタいところに手を出して~下手なハリウッドもんみたいになるのか~、やっぱ賞を取った本の続編はダメになっちゃうのね・・・ところで表題の鈴木さんは一体いつ出るのかしら~」と思いながら読んでたけど、下巻途中からあれよあれよと話がすすみ結果後半一機読みしたので★×5にしてみた。
    場面が飛び飛びで登場人物も横文字の人が増えてるから、名前頭に叩き込みながら読まないと(個人的に横文字覚えるの苦手なので・・・)あとでアレッてなるかも。

    2012年10月現在、1冊目「脳男」が生田斗馬主演で2013年の映画公開が決まってますけど、1冊目なら「生田斗馬、あ~悪くないかも~」って感じでしたが、この2冊目は生田斗馬はちょっと難しいかなな。そして今ついでに茶屋が誰か見たけど・・・それはちゃうっっ!!

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著者プロフィール

1956年栃木県生まれ、上智大学法学部卒。会社勤務等を経て、2000年に『脳男』で第46回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。他著に『事故係 生稲昇太の多感』『刑事の墓場』『指し手の顔 脳男2』『刑事のはらわた』『大幽霊烏賊 名探偵面鏡真澄』がある。


「2021年 『ブックキーパー 脳男』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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