シェルター 終末の殺人 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 182
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062779890

作品紹介・あらすじ

地の底で待つ謎と恐怖と驚愕の結末とは何か?

シェルターに逃げ込んだ初対面の人々の間で、なぜ連続殺人は起こるのか?
仮面姿の奇っ怪な死体、不可解な連続密室殺人、ひとりずつ殺されていく生存者、待ち受ける驚愕の結末。
解説 篠田真由美(」建築探偵桜井京介の事件簿」) 装画 村田 修
三津田信三の創りだした異世界極限状況編! ホラーとミステリが融ける。

目覚めた場所は硬くて冷たい床の上だった―。「私」は自称ミステリ作家の富豪、火照陽之助の屋敷を取材する。目当ては庭の迷路に隠されたシェルターだったのだが……。そこで発生する極限状況下の連続密室殺人事件。地の底で待つ謎と恐怖と驚愕の結末とは何か? 「作家三部作」に連なるホラー&ミステリ長編。

感想・レビュー・書評

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  • 設定は面白くて、蘊蓄も自分の方向性とは違いますが.まぁ楽しめました。

    ただ結末があまりにあまりじゃないですか。この手の小説に慣れてない人を放り投げて、?マークが飛びかうだけ。

    作者も編集者(本物の)ももう少し考えてくれても良かったのでは。分かる人だけ分かってじゃす不親切でしょ。

    この人の作品は好きなものが多いですが、これな少々いただけません。

  • シェルター 終末の殺人
     零
     一日目
     二日目
     二日目/午後
     三日目
     三日目/午後
     四日目
     四日目/午後
     五日目
     五日目/午後
     六日目
     七日目
     八日目
     八日目/続き
     何日目?
     終末
     再び零
    東京創元社「シェルター 終末の殺人」 2004年5月

    解説 篠田真由美

  • ちょっとコメントしづらい作品
    読者に考えさせるという点では成功しているのかもしれないけれど、解説が欲しい…

  • ――扉を閉ざした。
     という一文から始まる、クローズド・サークルで次々と首つり死体が見つかる連続殺人事件。
     この作品はクローズド・サークルの場所が一番の特徴で、なんと核シェルターの中である。
     シェルターを見学に来た作家三津田信三が、核爆発か何かが起きたためにシェルターに入るところから物語が始まる。
     なお、シェルターに入る原因となった謎の閃光や、警戒音を出す線量計の原因は最後まで明かされない。そのため、実際に核戦争が起きたのかは作品中ではわからない。
     しかし、外気の高濃度の放射線を計量しているのは事実なので、主人公と閉じ込められたメンバーは誰一人積極的に外に出ようとはしないため、クローズド・サークルが形成されている。
     舞台は「スラッシャー 廃園の殺人」の舞台となった火照陽之助の邸宅であり、前作に出てきた廃園の迷路の見取り図があるため、見比べてみても面白いかもしれないと思った。
     しかし、前作では廃園となっているのに今作では持ち主の火照は序盤に庭園もろとも被爆しているようであり、この二作は時系列違いの作品ではなく舞台は同じのパラレルワールドのような扱いなのかもしれない。
     前作と同様に、豊富なホラーやミステリー映画の知識が作品のあちこちに現れている。
     ミステリーの作品中において、殺人を犯す理由は様々だが、自分が殺人犯であると世間に広まることや、探偵に知られることは隠したい、知られたくないことであるという前提はほとんどの犯人が持っていると思う。
     だから犯人は様々なトリックを用いて自分が犯人である事を隠す。それが犯人と探偵の知恵比べとなり、ミステリーの中核を担う。
     犯行が誰にもバレずに、完全犯罪を成し遂げた場合には犯人は、自分の犯行がバレるかもしれないという不安や悩みから開放されるはずだ。
     しかし、この話は違う。
     犯人が、自分は捕まらないと確信してもなお不安からは解消されない。非常時で警察が機能していないので、誰も犯人を捕まえない。しかしそれでも、自分からは逃れられない。

     最後の犯人の行動は、自分に苛まれながら生きていく恐怖から逃れるために一歩を踏み出したとも取れるし、単に自己保身に長けた犯人が線量の薄れた世界に出ていくために理由をつけたとも考えられる。

  • 2020.3.23~スタート
    2020.4.11読了
    2020年の⑥

  • 「シェルター 終末の殺人」
    作家三部作に連なるホラーアンドミステリ長編。


    三津田信三作品を初読了。果たして一作目はこれで良かったのだろうか。


    主人公は、三津田信三。元編集者で現在ミステリ小説を書いている。彼が構想していた小説「シェルター終末の殺人」執筆の為、火照陽之助の屋敷を訪れていた。その時、稲妻かオーロラか異常事態が発生する。三津田はその他の見物人と共に核シェルターに逃げ込み危機を脱したかに見えたが、そこで連続密室殺人事件が起きてしまうというストーリーです。


    クローズドミステリーに注目する前に目につくのが情報(ウンチク)の量。火照陽之助の屋敷の生垣の描写では、S・キング「シャイニング」に始まり、映画版シャイニング、キング自ら脚本を書いたTVミニシリーズまでに派生し、シェルター外で起きたと思われる核爆弾に関する描写では放射能に関する知識が膨大に盛り込まれています。シェルター内では、火照の膨大なビデオコレクションに加え、小説と映画では犯人の隠し方は違うやん?みたいな話を星影と三津田で始めてしまう始末。後者に至っては、2人の熱い会話は、数ぺージに渡り、もはや本書のハイライト。


    その情報(ウンチク)は、連続密室事件の真相を追求する三津田と星影の推理にも活かされながら進んでいくのですが、肝心の謎は好みが分かれそう。解説の篠田氏の私的三津田ベストランキングでは1位を争う何度も読みたくなる小説らしいですが、私はその面白さをかみ砕けなかった。


    果たして、三津田作品の1発目は本当にこれで良かったのだろうかw

  • 核シェルターという閉鎖空間での連続殺人事件。
    クローズドサークルどころか、「そして誰もいなくなった」に通じる展開。しかし、そこは三津田氏なので、アクロバティックな展開がある。

    ・・・のだけど、刀城シリーズを期待すると外れるかも。
    主人公の一人称で描かれ、色々伏線もあるのだけど、退屈な展開が多い。ダラダラとして内面描写は必濃くて退屈。
    意外性は十分あるのだけど、核シェルターという仕掛けの大きさ、それまでの経緯など、話が広がっている割には、謎に向けて話がどんどん収縮してしまって面白みがない。

    筆者のホラー映画の蘊蓄が展開されるのも、同じ映画ファンの私から見れば楽しいが、マニアックなファンでなければチンプンカンプンだろうし、密室トリックもこじつけのそしりを免れないのでは?
    (もちろん、そこも含めてオチはあるのだけど)

    並の作家の作品であればともかく、三津田氏の作品としては物足りなく感じる。期待が大きすぎた、というのに尽きるのかな?

  • なんじゃそりゃ。

  • 途中で飽きちゃったし、結末もあんまり好きじゃないかな

  • 密室がアホみたいに出てきてワクワクしまくりだけど、真相がこれじゃあね…
    別に機械的トリックを否定するわけじゃないけど、メインのネタがアレなんだから、ここはもう少し力入れてよ…と。
    メインのアレだって否定するわけじゃないけどさ…ここまで冗長に書くだけのネタでもないでしょうに…

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著者プロフィール

三津田信三
奈良県出身。編集者をへて、二〇〇一年『ホラー作家の棲む家』でデビュー。ホラーとミステリを融合させた独特の作風で人気を得る。『水魑の如き沈むもの』で第十回本格ミステリ大賞を受賞。主な作品に『厭魅の如き憑くもの』にはじまる「刀城言耶」シリーズ、『十三の呪』にはじまる「死相学探偵」シリーズ、映画化された『のぞきめ』、戦後まもない北九州の炭鉱を舞台にした『黒面の狐』、これまでにない幽霊屋敷怪談を描く『どこの家にも怖いものはいる』『わざと忌み家を建てて棲む』がある。

「2023年 『そこに無い家に呼ばれる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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