京都の平熱――哲学者の都市案内 (講談社学術文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062921671

感想・レビュー・書評

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  • 京都生まれ、京都育ちを誇りに思える本
    もっと大人になれたら、また読みたい 
    京都で読みたい

  • 京都で学生生活を送ったことのある人なら面白い。「京都」がどういう街であるかを、具体的な街や店の様子を紹介しつつ、自らが暮らしてきた肌感覚に即して語っている。「哲学者の都市案内」というサブタイトルに偽りなし。

  • 浮ついていない京都案内。
    湖のように涼しく静かな口調で、狂乱の魔都を語る。

    哲学者である著者の目線は独特であり、地べたを這いずり回るような土着性と熱に浮かされたような祝祭性に付きまとわれているようである。
    ちょっと視点の変わった観光ガイドとしても使えて、京都訪問が5回目くらいでぼちぼち飽きてきた人には大変便利だと思う。
    とはいえ京都で生まれ育った著者だから、街の裏側まで見透かし分析を試みる。エッセイとしても秀逸。

  • 京都出身の鷲田センセイが、京都の美味いものや、思い出などを語るエッセイ。

    若干哲学的なカタイ話もなくはないけれど、ほとんどは軽くて読みやすいものだった。旅行ガイドとしてはあまり役に立たないけれど、読み物としてなかなか面白かった。

    以前にテレビで紹介されていたお好み焼き屋の夢屋に何年か前に行ったら、予約がないと入らないと言われ、昨年満を持して予約して行った。確かに美味かった。この店のこともこの本に出て来た。行ったことのない壱銭洋食という店が紹介されていて今度はここに行ってみたいと思った。

  • 東へ
    北へ
    西へ
    南へ
    終着駅へ

    著者:鷲田清一(1949-、京都市、哲学)

  • 京都の平熱――哲学者の都市案内 (講談社学術文庫)

  • 京都生まれの哲学者による京都案内。京都をぐるりと回る206系統のバスに沿って、その場所場所について生活目線で語られています。京都育ちの大学の先生と一緒にバスに乗り、いろんな蘊蓄を「へぇ」と気軽に聞きながら楽しむ。そういう気楽に読んで楽しめる内容になっています。
    それに加えて、観光としての京都とは違った、そこに住んで感じる地元としての京都を、そこで育った哲学者ならではの感じ方で知ることができます。外からと内からでは、全く違うということは一般的にもありうることですが、それがどう違うのかということを体で感じることができるのが本書の魅力なのかと思います。
    まず、一般の京都の観光をし、京都の歴史について学んだのち、本書でそれとはまた違った「平熱」を知ることで、京都に深く入って行くことができたような気にもなれます。私が「気にもなれます」と書かされる理由についても、読めばわかっていただけると思います。

  • 京都に生まれ京大で哲学を学んだ著者が親しんだ京都の日常について語ったエッセイです。京都駅から東山を北上する206系統の市バスのコースに沿って案内しています。

    京都の街と人について温かいまなざしが注がれています。本書を京都案内として京都の街を歩いてみる、というのは少し難しいように思いますが、観光客としての視点から、あるいは学生の視点からかいま見た京都とは違う、京都という濃密な空間の雰囲気を、ほんのすこし味わうことができたような気になりました。

  • 2017_005【読了メモ】(170214 7:25)鷲田清一『京都の平熱』/講談社学術文庫/978-4-06-292167-1

  • 鷲田清一は大阪大総長まで務めた哲学者.小難しいその文章は入試にもよく出題されるらしい.
    この本は生まれ育った京都の街を206番の環状バスにのって回りながら,普段着の(平熱の)京都人のインサイドに旅をするという趣向.学術文庫に入っているが難解な文章はない.
    拝観料をとるような寺社をさけ,路地にわけいり,場末を彷徨う.そしてしばしば過去の京都にトリップし,個性的な京都人たちを描き出す.
    街歩きの本としても秀逸.私にとっては河島英昭「ローマ散策」と双璧だ.

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著者プロフィール

鷲田清一(わしだ・きよかず) 1949年生まれ。哲学者。

「2020年 『ポストコロナ期を生きるきみたちへ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

鷲田清一の作品

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