異類婚姻譚 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1393
感想 : 131
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065132241

感想・レビュー・書評

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  • 表題作と藁の夫がとても良かった。
    解説はかなり作者ヨイショというか女性としての立場からかなり踏み込んだ解釈をしてた(解説でこんなに踏み込んだこと書いてるの見たことあんまない)けど、僕としてはDV夫という発想はなかった(ということは自分もDV夫になる可能性あり?笑)。
    たしかに夫はヤバいんだけどめちゃくちゃ男と女、の男の論理と感情をうまーく描いているんだよね作者は。もちろん言わずもがな女もだろうけど。女も女で嫌なやつやなとは思ってしまう僕(男やからかな?)

    にしても寓話的で非常に珍しい読書体験をした。小説ってこういうジャンルもあるから面白いよね。

  • 「世にも奇妙な物語」のような、不思議な、ぞくぞくっとする読後感。

  • なんかよく分からなくて不気味なんだけれども、それでも読み進めてしまう不思議。割と好き。

  • 「家庭」、「夫婦」という日常的な関係やストーリーが途端に異質なものに見えてくるような話。特にぞっとしたのが『異類婚姻譚』。本来誉め言葉である「似たもの夫婦」、本当に互いの容貌が変形し、役割や存在がどろどろと溶け合っていく不気味さ恐ろしさがこの話にはある。短編4つともそれぞれが独特で面白い、そして一貫して妙なリアリティーがある。

  • 普通の日常から、すっとスライドしてフィルターがかかって、内面世界を通した現実を見せていく。好き嫌いはあるかもしれないけれど、まぁ、よいのではないかな。

  • 偶然手に取った「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」(図らずしも本谷さんのデビュー作)でその色彩鮮やかなストーリーに感動し、気になる作家さんとなった本谷有希子さん。本作は芥川賞受賞作品。期待を抱いて読み始めたこの異類婚姻譚を含む四つの作品の短編集は、いずれも結婚や家族をテーマとするもので、皆が見て見ぬ振りをするズレや抑え込む違和感を毒々しい鋭さを持って表現しています。
    顔が似てくる夫婦を現代的な寓話に昇華し、夫婦という関係性の仮面で隠しつつも、その腹の内は、互いに甘え合い、軽蔑し合い、依存し合う、実利的な関係で成り立つ現代の結婚への皮肉を感じました。
    トモ子のバームクーヘンや藁の夫からも、理想的な夫婦・家族とされる日常の薄いヴェールのすぐ裏に潜む残酷さに戦慄しながらも、また日常に何食わぬ顔で戻る女の強さや図太さを感じます。
    純文学ながらここまでヒヤヒヤわくわくした小説は初めてかもしれません!本谷さんのほかの作品も読みたいなぁ。

  • 本屋さんで立ち読みし始めたら引き込まれて読み終わってしまいました☺︎

  • 正直、難しいなぁ、と思いました。笑

    でも、久しぶりに怪奇な物語を読んだ刺激はありました^_^

    「芥川賞」と帯に書いてあったので、期待して買ってしまった。本谷さんの作品を読んだことはないので、これが、初めてになります。

    人間同士の結婚のはずが、人間らしいだけで、「他の何か」になっていく様は、まさに異類婚姻譚です。

    ただ、ちょっと好みもあるのかなぁ。

    ちょっと喩えが抽象的すぎてわからなかった。

    でも、言わんとしている、「現代の専業主婦」の退屈だけど、幸せ、少しずつ夫に顔が似てきて、そのうち蛇のようにお互い丸呑みして、一つになっていく、ような発想はすごいと思いました。

    骨のある、とこ手応えのある、と言いたいところだけど、どちらかと言うと、ふにゃふにゃした、くにゃんとした、はっきりしない、「正体不明」なまま終わっていく作品ばかりでした。

    それが狙いなのかもしれませんが、読み終えて、スッキリはしませんでした。笑

    それも狙いかもしれませんね。

    奇妙な世界への入り口だと言えるでしょう。

  • 異類婚姻譚は、あまり合わなかった。
    犬たちと、藁の夫の話が好みだった。
    本谷有希子の本ははじめて読んだが、ファンタジー要素が強く、意外だった。現実とファンタジーが微妙に入り混じり、ぐらぐらとした不安定な物語だった。

  • テレビで観た本谷さんのことが気になり、この方の本を読んでみたいと思い購入。
    夫婦とは、日常とは何なのか。
    読んでいる間、薄気味悪い感じがしてずっとぞわぞわしていた。
    自分と他人の境界線が曖昧になっていくのは怖い。

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著者プロフィール

小説家・劇作家

「2022年 『ベスト・エッセイ2022』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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