大正箱娘 怪人カシオペイヤ (講談社タイガ)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062940634

作品紹介・あらすじ

新米記者が追う、万病に効く「箱薬」に隠された謎とは……

時は大正。巷に流行る新薬あり。万病に効くとされるその薬の名は――「箱薬」。
新米新聞記者の英田紺は、箱娘と呼ばれる少女・うららと調査に乗り出す。一方、病に冒された伯爵の館には怪人・カシオペイヤから予告状が届く! 館では陰惨な殺人事件も発生し、現場に居合わせた紺は、禁秘の箱を開き「秘密」を暴く怪人の正体を知ることに。怪人が狙う帝京に隠された謎とは!?

感想・レビュー・書評

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  • 開けぬ箱も閉じれぬ箱もないと言う少女。秘密を暴く怪人。
    実に外連味に溢れて楽しい。そこに社会からはみ出た者たち、つまはじきにされた者たちの想いを絡ませる。怪人と物語世界の謎がちらりと見えたところでおしまい。
    さて続きはいつ出るか。

  • 背ラベル:913.6-コ-2

  • 前巻であれほど横暴だった時村燕也が、紺が女性とわかってからかなり柔らかくなっている。前巻は社会に抑え込まれた女性、というのが全面に出ていて鬱屈したけど、この巻ではまた別のコンプレックスがテーマか。燕也の友人が続けざまに。瑶介とのやり取りを紺を通して覗き見ながら邪推したんだけどそういう方向で合ってるのかな・・・。これくらいの、抑えてたのがちょっと洩れる感じの描写が好き。うららは瞬間移動とか治癒とか死んだ人の言葉とか色々便利能力あるな。紺に執着しているのがはっきり。色々対立構造が出て面白くなってきた。

  • まだまだ暴かれていない謎がある。続きはないのだろうか…。

  • 一巻よりも暗いイメージが薄れて読みやすくなった感じ。
    うららの謎は解けないけれど、カシオペイヤの正体が見えてきて楽しくなってきました。ほのかにラブの予感もするけど、悪い男には気をつけて。

  • 怪人カシオペイヤに絡んだ事件が3編の構成。結局「怪人カシオペイヤ」はある特定の個人ではなく、日本を変えようとする組織なのかもしれないと本文を見て思った。そして、その権力を握る「帝京」の存在とその中を自由に行き来することが出来る「箱娘」うららとは何者なのか?。読むたびに謎は深まるばかり。ともかく、続きが出ることがあれば、読みたいと思う。感想はこんなところです。

  • 08/27/2017 読了。

    図書館から。

  • 帝都の「秘密」を狙う怪人の正体は!?
    紅玉いづきが物語の箱に閉じ込めた、絶望と希望。
    新米記者が追う、万病に効く「箱薬」に隠された謎とは……。

    時は大正。巷に流行る新薬あり。万病に効くとされるその薬の名は――「箱薬」。新米新聞記者の英田紺は、箱娘と呼ばれる少女・うららと調査に乗り出す。一方、病に冒された伯爵の館には怪人・カシオペイヤから予告状が届く! 館では陰惨な殺人事件も発生し、現場に居合わせた紺は、禁秘の箱を開き「秘密」を暴く怪人の正体を知ることに。怪人が狙う帝京に隠された謎とは!?

  • 怪人カイオペイヤの姿に迫る回だったな今回は。
    まさかまた時村燕也が出てくるとは思わなかったけど。
    紺とは因縁の間柄になったりするのかなって一巻で少しは思ったけど、まさか今回本当に早々に関わり合いになってこれからも関わっていきそうな感じになるとは。
    燕也は怪人カシオペイヤじゃないって言ってるけど、あれは牽制というか建て前だよな?
    だって、カシオペイヤの集まりに参加してたのだから。
    怪人自体ではなくとも協力者であるのは確定。
    カシオペイヤが複数だったってことにも驚いた。
    カシオペイヤに加わるには暴きたい秘密がある者になるのか。
    その秘密が自分のか他者のものかはどちらでも良い感じかな。
    燕也は秘密を暴こうと行動してるから資格があるのか。
    でも、今回そのせいで友人二人を失った。
    1人は行方不明だけども。
    もう1人は亡くなってしまった。
    なんだか何とも言えないよなぁ。
    特に行方不明になってしまった友人、瑶介。
    彼の二面性にはびっくりした。
    伏線はあったけれど、でも、メイドの卯さぎの手の描写は前の奉公先のものだと思ってたから。
    自分の不遇に悲嘆した末にきっとこの二面性を抱えることになってしまったんだろうなぁ。
    周りのものとの身分の差を極端に意識するのも。
    でも、燕也のことは本当の友人の様にきっと無意識に思っていただろうから切なかったな。
    いつかまたどこかで会う日が来ると良いな。
    カシオペイヤだけど、彼らの最終目的はこの国の最大の秘密“箱娘”を暴くことか。
    紺が燕也を連れ立ったとき、館に辿り着けなかったから直接的に対峙することは無さそうだけど暴かれてしまうのだろうか。
    それとも、箱娘によってカシオペイヤの方が紐解かれるのか。

    燕也と紺の距離がかなり縮まった気がする。
    紺は清武二郎で罪を擦り付けられそうになった燕也を助けたことで、瑶介の時の借りは返せたのかな。
    助けたことで燕也との距離は確実に縮まったよな。
    箱娘に引き合わせる約束を燕也は取り付けるのが目的ではあったのだろうけど、それでも、紺への気遣いや接し方がだいぶ柔らかくなったよな。
    送った方が良いか聞くところでその感じがかなり出てるよな。
    この二人の関係性には注目だな。

    悪食警部こと室町が今回も出てきた訳だけども、この人は一体どういう立場なんだろうか?
    前回はうららの秘匿を最重要視してて、うらら側の人間なのかなって思ったけど、今回はちょっと違ったな。
    紺の記憶を消そうとしたし、燕也の紺への警部には気を付けろという警告。
    うららが紺のことを助けに来てくれたから良かったけど、あの時の室町には迷いがなかったし少し狂気的でもあった。
    この人は一体どういう立場で何が目的で行動してるのか。

    早く次が読みたいな。

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著者プロフィール

1984年、石川県金沢市出身。金沢大学文学部卒業。『ミミズクと夜の王』で第13回電撃小説大賞・大賞を受賞し、デビュー。その後も、逆境を跳ね返し、我がものとしていく少女たちを描き、強固な支持を得ている。

「2022年 『雪蟷螂 完全版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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