アサーション入門――自分も相手も大切にする自己表現法 (講談社現代新書)
- 講談社 (2012年2月17日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062881432
作品紹介・あらすじ
第一人者がわかりやすく語る!
言いたいことが、うまくコミュニケーションできないのはなぜ?
コミュニケーションがうまくいかないときや人間関係が難しいとき、「アサーション」を理解すると、関わりを建設的に変えることができます。「自分も相手も大切にする自己表現」を意味するアサーションは、私たちの会話を心理学の知恵をもとに読み解き、日常のやり取りに変化と充実感をもたらすコミュニケーションの方法と関わり方です――<「はじめに」より>
感想・レビュー・書評
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しっかりと自分の意見を言いつつ、議論することに課題を感じていたところ、この本に辿り着きました。
自分の考えを伝えつつ、相手の考えも理解してベストな会話をするアサーション。
自分が足りていない部分がなんなのか、気をつけるべきポイントは何か、が優しい言葉で言語化されていて、素直に受け入れることができました。
・自分の中のブレーキになる考え方がアサーションを妨げる
・まずは自分の考えを頭の中で言語化し、会話の方向性を決める
・相手の状況を理解した上で、相手の状況を慮り発言する(自分と相手、両方を思いやる)
ハッとさせられたのは、自分の中にある「人を傷つけてはならない」と言う考え方がアサーションを妨げるということ。
相手が嫌がることはもちろん配慮する必要はあるのだけれど、人を傷つけないことはできないのだから考えすぎない、他人の強い言葉も許容する。
私は傷つける言葉には気を付けているのですが、その点、自分が避けているワードを人から投げられるとストレスを感じてしまいます。
特に高圧的な態度はかなり苦手で、その態度を取られると黙ってしまうこともしばしば。
そんな時、相手のコミュ力を否定する言葉が頭に浮かんでしまうのですが、その人自身が重要視していることが違うだけなんだなと感じることができました。
どんなケースでも他人の意見を素直に受け入れ、自分の意見を思いやりのある言葉で言える練習をしていきたいです。
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自分と他人どちらも尊重しながら円滑なコミュニケーションの方法を探る、アサーションについて書かれた本です。
アサーションはよくドラえもんで例えられることが多く、「非主張的=のび太」「攻撃的=ジャイアン」「アサーティブ=しずかちゃん」と言われると、何となく想像がつきやすいのではないでしょうか。
大切なのは【アサーティブが正しくて他はダメ」ということではなくて、どんな人でも場合によってはアサーティブにはなれない場合があると知ること。そして相手がどう対応しようと自分がアサーティブであることに意味があるのだということ。
この本を読んで、アサーティブなコミュニケーションは誰でも努力できるものでありながら、実際には「いつも部下を怒鳴りつけている上長」であったり、「人を見下して対等に立とうとしない人間」を相手にする場合は困難を極めるのだろうなと容易に想像がつきました。
自分なら、そういう人にどこまでアサーティブでいられるだろうか……。
しかし、間違いなくこの技術とトレーニングを積んだ人は会話や交渉が(気持ちの面で)楽になると思いますので、一読の価値ありです。 -
平木先生は、日本の「カウンセリング」の世界では、巨匠のひとりといって過言ではありません。
経験の深い先生ならではの、こなれた説明で自己表現のひとつである「アサーション」について理解することができます。
一方で、アメリカから、カウンセリングマインドという新商品を輸入してきた代理店第一世代が平木先生としたら、その後に並行輸入でアメリカ企業の日本法人として「アサーティブ」という言葉もありそうな感じ。
出発点は同じでも、やや、表現方法が違います。
読み比べると、理解が深まると思います。 -
自分も相手も大事にするコミュニケーション。
これを読む限り、仕事のシーンでは、割とアサーティブなコミュニケーションができてる気がしたけど、家族にはすごく難しい。これまでの蓄積で、お互い言わなくてもわかるよな、と決めつけて話してることがいっぱいあるな、と。
自分としては出来てるつもりでも、実はそうありたいと思ってるだけで、実際咄嗟には出来てないこともいっぱいある気がする。
この本は、子供が読みたい、と言って読んだものを私も読んでみたもの。身につまされる。これから気をつけます。 -
自分にぴったりの本だった。何回も読み返したい。
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人との接し方についての確認チェックが行えるような一冊
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非主張的であることは相手にも自分にも無責任な結果を招くことになる。自分の人権を無視した結果、他者の人権をも侵してしまうことになりかねない。
大事なのはその場で表現すること。
その場で表現するには自分の気持ちを確かめる必要がある。
「迷ってます」って優柔不断だからその回答に頼りがちになっちゃうんだけど、それで相手がずっと待ってくれるわけではない。いつまでもそれで済ませられない。アサーティブになるにはなるべくスピーディに言語化するクセづけが必要と思われる。
以下メモ
第一ステップ
自分の気持ちを確かめる
「今は、決められない」とか「二つの矛盾した気持ちがある」などを伝えることもアサーション
第二ステップ
正直に言語化してみる
第一ステップで確かめた気持ちを、自分の持ち合わせている語彙を用いてなるべく正直に、率直に表現してみる。その後、自分の思いはどう受け止められたかをしっかりと見届ける。
人として誰もがやってよいことを認め合う
1.私達は、誰もが自分らしくあってよい
2.人はだれでも自分の気持ちや考えを表現してよい
3.人間は過ちや間違いをし、それに責任をとってよい
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私たちは誰もが自分らしくあってよい!
そしてその気持ちや考えを表現してよい!
そして人は過ちを犯すので、それに対して謝る権利があり、人が謝る権利も認めなければならない!
こうやってアサーティブな関係を築こう!
ドラえもんを例にしたアサーティブ訓練
消しゴムを奪われた時の対応、しずかちゃんならどう言うか、ジャイアンなら、のび太なら、それぞれの対応を想像して、どれがいいかを小学生に考えさせる授業がある。それいいねー
「私メッセージ」でいこう!!
「大声出さないで」じゃなく「わたしには声が大きく聞こえるから小さくして」てな感じ。自分主語で話そう。 -
何か嫌をされた時「よくないよ」と言いますか、それとも我慢しますか?「よくないよ」では相手の行動を抑制する事なので相手にとってよくない。我慢は自分を大事にしていなくよくありません。アサーションとは、相手を大切にしつつ、自分の意思を伝える事です。ここでは相手の事情を把握しつつ、「私は傷ついた」と伝える事でした。自分も相手の行動を変えようととせず、伝える事に重きを置いてみようと思います。