カーリー <1.黄金の尖塔の国とあひると小公女> (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 78
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062772976

感想・レビュー・書評

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  • 主人公とカーリーのやりとりがくすぐったくて、甘さ加減にキャーキャーしちゃいます。恥ずかしがりながら読むって、中学生向けの恋愛小説読んだ以来かもしれない。
    でも物語はしっかり作り込まれていて、面白いです!
    英国、紅茶、スクール生活、キャーキャーいいたい
    この中で一つでも気になる言葉があった方はどうぞ、お手に。

  • たまたま興味が湧いていた英領インドでの物語を探していてたどり着いた一冊でした。きゅんとした! とてもきゅんとした!!(鼻息荒く)
    ――第二次世界大戦前夜、故郷ロンドンを離れ、英国統治下のインドへと渡った14歳のシャーロット。駐在英国人の子女が通うオルガ女学院の寄宿舎で出会ったのは、神秘的な少女・カーリーガードと、個性豊かな仲間たちだった。激動の時代を懸命に生きる少女たちの姿を描き、熱狂的なファンを生んだシリーズ第一作。(裏表紙より)

    ということで、第二次世界大戦前の複雑な国際間の関係のなか、こちらも複雑な事情のもとに作られた女学院に通う女の子たちの物語です。
    重大そうな真実をシャーロットとは別のところでさらりと明かしておいて、当のシャーロットは何も気がつかないまま物語は進んでいきます。カーリーの秘密、シャーロットの生い立ち……たくさんの舞台裏の糸が繋がって、それが表に出た段階で初めてシャーロットはそれに対面することになります。だからこそ、純粋でひたむきな彼女が、真正面からそれにぶつかっていく姿がとても爽快なんです。
    ――心とは、人が血を流さずに手に入れられる、たったひとつの領土なのだから。
    がむしゃらに進んでいく物語の最後に与えられる、シャーロットにとっての答え。彼女がその境遇にあるからこそたどり着いた、この一言が胸にじんと残りました。
    カーリーの正体はかなり早い段階で答えが出されるけれど、分かっていてもどきっととしてしまう。そんなところが彼女の魅力だなーと思います。あひるを相手にやきもちを焼くカーリーが可愛らしくてたまりませんでした。

  • 『トッカン』の作者ってラノベ出身だったとは。復刊してくれてありがとう。WW2前にイギリス統治下のインドに渡り、女学院の寄宿舎で友情を深め合うシャーロットとカーリーの物語。『小公女』のような雰囲気、不穏な時代背景に伴う不穏な情勢下での事件、個性的なキャラの友人たちとの寮生活、シャルロットの母の謎、そしてカーリーの秘密…。いろんな要素がテンコ盛りだけどテンポ良く進み、どのページを開いても面白かった~。続刊が待ち遠しいな。(主人公はシャルロットなのにタイトルは『カーリー』と冠するのは山本周五郎の『さぶ』みたい)

  • 言わずと知れた「カーリー」です。
    むかし、「カーリー」が最初に出たころ、話題になっていたのでちょっと立ち読みしたんだけれども、その時はちょっと冒頭を見ただけで「まあ、買わなくてもいいか」と止めてしまった。
    …惜しいことをしました。
    確か「マリみて」が流行ってたころだったんだよなー。またこれ系か…嫌いじゃないけどさー…と思ってしまったのだよなー。
    まさかこんな展開とは…!にやにやでハラハラでした。
    小さな箱庭の内に収まっていたお話がどんどん広がっていって、最後の選択はすごく鮮烈。
    フィクションの中の何も知らない女の子主人公は、かわいいし使い勝手もいいけれど、でも本人はそんな自分は嫌なのだ。
    すごく素敵なお話だった。
    綺麗に終わっただけにこの後どうなってしまうのか不安だけど、読まずにはいられない…!

    ところで、母親と父親のモテっぷりを思うと、主人公って実はものすごい美少女なんだろうか…

  • シャーロットが苦手だ…

    最後まで乗りきれず…

  • 高殿円が2006年にファミ通文庫から出版したライトノベルの講談社文庫版。オリジナルの表紙はシャーロット、カーリー、そしてナッピーの可愛らしい絵だったのですが、今回は落ち着いた表紙になって敷居が下がったのではないでしょうか。物語は、第二次世界大戦前夜、インドにある全寮制の女子校を舞台に女の子たちの友情を描いています。少女小説に欠かせないキーワードがたくさん散りばめられた素敵なお話です。学園生活の日常パートと戦争に関わるアクションパートのバランスが良いですね。シャーロットとカーリーの今後が気になります。

  • 基本、少女マンガの様な話。何故か、普通の少女が新しい環境に言った途端、モテモテとなったり、今までの自分は本当の自分ではなく、いつか誰かが迎えに来てくれて、偉くなったり金持ちになったり、もしくは王子様が迎えにきたりするという王道のシンデレラlコンプレックスの典型的な話ではある。また、謎の人物の種明かしもあっけなく、また、その人物との出会いが序章で語られ、対して深みのある話ではないが、それだけ故に主人公が時を経ても理由もなく好かれるというのも普通の話としてはありえないのだが、少女漫画と考えれば、そのお作法に則っているので、違和感を持ってはいけない。話としては、少女マンガテイストに第2次大戦前の歴史観とスパイものをスパイスとしてくわえているので、普通に読めるが、最後に掲載されいてる当初の表紙絵のままだったら、手に取るのは少々恥ずかく、読まずに終わっただろう。

  • 舞台は第二次世界大戦前。父の仕事の都合で故郷ロンドンを離れ、英国統治下のインドへと渡った14歳のシャーロット。駐在英国人の子女が通うオルガ女学院に転入し、て約100年前のヴィクトリア朝の伝統を重んじる寄宿舎で暮らし始める彼女が出会ったのは、神秘的な少女・カーリーガードと、個性豊かな仲間たちだった。激動の時代を懸命に生きる少女たちの姿を描き、熱狂的なファンを生んだシリーズ第一作。短編「恋と寄宿舎とガイ・フォークス・デイ」を収録。

    もともとファミ通文庫から出ていたものが講談社から出て、どうやらそれまでの2巻に新刊も加わるようですね。かなりファンがいたらしく、結構期待しつつ手に取りました。
    元々ラノベということもあり、わりとさらりと読めますが、世界大戦当時のインドとイギリスの情勢なども絡めた、歴史小説とも言える重厚さもあります。ある夫人などスパイみたいなものですし。この作品は「高殿さんご本人が書きたいもの」だそうで、書き手が楽しんで書いたんだろうなと思うような描写は決して嫌いではありません。カーリーの正体をシャーロットが知ってからが気になるなぁ。

  • ぐいぐい引き込まれる

  • インドがイギリス領だった頃、家族とうまくいかない主人公が故郷を離れお嬢様学校へ転入する。そこで出会った友人たちとの日々の出来事を経て淑女へ成長していくお話。
    設定と時代考証はものすごく好みなんだがストーリーが浅い!なぜカーリーがそこまで主人公に入れ込んでいるかもわからないくらい主人公も薄い。

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著者プロフィール

1976年兵庫県生まれ。2000年『マグダミリア三つの星』で第4回角川学園小説大賞奨励賞を受賞しデビュー。主な著作に「トッカン」シリーズ、「上流階級 富久丸百貨店外商部」シリーズ、『メサイア 警備局特別公安五係』、『シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱』、『マル合の下僕』、「カーリー」シリーズ、『剣と紅 戦国の女領主・井伊直虎』、『主君 井伊の赤鬼・直政伝』(文藝春秋)など。2013年『カミングアウト』で第1回エキナカ書店大賞を受賞。漫画原作も多数。

「2023年 『忘らるる物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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