- Amazon.co.jp ・電子書籍 (215ページ)
感想・レビュー・書評
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学問とはあんまり関係なく、第一印象は「持てる者の綺麗事」だったが、持たざるものであっても、その地平を目指すことになんの不都合もなく、本書とは全く関係ないけれど、メディアはかくも人を切り刻んで分断してきたんだなぁと別の感想に至ってしまった。あと、自分もそれに毒されてたと。
よって、これは学問した方でないと至れない地平であり、新しい気付きが得られるとともに、なんというか、結局のところ古の善に帰結する、人は未だに掌から出られない孫悟空なのだと、いい加減出ようよ、もう、2024年だよと、よくわからない妄想の渦を喚起される一冊になってしまった。
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若い頃は利己的でシニアになると利他的。
ヒトの寿命は本来55歳程度で、そこから癌が増える。
死は究極の社会貢献。 -
70歳から80歳が人生で一番きつい
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なぜ生物は死ぬのか、の著者の新作です。
「なぜ生物は死ぬのか」の中で、生き物は食べられて死ぬ者と食べられなくなって死ぬ者の二種類に分類できるとあった。
ヒトはもちろん後者である。
ヒトの他、老いる生き物としてシャチ(あとは忘れた)が挙がっていた。
ヒトとシャチなど老いる生き物の共通点として、群れの中での生きる生き物であるといえる。
著者は、集団の中で老人には役割があり、そのために老いるまで生き続けることができるようになっているとの説を推している。
なるほど、群れの中で経験的に語り伝えられている知恵を持っているものや、養育の手伝いをしてくれる存在として老いたものの役割はある。
そういった存在は、尊ばれ、大切にされるであろう。
その結果、長く生きることができるようになる。
医療技術の発展ももちろんではあるが、健康寿命が延びたことも大きい。
また、もしかしたら晩婚化も老いた者がより長く生きねばならない要因になったのかもしれない。
個人的には55歳程度でもういい気がしている。
人生が終わらなくとも、その年齢を過ぎれば、第三の人生とでもいうべき人生を歩んでもいいのではないかと秘かに思っている。
老いることは悪いことだけではないとは思うが、とりあえず長く生きればいいというものでもないだろう。
何を成して、何を残したか。
ぼちぼち考え始める年齢に入った気もする。 -
前作「生物はなぜ死ぬのか」が、目からウロコの好著だったので、期待して読んだ。
ヒト以外の生物は老いずに(老いる前に)死ぬ、という現実をあらためて再認識させてもらった。
そして、生きることは利己的なことだが、死ぬことは利他的なことという生物学的な見方に腑に落ちるところがあった。
後半のシニア論は、かなり底の浅いエッセイあるいは感想レベルの文章で蛇足である。