生霊の如き重るもの (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 42
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  • Amazon.co.jp ・本 (576ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062778596

作品紹介・あらすじ

"天魔"は跳び"屍蝋"は滴る
怪異が其処に……
刀城言耶、揺籃の時代

生霊、現る!
其れは死の予兆……

奇っ怪な分身、"生霊"の目撃談が語り継がれる奥多摩の旧家、谷生家。それが現れるとき、当人に死の影が指すと恐れられる謎の現象である。同家を訪れた刀城言耶は、そこで不可解な復員兵の死に遭遇するのだが……。表題作他、全五編を収録した"学生時代の事件簿"と言うべき"刀城言耶"シリーズ第二短編集。

●死霊の如き歩くもの
●天魔の如き跳ぶもの
●屍蝋の如き滴るもの
●生霊の如き重るもの
●顔無の如き攫うもの

感想・レビュー・書評

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  • 一応推理してみるけど、自分の推理は途中でそれは違いますって探偵に言われちゃうやつなんだよなあ。
    ホラーとミステリーの融合。両方ちょうどいい感じ

  • 「生霊の如き重るもの」と「顔無の如き攫うもの」が好き。短編集の方が情況分かりやすい。(長編には長編の良さがあるけど)
    戦後という時代背景をすごく活かしてる物語ばかり。

  • 刀城言耶シリーズ第2弾短編集!

    今回は刀城言耶の学生時代!!
    若かりし頃の刀城言耶!そして阿武隈川烏((≖֊≖)
    このシリーズの短編はやっぱり読みやすく
    どれも面白い!!ꉂ(ˊᗜˋ*)
    そして今回は阿武隈川烏先輩の癖強い人柄が
    ものすごーーーく!強調されていて
    僕も刀城言耶と同意見!絶対に一緒に旅行には行きたくないwww
    そのぐらい印象深かったですwww

    本編は5話収録されており
    どれもホラー要素は弱めだけど
    ミステリーはとても良かった〜( * ॑˘ ॑* )
    個人的に1番面白かった作品は〜
    タイトルにもなっている
    『生霊の如き重なるもの』がオススメです!
    あとホラー要素が強い…と言っても怖くはないです!
    (๑•̀ㅁ•́ฅ
    で言えば『顔無の如き攫うもの』ですね〜
    あと〜阿武隈川烏先輩のめちゃくちゃ感が
    突出して出ているのが『天魔の如き跳ぶもの』です!

    しかし改めて見ると短編だけあってバラエティに富んだ作品だと思いました!
    しかし…やっぱり僕はその村に伝わる風習など
    事細かに書かれている。
    長編の方が好きだなぁ〜(´﹃`)
    まあ〜どちらも面白いんですけどね!
    どっちやねん!www
    刀城言耶シリーズをまだ未読の方だったりは
    まずは短篇からの方が入りやすいのではないかと思います!!


  • 刀城言耶シリーズ第二短編集。全ての作品で、怪異の仕業に見える怪奇事件の真相を刀城言耶が見破り、真実が明かされたあとに怪異の発生する描写が有り、本当に怪異がいたのか……と驚くとともに恐怖を感じた。各短編ごとに真相もなるほどと思わされるものだった。

  • 刀城先生が学生のときのお話。
    短いので読みやすいけど、短くするためにあまり練られていない感も。

  • 三津田さんの作品を読むのは3冊目で、これは短編集。
    短編なので、以前読んだ長編よりは読みやすかった。
    以前読んだ長編2作は、設定が凝ってて状況を理解するのに少々苦労した。まず、地図と人間関係を覚えるところからだったから…

    3冊読んで思うことは、本当に惜しいなーということ!

    戦後すぐの時代設定や、やたら本に関する逸話が盛り込まれるあたり、もう「好き」のツボ押されまくりなんですよ。

    横溝正史からミステリに入ったから、この時代やら、地方の旧家やら、怪しい伝承話やらの舞台装置には、抗いがたいほどの魅力を感じるし、本屋とか、書庫とか出てくるだけで、萌えーってなっちゃうタチだから、ほんとにたまらなく好きでいっぱいなんです。

    だからこそ、惜しいと思う。

    話に魅力がないわけじゃない。

    謎解きも、まあ許容範囲。
    本格ものにリアルを求めているわけではないので、無理だろ、とかヤボなことを言うつもりはない。

    結局、キャラクター造形なのかな、と思う。
    私好みじゃないってだけなのかもしれませんが。
    なんか、悪い意味でマンガ的な描写は必要なんだろうか?

    主人公と阿武隈川さん以外のモブ感も気になる。
    記号的な人が多くて、顔が浮かぶ人が少ない。

    ストーリー重視で、
    人はそのためのコマなのかもしれませんが…

    もっと面白くなるはずだと思うからこそ、
    残念なんだなあ…

  • 星は厳しいが期待が高かったゆえ。初めて読んだ「厭魅の如き憑くもの」に衝撃を受け、以降、結構な数の作品を読んでいる。概して初期、そして、長編の方が、私には面白く感じる。

    何と言っても、舞台設定が好きで、民俗学的興味をそそられながら雰囲気に浸っている。本作でもそこの部分は満足がいく。が、あまりにも謎解きの部分が貧弱。殆どの作品が、途中で分かるし、呆気無い気がする。短編ゆえに仕方ないとも思えるが、もう一捻り欲しい。

    「天魔」「生霊」「顔無」が、まぁまぁ良かったかな。

  • 20230829 読了
    刀城言耶シリーズの短編集第二弾
    覚書
    ■資料の如き歩くもの
    ■天魔の如き飛ぶもの
    ■屍蝋の如き滴るもの
    ■生霊の如き重なるもの
    ■顔無の如き攫うもの

    隙間時間で読む本は短編が有難い。
    でも個人的には短編よりも長編が好物。

  • #読了 #三津田信三 #講談社文庫 #読書好きな人と繋がりたい 全五編を収録した学生時代の刀城言耶シリーズ

  • 刀城言耶シリーズの5篇からなる短編集。

    刀城言耶が大学生時代に遭遇した事件等を描く。
    怪談や不思議な現象を聞きに行った先で事件が起こりそれを解決したり、探偵を頼まれた先で事件に遭遇したり、たまたま通りがかった先で過去の事件を推理したりと、長編とほぼほぼ同じパターン。

    1,2編はそんなに評価出来ない感じだったが、最後2篇は面白かった。
    最後の2篇のようなのが5篇とも揃っていたら評価をたかくしてたが、総合でこんな評価かなって感じ。

  • ★4.0
    密室の如き籠るもの未読なので初めて読んだ刀城言耶シリーズの短編、想像してた何倍も面白かった。謎の複雑さ・ストーリー・不気味さが比較的さっぱりしてる作品、長編にしてほしい生霊、ホラー感強めの顔無しもいっぺんに楽しめた。
    阿武隈川烏のキャラクターも長編より可愛らしく(可愛くはないがコミカルな感じで)読めて、長編作品を読み返したくなった。

  • 学生時代の言耶が遭遇する五つの事件を書いた短編集。「山魔の如き嗤うもの」で見られた父親に対する思うところがより深く描かれていたが、それもお構い無しに振り回し続ける阿武隈川烏にある種の凄さを(言耶には申し訳ないが)感じてしまった。
    収録作の中では表題作の「生霊の如き重るもの」は「山魔の如き嗤うもの」にも出てきた土地が舞台になっているのもあって中々に印象深く読んでいた。「天魔の如き飛ぶもの」冒頭の阿武隈川烏と刀城言耶のコミカルに見える会話も好きだった。ミステリ的なところで言うと「屍蠟の如き滴るもの」がラスト含めてぞっとさせられるものがあった。個人的に好きな短編集であった。

  • 個人的には最後に収められている「顔無しの如き~」が一番スリリングだったかな。

  • メモ

    「死霊の~」
    四家の構造の由来が最低でなんか笑ってしまった。
    勝手に歩く下駄の真相は妥当なところ。
    お父上との絡み!

    「天魔の~」
    誰が魔物だったかという話し。
    子供が犠牲になる話しはやるせないわね。
    阿武隈川先輩の暴走が緊張緩和の役割をしている……煽るのがうまい。

    「屍蝋の~」
    みんなが大好きな屍蝋。

    「生霊の~」
    田舎のお家騒動×復員兵×なりすまし。
    依頼者が怪しいパターン、好き。

    「顔無の~」
    阿武隈川の怖れられかたが妖怪で笑うし事実なんだろうなというのも笑える。
    恐怖の余韻は四編のなかで一番。
    非日常の高揚と心細さがありありと想像できてよい。
    言耶の含みが気になるじゃないか。

  • 記録

  • 初めてシリーズに触れてから、結構時間は経ってしまったけど、ひとまず現時点で文庫化されているものについては読了。改めて素敵なシリーズです。単行本ではもう出ている新刊も、読むのがますます楽しみに。単行本で買え、っちゅう話かもしれないけど。
    本作については、でもやっぱ、長編の方が良いです。短編中編が5本入っているんだけど、その分量だと、どうしても怪異の深堀には限界があるし、トリックを凝らす方で紙幅が費やされてしまう。トリックに今一つ興味がない身としては、そこに激しく物足りなさを感じてしまうのです。本作の中において表題作が一番気に入ったのも、一つには、この中で一番分量が多いってところにも要因がありそう。という訳で、求・シリーズ長編。

  • 7

  • 登場人物に全くと言っていいほど魅力がない。レギュラー陣に至っては不快なレベル。
    でも読んじゃう。ちゃんと怖いから。いつも求めてる以上に怖がらせてくれるし、合理的な解釈にも納得できる。どうしても残る怪異も最高。
    『天魔〜』は竹が出てきた時点ですぐわかるので残念。『魔女の隠れ里』で予習済み。懐かしい…。
    『顔無〜』はラストめちゃくちゃ怖かった。鳥肌。普通だと思ってたものが実は…みたいな怖さでゾッとした。
    脱線は苛々するし登場人物も全然好きになれないけど、ホラーミステリーに求めてるものを叶えてくれるので、きっとこれからも読むと思う。

  • 刀城言耶短編集2。短編にちょうどいい感じで謎解きと怪異がブレンドされていて、とにかく引き込まれる。短編間で共通のテーマと異なる個性が織り成されていて、全体としての読み応えもある。マイベストを選ぶとすれば表題作かな。最後のも変わった趣向でよかった。

  • なかなかに粒揃いの短編集。不可解な現象に解釈をつけるも、最後には説明のつかない怪異が残る。パターンが全編通してハマっていた。「天魔の如き飛ぶもの」コミコミで個人的ナンバーワン。言耶の立ち居振舞いが格好いい。トリックのインパクトもあるし、オチがバチーンと決まってた。「生霊の如き重るもの」表題作だけあって、完成度は一番。生霊のフリから魅力的な謎を経ての、締めが絶妙。

  • やっぱりこのシリーズは短編集ぐらいの長さのほうが好みだ。作家になる前、学生時代の事件を集めたものなので、クロ先輩がたくさん登場するのも特徴。

  • 三津田信三はやはり長編向きか。
    短編だと持ち味の怪談を十分に語る
    には頁が足りない。
    ミステリとしてもガツンとやってくれる
    作品は無く、楽しめはしたが
    物足りなさが目立った。

  • シリーズ短編集。短編はさらさらと読めていいですね。
    長編よりも駆け足な雰囲気ですが、ぶつりと切れるが故に余韻が響きます。特に最後の一編、顔無はミステリーの皮を被ったホラーといった趣で好きでした。
    シリーズ長編から見て昔の刀城が書かれているせいか、長編よりも若々しくて父親の名前を出されるとむきになってしまったりする、そんな青さが感じられました。

  • 2015年11月1日読了。
    2015年181冊目。

  • 凧、天狗、屍蝋、ドッペルゲンガー、バラバラ。後ろ2話が良かった、もう慣れたけど毎回廻りくどい推理。

  • 150614読了。
    表題作がタイトルはともかく、今回の、作品集の中ではベストかな。

  • 横溝正史っぽいのが、けっこう好きな作家なのだが、短編集はやはりちょっと厳しいかな。

  • 奇っ怪な分身、“生霊(いきだま)”の目撃談が語り継がれる奥多摩の旧家、谷生(やちお)家。それが現れるとき、当人に死の影が指すと恐れられる謎の現象である。同家を訪れた刀城言耶(とうじょうげんや)は、そこで不可解な復員兵の死に遭遇するのだが……。表題作他、全五編を収録した“学生時代の事件簿”と言うべき“刀城言耶”シリーズ第二短編集。

  • いくつかの御話が掲載されているのですがいやはや、面白い。
    ぞっとする場面もいくつもあり、ドキドキしながら読みました。

  • 刀城言耶シリーズの短編集。
    中には他の作品に収録されているものも含まれていて、それが少し残念でした。(重複感があったので)
    短編なので、どこか読み応えがないというか、少し寂しい感じがしますね。あっさり終わってしまうし。
    話としては面白いので、このシリーズを読む足掛かりとしてはいいのかもしれません。
    ただ、シリーズを順に追って読んでいると、ここに来てこの短編・・・というのがちょっと物足りなく感じてしまいます。

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著者プロフィール

三津田信三
奈良県出身。編集者をへて、二〇〇一年『ホラー作家の棲む家』でデビュー。ホラーとミステリを融合させた独特の作風で人気を得る。『水魑の如き沈むもの』で第十回本格ミステリ大賞を受賞。主な作品に『厭魅の如き憑くもの』にはじまる「刀城言耶」シリーズ、『十三の呪』にはじまる「死相学探偵」シリーズ、映画化された『のぞきめ』、戦後まもない北九州の炭鉱を舞台にした『黒面の狐』、これまでにない幽霊屋敷怪談を描く『どこの家にも怖いものはいる』『わざと忌み家を建てて棲む』がある。

「2023年 『そこに無い家に呼ばれる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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