正しい本の読み方 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062884471

感想・レビュー・書評

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  • ◼文学作品のレポートを書かなくちゃなんなくなって、本屋の平積みを手に取った。
    ◼大御所の口述を聞きとったような、噛んでふくめる文体だ。「きみらに本の読み方を伝授せしめる」
    ◼でもけっこうやっぱり読み方なんぞ知らなかったので「へえ」と思った。
    本を読むときは、構造/意図/背景を読む。
    構造とは、ロジックのことである。ディシプリンに沿った固有のロジック、その思考回路を読みとる。
    意図とは、学問分野における位置づけである。書かれていない時代の旗手から、立ち位置を読みとる。
    背景とは、生育歴などから執筆理由である。これもまた、書かれていない。
    ◼一般向けだが、特に知的生産をしたいと考える人がターゲットと受け取った。

  • 教育論と、本を読む意義については参考になるが、
    これから実際に本を読む人に対する変化は特にない。

  • 読み方を読みます

  • 「読書」そのものに対する姿勢を学べた。

    ▫️心に残った一文
    「本を読む時には、本は間違っているかも、という前提で読まなければならない」
    自分にとって薄れがちな視点だったのではっとさせられた。

    ▫️重要部引用
    ・本を読むのは、頭の栄養
    ・教養は、人々がよりよく生きることを支援するもの
    ・知そのものが目的になりうる
    ・書き手がどんな手立てを尽くして、この本を書いたのかを楽しみながら読む段階がある
    ・一人一人の人生は、キャンバスに絵を書いていくようなもの
    ・その書きかけのプロセス、できかけのプロセスがその都度の完成でもある
    ・自分の人生はありがちなことの繰り返しだが、そのパターンの見事なところを学んでいれば、自分独自のユニークなところを見つけて、味わうことが出来る
    ・言葉を学ぶことで自分の考え方を広げ、自分独自の世界を広げることが出来る
    ・この時代、この場所に、こんな風に生まれたという自分の特徴を持って生まれたということに折り合いをつけて、そのことに意味を見つけていくことが大事じゃない?それをどこまで深くできるか、が生きること
    ・生きる能力を高めるためには、似たようなことを過去にやった誰かの経験を参照するのがいい。そのために本を読む。
    ・ネットワークの節目にある本を読めばいい
    ・批判するのは関心があるから。読むに値する、と考える
    ・文学は、人間についてのリテラシーが高まる
    ・歴史は、現代社会の隠れた前提。この社会の意味を深めるために必要。
    ・教養(本を読んだ経験)は、自分の人生の主人公として、生きていくのを支援する
    └意思決定をサポートする
    ・世の中に色んな考え方があるのはいろんな前提(ものの見方、価値観)があるから。相手が自分と違った考え方をしていたら、相手の前提を丁寧にチェックする。
    ・自分の考えの前提もチェックする
    ・情報から、価値を学ぶことは出来ない
    ・価値は、自分が生きていくのに、何かを選び、何かを捨てる選択のこと。
    ・人間と付き合っていくように、本と付き合う。
    └メッセージを受け取る

  •  本を読まないということは、頭のなかに棲んでいる著者や、作品の登場人物がいないということ。家族がいないでたったひとりみたいに、淋しい状態になる。
     世の中の人びとがみんな大事にしている、マルクスとかサミュエルソンとか、誰でもいいのだけど、そういう著者たちに、私の頭のなかにも住んでもらおう。そうすると、頭のなかがにぎやかになる。ほかの人びととも話しやすい。(p.85)

     文学には、どんな人間も登場する。
     もっと大事な違いは、相手を内側からみることができるということ。
     実生活では、相手がなにを考え、どんな感情を抱いているかは、相手が表現した言葉やふるまいを通して、理解し類推するしかないわけです。大事なことを黙っているかもしれないし、感情を隠しているかもしれない。相手を誤解しているかもしれない。いちばん大事な他者であっても、ぼんやりヴェールをかぶったような、薄暗がりのなかにいるようにしかわからないのです。そういう特徴がある。(p.196)

     歴史を知っていると、たとえば隣国と紛争になったとき、昔、こういうことがあったからと、平和にこぎつけることができるかもしれない。けれども、歴史は、そのためにあるわけではなく、この社会の意味を深めるためにある。それが歴史の目的です。(p.200)

  • 298円購入2018年11月4日

  • 【由来】
    ・図書館の新書アラート

    【ノート】
    ・まぁまぁ。ヘーゲルやらレヴィ=ストロースについてが例題として出ていたのがちょっと参考に。マルクスの資本論がリカードとの対比で解題されてるのもよかったし、構造主義について、チラ見せしてるのもまたよし。

    ・構造主義が「これはこれでない」という分類をするというのは初めて知った。弁証法してるね!

  • 例としてあげられている本が、難しすぎてわからない。自分の基礎知識の無さを痛感した。高校の教科書を読み直さなければ。

  • 正しい本=楽しい本らしいです。

  • 櫻井よしこさんとの対談で気になった人だったので、とりあえず読んでみました。

    が、中高生向けに書かれた本なのかと思わせるほど文章表現がかみ砕かれすぎて、逆に大人には読みづらい本となっています。

    内容は・・まあ時間があれば読んでねというレベルでした。

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著者プロフィール

橋爪大三郎(はしづめ・だいさぶろう):1948年生まれ。社会学者。大学院大学至善館教授。東京大学大学院社会学部究科博士課程単位取得退学。1989-2013年、東京工業大学で勤務。著書に『はじめての構造主義』(講談社現代新書)、『教養としての聖書』(光文社新書)、『死の講義』(ダイヤモンド社)、『中国 vs アメリカ』(河出新書)、『人間にとって教養とはなにか』(SB新書)、『世界がわかる宗教社会学入門』(ちくま文庫)など、共著に『ふしぎなキリスト教』『おどろきの中国』『おどろきのウクライナ』(以上、講談社現代新書)、『中国共産党帝国とウイグル』(集英社新書)などがある。

「2023年 『核戦争、どうする日本?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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