キャベツ (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 38
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062774208

感想・レビュー・書評

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  • 食べ物が美味しそうに描かれていて、そこに家族の姿があったら、どんな物語も倍鮮やかに見える。

    キャベツくん、と妹に呼ばれる兄と彼女とのささやかな日常物語。

    妹、美砂との会話は本当にリアルで魅力的。大きな事件が起きるわけじゃないけれど、そのありふれた風景の奥底に隠れていた感情が少し見える優しい話だった。

  • キャベツくんの草食系男子っぷりが妙にリアルです(笑)かこちゃんに手を出したくても出さない理由を自分であれこれ考えちゃうところとかね。デートの時の第一声が「何だか変なことになっちゃって」っていうのもまさに^^

    まぁそんなところはこの本の主題ではなくて、母子家庭に育ち家庭的で読書・料理・妄想好きな長男と、明るくて口は悪いが家族思いな妹の二人が、日常や家族に対して感じてることを、「父親がいない」という事実に基づいてうまく描かれてます。

    「ん?じゃなくてさ、箸とか取り皿とか出そうって思わないの?」この発言は兄弟が居れば何度も取り交わす会話だと思います。我が家も例外では(ry
    そこでたとえ悪びれなくても、素直に手伝う美砂。こういうところに彼女らしさが描かれてると思いました。

    キャベツくん、これからも頑張れ!(笑)


    「ひき肉か、ひき肉ね。そうだ、キャベツがまるまるひとつあるはずだから、そりゃあもうロールキャベツだね。」

  • 冬に食べるシチューみたいなお話。

  • キャベツをむしゃむしゃ。
    なにがあってもごはんを食べる。
    家族と、どんな気持ちでも。
    主人公みたいな、お兄ちゃんがほしいなあって思いました。
    そして、キャベツがとっても食べたくなった!
    ロールキャベツにキャベツとうまたれ、回鍋肉・・・。

  • さらさらと読みやすい口語の小説。

  • しあわせって、何も変わらないことなんじゃないかな。と思うときがよくあります。黙っていても周囲はめまぐるしく変化するけど、それでもごはんを食べて、一日それなりに生活して、寝る。現状維持の繰り返しの毎日が一番なんじゃないかなって、いつも考えます。そんな私からすると、この小説は父親と早い時期に死別している以外は恵まれた環境で家族の仲も良い、ちょっと絵空事じみた家庭環境で、変化を求めず冒険もしない主人公なのでとてつもなく地味なお話ですが、こういう売れ線を狙うあざとさを感じない作品はのんびり出来て大好きです。

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著者プロフィール

作家、翻訳家。子どものための読み物に「すみれちゃん」シリーズ(偕成社)、創作絵本に『100年たったら』(アリス館)、翻訳絵本に『せかいでさいしょに ズボンをはいた 女の子』『おばけのキルト』(小社)など。

「2022年 『色とりどりの ぼくの つめ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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