ガリレオの求職活動 ニュートンの家計簿 科学者たちの生活と仕事 (講談社学術文庫)
- 講談社 (2020年3月12日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065191538
作品紹介・あらすじ
科学史に残るすべての発見は、科学者たちの営々たる努力の賜物といえます。
しかしその業績は知られても、彼らの人となりは、なかなか表に出てきません。
中でも16世紀から17世紀初頭、「科学者という職業」がまだ存在しなかった頃、
天才科学者といえども暮らしは楽ではありませんでした。
パトロンを探しては自薦状で売り込んだダ・ヴィンチ(1452-1519)やガリレオ(1564-1642)、医師と聖職を副業にしたコペルニクス(1473-1543)、放浪の科学者という異名をとったパラケルスス(1493-1541)……。
17世紀に入り、パトロンの庇護性が薄れてくると、莫大な遺産で暮らしたネーピア(1550 -1617)や旧貴族に生まれたデカルト(1596-1650)といった好事家貴族や資産家研究者が目立つようになるものの、
発明権利の先取権争い、師弟の確執、学者同士の決闘など、研究生活は想像以上に波乱に満ちていました。
本書は天文学、数学、物理、医学の分野で名を響かせた有名科学者たちの<生活の糧>を入り口に、
どんな家庭に生まれ、いかにして科学者の道に入ったのか?
パトロンとの関係は?
歴史の激流に飲まれた時、どう身を処したか?-ーなど、
科学者が職業人として市民権を獲得するまでの前史を、
業績ではなく、彼らの「人生」というユニークな視点から辿ります。
本書の原本は、2000年8月、中公新書より刊行されました。
感想・レビュー・書評
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何を発見したかではなく、どうやって生きたか。金がないと生きていけないし、研究なんて余裕がないとできないのよ。親が金持ちなら苦労せずに研究に没頭できるのよね。今も変わらない現状にあるっていうのが悲しいところ。
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ルネサンス~18世紀までの科学誌の流れを科学者たちの簡単な伝記でつづったもの。人によって濃淡あり。あまり知られていない生涯を知るのも面白い。たとえばコペルニクスなどあまり書かれていなかったのではなかろうか。個々についてもう少し詳しいとさらに面白かったかも。