インド倶楽部の謎 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065131381

感想・レビュー・書評

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  • 2018/11/12再読

  • 基本火村先生と同じスタンスなので、犯行の動機がポカーンなんですけど、そこが目新しいというか特殊なのかなぁ。
    全体的に謎があまり複雑で無い割に文章量が多くて、話が停滞している気がするので、中編くらいの長さで丁度良かったのではと思います。

  • 火村&アリスシリーズ最新作。
    ある奇妙な縁で<インド倶楽部>の集まりで、その人の前世から死ぬ日までのすべての運命が書かれているという『アガスティアの葉』の予言が伝えられる。
    その後、集まりにいた人が連続して殺されるのだが、その殺された日は予言通りで…。

    火村ほど徹底して『前世』や『輪廻転生』や『運命』といったものを却下するわけではないが、何となく全体的に胡散臭さを感じてしまって上手く物語に入り込めなかった。
    ただこういうものは宗教と同じで信じない者にはどうでも良くても、信じている者にとってはそれが現実ということか。
    特にそれで不都合や他人を傷つけるものではないのなら、その上で当人が幸せならそれで良いのだが、さてこの事件の場合は…。


    火村がなぜ刑事ではなく犯罪学という研究者になったのか、『統計的分析から犯人の属性を絞り込むのではなく、ピンポイントで突き刺す』手法に至ったのか、その辺は今後も興味のあるところ。
    またアリスがこれまでの事件にタイトルを付けてきたその会話も興味深く読んだ。
    火村&アリスを毛嫌いする野上刑事もなかなか良い働きをしていた。彼は逆に今後良いコンビになるかも知れない。

  • 図書館より。

    久しぶりに国名シリーズ読了。いつの間にかアリスや火村先生のお年を通り越していることにビビる。そして哀しい(笑)。
    前世とかちょっとびっくりな話に、おっかなびっくりで読んでいたけど、よく犯人見つけたなぁって感じでした。

  • ダイナミックではないけれど、コツコツ推理を積んでいくのが面白い作品。久しぶりの火村英生シリーズで感激。

    長編派の私としては、火村英生シリーズは短編が多くて残念だと思っていたが、今回は長編で良かった。

  • ずっとシリーズを読んできているが、今回は途中のトリックが大胆だった反面、ラストの真犯人を暴くあたりが少々拍子抜けに感じた。やはり前世という特殊な題材だったせいかな。長いシリーズなのでたまにはいいけれど。

  • 動機で読ませる話。
    トリックは短編並み

  • +++
    前世から自分が死ぬ日まで―すべての運命が予言され記されているというインドに伝わる「アガスティアの葉」。この神秘に触れようと、神戸の異人館街の外れにある屋敷に“インド倶楽部”のメンバー七人が集まった。その数日後、イベントに立ち会った者が相次いで殺される。まさかその死は予言されていたのか!?捜査をはじめた臨床犯罪学者の火村英生と推理作家の有栖川有栖は、謎に包まれた例会と連続殺人事件の関係に迫っていく!
    +++

    前世が犯行の動機に絡んでくるというのは、いささか現実離れしている感がなくもないが、関係者たちがかたくなに信じ込んでいるとなれば、これも致し方ないのかもしれない。さらに今作では、火村とアリスが刑事(時にはそれ以上)のような役割をしていて、宿敵・野上とのやりとりも、ちょっぴりいつもと違って、ある意味拍子抜けする場面もある。その野上の着眼と行動力も見るべき点のひとつだろう。以外にも最後はあっさり犯人に行きついてしまったが、ラストの描写を読むと、「もしかしたら?」とほんのわずかな疑念が湧かないでもない。腑に落ちたような落ちないような事件ではある。アリスの活躍は少なめの一冊である。

  • 火村英生シリーズは短編が好きですが、長編も面白かったです。よく遊びに行く神戸が舞台なので個人的により楽しかったですし、テーマにあった土地だと思いました。事件の核というか、動機は確かに警察が認めるのか難しいと思いますが、それもあり、と感じさせる火村准教授の推理に今回も感心しました。

  • おなじみ火村アリスシリーズの新作。長編です。
    まあいつも通りっちゃいつも通り。別に火村の隠された過去が明らかになったりとかそういうシリーズ自体の動きみたいなのはありません。二人が命を狙われるようなピンチに陥ったりアクション的な要素でもって窮地を脱したりも別段ありません。
    でもそれもまたよし。「こういうのでいいんだよ」と言いたくなるいつも通りの変わらない安心感。

    国名シリーズには後付け感のある無理矢理な国名つけもあったりもしますが、今回はしっかりとインドです。インド的な死生観というかそういうのが結構根底に。舞台は神戸ですが。「そうなのか!じゃあ買おう!」という人も別にいないとは思いますけどね。
    あと、今作は妙に「これまでの事件」を会話とかに盛り込んだりしているのが珍しいな、と。まさか火村アリスシリーズ・・・とは言わなくても国名シリーズはこれで畳むつもりとかじゃないですよね?

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。89年「月光ゲーム」でデビュー。「マレー鉄道の謎」で日本推理作家協会賞を受賞。「本格ミステリ作家クラブ」初代会長。著書に「暗い宿」「ジュリエットの悲鳴」「朱色の研究」「絶叫城殺人事件」など多数。

「2023年 『濱地健三郎の幽たる事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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