百年の記憶 哀しみを刻む石 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062931618

作品紹介・あらすじ

記憶を刻む不思議な石が、転校生の徹と孤独者の大地を結びつけた。死んだ祖父が大昔に交わした約束の人を待ち続ける大地と、そんな軛から大地を解放したいと願う徹。しかし、石の記憶が照らし出したのは大地と徹の先祖の哀しい出来事だった。美しく切ないファンタジック・ストーリー。

 神隠し伝説が残る田舎町の高校に転校してきた久守徹は、天狗と呼ばれ人に遠巻きにされる孤高の少年・野見大地に誘われ廃部寸前の地学部に入部する。風のようにあらわれ石と戯れる大地に徹は惹かれるが、大地にはまだ誰にも明かせない秘密があった。それは人の記憶を内にとどめ後世に伝える「決壊石」の不思議だ。大地は初めてその秘密を徹に打ち明ける……。
 水晶、瑪瑙、琥珀―妖しく美しい輝きの鉱物が過去の真実を照らし出す。そして判った驚愕の出来事とは?

感想・レビュー・書評

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  • 石が持つ記憶を受け継ぐ人たちの話。

    小学生の頃に『石文』と言うものを知り、何て純粋な世界なんだろうと石が大好きになった私。

    文字のない時代、大切な人に想いを伝える為に石が使われていたそうです。
    自分の気持ちとピッタリの石を探しに探して、相手へと送るんだそうです。
    私なら、どんな石を探すかなぁと良く考えたものです。


    本作のストーリーとしては荒削りなところもありましたが、充分に優しさが伝わってくる内容。
    終わり方も、ここで切るか!とも思いましたが
    これはこれで素敵。

  • 三木笙子さんの作品は透明感があって好き!

  •  2015-12-23

  • 推理小説作家の作品だがあまり推理小説ぽくなくてファンタジー好きの人もどちらも楽しめると思う。

  • え?まさかラストはあれで終わりなの?本当に?続編あるよなこれ?
    さすがに切り方が微妙だと思った今回は。
    帝都探偵シリーズはラストをまとめてるだけに、この終わり方はちょっと引っかかる。
    こういう終わり方もありだとは思うけど、さすがにタイミングが悪い気がする。

    話は面白かった。
    鉱石、宝石好きには楽しめる話。
    それにしても、伝と良治の話は切なすぎる。
    お互いが唯一無二といえる存在だったのに…。
    そして、すれ違ったままの永遠の別れ。
    まさか伝が放火の犯人知ってたとは思わないよな流石に。
    その上、良治と離れ難いために、良治が犯人を知って傷つかないために、自ら犯人となることを決めたなんて思わないよな。
    お互い識っていたら、話していたら変わっていたのかな。
    良治は恩義感じ過ぎ、大先生は隠蔽やめろ、甘ったれた若先生は自首しろ、と声を大にして本人たちに言ってやりたい…!
    良治はもうちょい自分本位に行動してもいいと思う。
    大先生は隠蔽すんなら伝のこともうちょっとどうにかしろよなぁ。

    まさか徹のお父さんがおなじ力持ってるなんてな。
    血がつながってないのに徹を引き取ったあたり根は凄く優しくて温和な人だろうに、翡翠に、良治に囚われ過ぎちゃったな。
    徹が目覚めて大地と話したら、徹とお父さんの関係も温和なものになりそう。

    続きというか補完的なの出ないかな。

  • 守れない約束に後悔し続けた良治。
    約束を信じて待ち続けた伝。
    立場が違えば見えるものも違う。憎しみが生まれるはずがないことは分かっているけど、二人の記憶を受け継いだ者達が苦しんでいるのは辛かった。
    世代を越えて遠い日の約束を果たした徹と大地の絆は揺らぐことがなく強い。
    良治と伝は思いを石に託して再会することを強く願い続けていたんだと思う。
    大地の手を握り返した徹の手に新たな始まりを予感させる。

  • この物語は、三世代に渡る少年同士の友情の物語です。(そしてその三世代、三組の少年同士がそれぞれ血縁関係でないのに、結果的に巡り会うという因業めいた展開がニクい)
    お互いがお互いを思う故、あのような結果に終わってしまった「伝」の世代、「航」の世代、そしてその連鎖を断ち切ろうとする徹と大地の葛藤。
    ラストのあの展開には、賛否両論出そうなのには納得。ただ、あえて描かない選択をした事について、私は好意的に受け止めています。読者の心の中で続きが展開していけば良いのでは、と。
    蛇足ですが、せっかく地学部なんだから、もっと石の種類出して貰えると、石マニアとしては嬉しかったかな…w

  • 石の記憶を受け継ぐ、という設定や感覚に私がもっと入り込めてればよかったんだろうけど。
    なんでこんなにも複雑に、大事になってしまうのか???なまま、読んでいたから。。。
    硬い。硬いお話だなぁ。

  • わああ、そこで終わるか!っていう…。
    こいう後引く終わり方はズルイ!(笑。
    鉱物好きなので、石の描写も楽しめました。
    昔の記憶もよかったなぁ。
    あぁぁ、でもその後が気になりすぎます。もう!
    先輩のおばあさまももうちょい活躍すると思ったのになぁ…。
    紳士な松崎先生も好きです。

  • うーん、続きがあれば納得できそうな気がする。

    読み終わっても、なんだか、個人的にもやもやする。

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著者プロフィール

1975年生まれ。秋田県出身。2008年、第2回ミステリーズ!新人賞最終候補作となった短編を改稿、連作化した短編集『人魚は空に還る』(東京創元社)でデビュー。他の著書に『クラーク巴里探偵録』(幻冬舎)、『百年の記憶 哀しみを刻む石』(講談社)などがある。

「2019年 『赤レンガの御庭番』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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