生物はなぜ死ぬのか (講談社現代新書)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065232170

感想・レビュー・書評

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  • ヒトが人である理由は「考える」こと。そして「死ぬ」こと。全ての生物は、死ぬことによって多様性を維持する。有性生殖する生物は、ほぼ同じ仕組みを持っている。その仕組みを持っていた種が有利な環境だったから、生き延びた。
    生き物の死に方は、アクシデントで死ぬか、寿命で死ぬかのどちらかのみ。環境やサイズなどの要因がある。ハツカネズミは20日で前者、ハツカデバネズミは30年で後者。ヒトの平均寿命は15歳から40代、そして80代へと数倍になった。前者から後者になったということ。ヒトの生物学的な寿命は105歳くらいであろう。食事や医薬によって多少の延命は出来る。

  • これを読んでも死生観は一変しませんでした。
    死生観が変わるという意味なら『死にゆく人に寄り添う』(玉置妙憂さん)に勝る本はないです。
    生物について考えるなら『生物と無生物のあいだ』(福岡伸一さん)が一番です。

  • 「死は現在生きているものから見ると、生きた「結果」であり、「終わり」ですが、長い生命の歴史から考えると、生きている、存在していることの「原因」であり、新たな変化の「始まり」なのです。」(p216)
    うんまぁ、分かるんだけどね。。。
    生物の仕組みから、生きること、死ぬこと、を書いた本。
    小さい頃から生物という科目が好きで、興味があって。
    だからそんなに新しい発見はなかった。
    仏教とかの方が、興味深い今日この頃。
    歳かなあ…

    「子育て改革ですが、(中略)産むことを選択したカップルに社会全体としてのサポートを手厚くします。(中略)産みたい方はたくさん産めるような仕組み作りはどうでしょうか。」(p200)
    うーん。
    生きものとしての人類は、子孫を持つことを快とする特質のあるものが選択された結果存在していて、現在の人類は皆、生来そう感じるようデザインされている。
    しかし、不幸にも子孫を持つことが、なんらかの理由、事情で叶わぬ人が多い。ということだと思う。
    で、その「恵まれない人々」が、子を持つことができる「恵まれた人々」に「サポートする」なんていうことが、社会制度として成立すると思う気持ちが全く理解出来なかった。
    そこは、ナイーブだと感じた。
    ちょっと残念。

  • 項目ごとにまとめられていて読みやすかった
    第一章そもそも生物はなぜ誕生したのか
    第二章そもそも生物はなぜ絶滅するのか
    第三章そもそも生物はどのように死ぬのか
    第四章そもそもヒトはどのように死ぬのか
    第五章そもそも生物はなぜ死ぬのか

  • 面白いエッセンスが散りばめられていました。生物学的アプローチなので、どちらかというと進化と淘汰の話ですね。最後のAIの話がやや唐突感があったのと、正直挿入されている図がわかってない素人には分かりにくい!!

  • 生物は変化と選択の繰り返しにより多様性を形成し進化してきた。生き物が生まれるのは偶然だが、死ぬのは必然である。「ターンオーバー」すなわち死は生命の連続性を維持する原動力なのである。生物は次の世代のために死ななければならない。
    生物学の視点から人の社会を見ると、親だけでなくコミュニティとして子孫の多様性(個性)を育む教育が必要だということがわかり、考えさせられた。

  • 生物の死とは変化と選択が繰り返される。これは生物の事だけではない。企業も組織もビジネスも国家もすべて当てはまるという意味で奥深い。たいていの生き物はプログラムされた積極的な死に方をするというところに死は悲壮的なものではなく良いものだという考えに変わってくる。生まれるのは偶然、死ぬのは必然、自己複製で生命誕生、変化と選択、RNA:自己複製や編集、50回分裂すると細胞は死ぬ、生き物が死ぬのは多様性のため、生き物は有限だから価値がある等考えさせられる一冊であった。

  • わかりやすかった

  •  

  • 哲学的なタイトルですが中身は生物学からみた人間の寿命について。

    興味深いテーマでした。
    「人は必ず死ね」当たり前のことですがこの事実に正面から向き合って生きていくのか、目を背けて生きていくのかでは全く違う人生になりそうですね。

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著者プロフィール

生物学者。

「2023年 『高校生と考える 21世紀の突破口』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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