日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学 (講談社現代新書)
- 講談社 (2019年7月17日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (608ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065154298
感想・レビュー・書評
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情報が過剰で繰り返しが多く読みにくかった
著者の主要な主張は1・2章とあとがきにまとまっているのでそこだけのつまみ読みで十分に感じた詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
まずまずおもしろかったです。
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「しくみ」とは、慣習の束(人々の日々の行動の蓄積、暗黙のルールール)のことである。
日本社会のしくみを抽出することが本書の主題ということで、日本社会の当たり前を言語化している。新たな発見というよりは、言語化することで再認識できたイメージ。
分厚い本なので後半体力が切れパラパラ読みになってしまったのが残念。
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雇用、教育、社会保障、政治、アイデンティティ、ライフスタイルまでを規定する「社会のしくみ」、日本社会の暗黙のルールとなっている慣習の束の解明。学校歴、組織内勤続年数の重視。企業を越えた横断的基準の不在が最大の特徴。戦後の民主化・労働運動の中で、経営側の恣意性とバーターで社員が平等化、高度成長期に完成した。
ずーっとそうだったように思っていましたが、それほど昔からではなく、歴史や他国との比較で、日本の社会が選択してきた結果だということがわかりました。コロナで変わるんだろうか。 -
簡単に「しくみ」と言っても、これだけ掘り下げると、奥深い
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良書。
データに基づいて入念に分析されている。
多分そうなんだろうなって思っていたことではあるけど、そうなんだって思わされる事も多い。
常識と思っていた事が、世界の常識ではなく、日本は特異社会ではあると思わされる。だけど、悪いとは言えない。日本の良さもある。 -
年功序列や終身雇用など、主に日本型雇用の歴史や特徴を分析し、海外との比較を通じて日本のしくみを考察した作品。
日本では会社を基軸としたタテ型の雇用形態が多いが、欧米では職種を基軸としたヨコ型の雇用が多い、なので欧米の企業では公募により欠員補充を行うが、日本では他部署からの移動で穴埋めするケースが多い。欧米の企業が公募する際には、必要な資格や業務内容を明確にするが、日本企業では新卒一括採用が一般的で、新人研修が終わるまで勤務地すら知らされない場合もある。
昔の日本企業には社員と職工という身分の二重構造があったが、現代では大企業と中小企業という二重構造に変化している。近年、非正規雇用者の増加が話題になっているが、それは自営業者が減っているからであり、決して正規雇用者が減っている訳ではないとの事。なぜこのような日本独特の雇用形態が発展したのか、一言では言い表すのは難しいが明治維新後に民間企業が官僚制度や軍隊の規律をモデルにした事や、戦中戦後の総力戦体制が大きく影響しているようだ。
日本の企業は会社への忠誠心や人間性を重要視する傾向があり、査定や人事考課でもあいまいな部分が多い。日本と欧米社会と比較すると、日本の方が転職のハードルが高いと感じていたが、本作を読んで非常に納得でき、貴族の没落が日本型雇用に与えた影響という考察も興味深い。ただ新書の割にはページ数が多く、もう少しコンパクトにまとめてほしかった。 -
とはいえが多すぎ。
よく調べた 意味ない引用もあったが -
ほとんどが雇用制度の話
他国と比較しながら、その良し悪しや、なぜ年功序列の終身雇用になったかの経緯が丁寧に書かれていて、勉強になりました。
隣の芝は青く見えますが、過去の選択の結果、今があり、何にでも一長一短があります。不満部分を取り上げて、あっちが良いと言うのではなく、全体の方向性を捉えて、それを変える動きをしないとですね。単発の対策を繰り返すと、チグハグになり、方向性を見失う。
企業メンバーシップ重視で大企業に合わせた制度になっていること、その流れを変えるには(もし必要なら)、制度の透明性や公開性を高めて、皆の賛同を得ることが大事、ということはわかったが、ハードルが高すぎて、変えるには相当時間がかかりそう。変えるって大変!!
日本はいま経済最優先。この方向性を変えなきゃ、変えれるものも変えれない気がした。
情報量が膨大ですが、各章ごとにサマリーがあるので、それだけ読めば分かるようになってるので、忘れた頃にまたサマリーだけ読み返します。 -
そりゃ、みんな知ってるよね・というのも多いかな。