盤上のアルファ (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062777063

感想・レビュー・書評

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  • 私だって「存在のすべてを」を読みたい。
    塩田さん読んで待ちます、2作目
    2010年小説現代長編新人賞受賞
    2011年将棋ペンクラブ大賞受賞

    不遇な少年時代を送ったアマ棋士。三十三歳にして、アルバイト解雇され無職となる。
    知り合った新聞社の文化部担当記者の家に転がり込み、プロ棋士になるため最後の挑戦を始める。
    最近は、藤井聡太さんの活躍が心地良くて、ネットでニュースになるとつい読んでしまう。将棋のルールはわからなくても、将棋界というところが魅力的なんだろうと思う。
    「3月のライオン」
    「りゅうおうのおしごと」
    「少年⭐︎周波数」
    いずれも美形高校生の将棋界のお話しで、いずれも楽しく読める。
    プロ棋士となるにはこんな破天荒な人材もいるのかなと思う。将棋界のプロになる行程等も多少わかる。ラストにまさかの人間関係も加えられて、ほぼデビュー作のようですけど、よしよしです。

  • 苦悩する男の絵から表紙買い。題名から囲碁将棋の話と推測したが、将棋の話。正直駒の動かし方位しか知らないし、「3月のライオン」でしか知識がなかった。
    もっと事件性がある展開と思っていたが純粋に将棋に打ち込む話。
    30過ぎの男がプロになるべく挑む姿勢は熱く、後がなく追いつめられた状態が切羽詰まりハラハラさせられる。反面、ユーモアを感じるシーンもあり重たくなりすぎない。
    「ヒカルの碁」に出てきた、試験を受けるおじさんを主役にしてクローズアップしたような感じ。
    そして周りの女達。強かだなあ。と言うのが強烈な印象。世間の女性もこんなのかなぁ。怖いというか、やはり強いのだ。麗、加織、静。
    秋葉、真田の戦いを表とすると、女性達の生きざまも裏テーマと平行して語られている。生きていくための強さを感じた。

  • こちらもこの前TSUTAYAで買った。丁度この本の続編が本屋の棚に並んでいたのを見て、こちらから読んでみようかと思ったところ。
    オオカミ犬が出て来る話を読み終えたばかりだったが、この本でも冒頭オオカミが出て来た。群れのボスをアルファというらしく、そこからのタイトルだと知れるが、不思議な符合にちょっと驚く。

    つい最近、藤井七段と師匠の杉本七段のW昇級(ならず、だったが)が話題になったが、藤井くんのお陰で将棋のこともよくニュースになるようになった。
    この物語もこの前からNHK-BSでドラマが始まり、読んでいても玉木宏や上地雄輔の顔がちらつくが、まあまあいい頃合いのキャスティングと思う。

    しかし、何ともけったいな話やな~。
    堅いお話と思いきや、結構はっちゃけていて、3人が同居するというのはいくら関西でもありえへんと思うのだが、まあ、そんなノリの話だな。
    深みはなく、設定の面白さだけで引っ張った感じだが、それでもまあまあ面白く、閑な3連休でちゃっちゃと読み終えた。

  • 将棋の緊迫感はほとんどない。
    大阪人らしい会話のやり取りが面白い。


  • 文字通り将棋しかない人生の少年が、奨励会という修羅場で力尽き、退会後も将棋が忘れられず、修練を積んで三段リーグ編入試験へと臨むストーリー。まさにいま映画化されたばかりのしょったん、こと瀬川晶司の生き様が思い起こされる。

    挫折なしに三段リーグを突破してプロ棋士になるのももちろん険しい道だが、ドロップ・アウトして、一度社会に出てから再び将棋の世界に挑戦するというのは更に想像を絶する厳しさだ。
    そこを敢えて進もうとする根性、気概にはやはり心打たれるものがある。

    この本はどうやら続編があるらしい。真剣師である林が主人公ということらしいので、そっちもぜひ読んでみたいなぁ、と。

  • 新聞記者秋葉とプロの将棋士を目指す真田の話。腐っていた秋葉が熱くなっていく様が大変良く何故か秋葉を応援したくなる。けどこの仕打ちは流石に可哀想で肩入れした分言葉が出ない。あー将棋の小説や漫画を読むたび将棋を知ってたらもっと深く読めるのにと後悔する。

  • 将棋の世界の内部までうまく描いている。最後まで一気に読めたが、すこしエンタテイメントに寄り過ぎているかなと思う。もう少し奥深い心理描写があったほうが読みごたえがあったか。

  • 新聞記者・秋葉隼介.警察担当から社会部へ左遷され将棋担当を命じられる.そんな秋葉の家に突然転がり込んできたプータローの真田信繁はプロ棋士を目指していた.真田の情熱に触発され,いつしか秋葉は生き甲斐を取り戻していく.面白い.これぞドラマといった感じ.二人の出会いのシーンは久々にお腹を抱えて笑ってしまった.将棋を知らない人でも全然大丈夫.涙と笑いの感動物語を是非お試しあれ.

  • 将棋が好きなので、それなりに。もう少し将棋の描写も欲しかったかも。

  • 将棋を題材にした小説ということで読んでみました。

    まぁ、面白かったんだけど、一言で書くなら「女は怖い」ですね。全部そこに持って行かれた。

  • 関西弁の会話のやりとりがテンポよく、一気読み。
    著者の経験も反映されているのか、将棋独特の世界がわかりやすく表現され面白かった。

    とはいえ、いろいろな場面でスムーズすぎるところが逆に引っかかりも。現実ではとてもこうはいかないだろうなぁ。

  • 人間臭いストーリーは読みやすく、最後のちょっとした盛り上がりも良かった。

  • 42

  • 終盤のストーリー展開が、ちょっと残念だった。
    真田と秋葉のキャラクターがこんなに変わる?って思いました。
    続編あるようなので読みたいと思います。

  • 県警担当記者から左遷されて
    文化部に異動してきた男と
    将棋しか取り得のない男の物語。

    将棋のルールを知らずに読んだ。
    知っている方が面白いのだろう。

  • 秋葉が、どんどん将棋の世界に惹かれていくところが面白い。「泣き虫しょったんの奇跡」を思い出しました。

  • 18/12/31読了
    盤上に散る、を思い出しながら読む。
    玉木宏が秋葉と真田のどちらをやるのか、どちらにせよなぜ玉木宏なのか。

  • 「罪の声」「騙し絵の牙」に続いて読んだ塩田さんの3作目。

    素直に面白く、胸の熱くなる再起をかけた物語。
    ちゃんとうまくいくように、伏線が回収されていて、上手いし読みやすいし、将棋に興味がなかったとしても
    読ませる本だった。

    根はお人好しの秋葉も、気高いあの生き物のエピソードも、人物の会話も気が利いていて、飽きさせない。

    と、本編はともかく、塩田さんの略歴にあった『「テロリストのパラソル」よ読んで作家を志す』の一文に、一気に親近感と応援の気持ちが沸き起こった。
    藤原伊織作品が好きな人に、悪い人はいない!!
    (に違いないと心から信じている)

    「盤上に散る」を引き続き読む。

  • 初読み、と思ったら「女神のタクト」を読んでたので2作目。

    「罪の声」がめっちゃ売れてる塩田氏です。
    読むのはだいぶ先になりそうですので
    私はそれ以前の作品も知っているのだという
    神戸LOVEの私にははずしていけない感じでここに一読いたしました。

    いえ、ブログに遊びに来て下さる方が
    アップしてたので、興味もったのですがね。。へへ

    これはデビュー作だそうですね、
    面白かったです。

    神戸の細かな地理が、わかりやす過ぎて嬉し過ぎました。。

    将棋がわからなくても
    物語のスピードについていけたのは
    主人公の記者もも将棋はよくわからない
    という設定だったからかな。

    序盤の秋葉が文化部の記者に左遷されてからの
    女流棋士の一件は
    もう少し整理してもよかったかもと思いましたが。

    登場人物の大半が癖があって、なおかつ性格が悪いという、
    感情移入はなかなかできないですが
    真山が、人生のこの先を思うと
    怖すぎて眠れなくなる、というのが
    リアル過ぎてツライ。

    でも、男女の機微をわからない秋葉が不憫。

  • 将棋にかける男の思い。棋士を目指す崖っぷちの男と、将棋担当に「左遷」になった新聞記者の話。将棋のことを知りたいので読んでみた。楽しめたし、将棋の描写も魅力的だった。けど自分にはちょっと男臭すぎたかな。

  • 性格の悪さが災いし、県警担当記者から文化部に左遷されてしまった新聞記者の秋葉隼介。
    失意の秋葉は行きつけの飲み屋でアマチュア将棋指しの真田と偶然出会う。
    その日から秋葉と、人生の起死回生をかけて三段リーグ編入試験に挑む真田との奇妙な共同生活が始まった。

    リーダビリティが高く、最後まで一気呵成に読んでしまいました。
    信じる道しか進むことのできない男の熱い想いに魂が揺さぶられ、生きる力のほとばしりに火照ってしまいました!
    登場人物たちの話す関西弁のリズムもテンポの良さを助長していて、緊張感の中に漂う適度なユーモアが読んでいて楽しかったです。

    ただ、あっという間に読み終えた時は気づかなかったのですが、ちょっと構成のバランスが悪かったように思います。
    秋葉が左遷されて慣れない文化部の記者として戸惑うくだりと、真田の悲惨な少年時代の回想シーンだけで小説の半分が費やされます。
    前半はやたらと密度が濃いので後半はどんな怒涛の展開となるのだろうと期待してしまうのですが、真田が苦しみながら将棋に真剣に向き合うという、意外に常識の枠組みをはずれない王道展開に少し物足りなさを感じました。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    「おまえは嫌われてる」。神戸新報県警担当記者・秋葉隼介は、たった一言で文化部に左遷され、将棋担当を命じられる。そんな秋葉の家に、突然転がり込んだのは、やけ酒の席で大喧嘩した同い年の不遜な男・真田信繁だった。背水の陣でプロ棋士を志す男が巻き起こす熱い感動の物語。小説現代長編新人賞受賞作。

  • 「おまえは嫌われてる」。神戸新報県警担当記者・秋葉隼介は、たった一言で文化部に左遷され、将棋担当を命じられる。そんな秋葉の家に、突然転がり込んだのは、やけ酒の席で大喧嘩した同い年の不遜な男・真田信繁だった。背水の陣でプロ棋士を志す男が巻き起こす熱い感動の物語。小説現代長編新人賞受賞作。

  • ☆☆☆★

著者プロフィール

1979年、兵庫県生まれ。神戸新聞社在職中の2011年、『盤上のアルファ』でデビュー。2016年『罪の声』で第7回山田風太郎賞を受賞し、“「週刊文春」ミステリーベスト10 2016”国内部門第1位、2017年本屋大賞3位に輝く。2018年には俳優・大泉洋をあてがきした小説『騙し絵の牙』が話題となり、本屋大賞6位と2年連続本屋大賞ランクイン。2019年、『歪んだ波紋』で第40回吉川英治文学新人賞受賞。2020年、21年には『罪の声』『騙し絵の牙』がそれぞれ映画化された。

「2022年 『朱色の化身』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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