本格王2022 (講談社文庫)

制作 : 本格ミステリ作家クラブ 
  • 講談社
3.50
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本棚登録 : 173
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065282731

作品紹介・あらすじ

一編15分、世界がぐるりと裏返る。
本格ミステリ作家クラブが選んだ2022年の本格ミステリ短編の最高峰!

☆☆☆

目次

序 本格ミステリ作家クラブ会長 東川篤哉

道尾秀介「眠らない刑事と犬」
大山誠一郎「カラマーゾフの毒」
芦沢央「アイランドキッチン」
方丈貴恵「影を喰うもの」
浅倉秋成「糸の人を探して」
森川智喜「フーダニット・リセプション」

解説 廣澤吉泰

☆☆☆

感想・レビュー・書評

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  • 初めて読む作家さんの作品に触れられて良かった。本格王と言うだけあって難しく何度も戻って読んだものも、、道尾秀介の眠らない刑事と犬が1番好き。

  • 【収録作品】道尾秀介「眠らない刑事と犬」/大山誠一郎「カラマーゾフの毒」/芦沢央「アイランドキッチン」/方丈貴恵「影を喰うもの」/浅倉秋成「糸の人を探して」/森川智喜「フーダニット・リセプション」

    「眠らない刑事と犬」『N』所収。ペット探偵に犯行現場からいなくなった犬探しを依頼する刑事。母親の気持ちがよくわかる。

    「カラマーゾフの毒」 悪役俳優鹿養大介の安楽椅子探偵もの。『カラマーゾフの兄弟』に出てくるような一族で発生した毒殺事件。家政婦が見ている前で、どうやって犯人は被害者に毒を盛ったのか。解説によると、シリーズが完結したので、来年単行本になるそうだ。

    「アイランドキッチン」 引退後家を買おうと思いついた元刑事。不動産屋で紹介された物件に過去の事件現場があったことで、当時を思い出す。いやいや妻に相談もせず思いつきで家を買おうとは。それで妻孝行する気分になっているところが情けない。このおじさん本気かよ、へたすると離婚案件になっちゃうな、と別のところで気が揉める。まあ伏線なんだけど。もう一組の勘違い夫に妻はいつまで我慢できるかな。それにしても過去の事件がつらく、後味は良くない。大きな声で自信ありげに繰り返されると信じてしまう。コマーシャルならまだいいけれど、誹謗中傷はきついな。ないことを証明するのは無理だもの。「いい」人ほど生きづらいわけだ。この元刑事を主人公とする連作のアイディアがあるそうだ。

    「影を喰うもの」 生き物の影を喰い、その生命を奪う影魚。それに喰いつかれたのは友人か愛犬かをロジックで解き明かす。特殊設定ものながらロジカル。そしてオチは予想がつくがやはりシュール。

    「糸の人を探して」 自分を見初めたという相手を合コン相手から探す恋愛経験ゼロの主人公。コミカル。

    「フーダニット・リセプション」 犯人当て推理小説の解決編にコーヒーをこぼして読めなくした高校生が、虫食いになった原稿を穴埋めする。論理パズルだと思えば面白いが、コーヒーをこぼした女子高生のキャラが苦手というか不快で斜め読みしてしまった。

  • 2023.06.30
    こういう読み比べはとても楽しいです。
    やはり、1番は道尾秀介。次は大山誠一郎。3番手に浅倉秋成を推す。
    私は特殊設定ものが苦手ということもわかったのも収穫。

  • 本格ミステリの勢いが止まらない! 作家・評論家が厳選した、年に一度の短編傑作選。

  • ミステリ―が読みたーいってなったものの「最近の作家さん知らんな…」となって書店で彷徨っていたところ発見した本。6名の作品が読める贅沢な一冊でした。道尾秀介さんの作品以外読んだことなかったので新たに作家さんを知ることが出来て良かった。浅倉秋成さんが好きでした!

  • いろんなシチュエーションの推理小説なので、それぞれ楽しめる。
    決して殺人事件の犯人捜しだけじゃないんだ。
    特に面白かったのが浅倉秋成さんの「糸の人を探して」。
    冴えない、モテない大学生の河瀬倫義が、友だちに誘われて5×5の合コンに行く(その友だちは用事があり来れない)。しかも自分に好意をもっている女性がいると聞かされており、気合いが入っての参加だ。
    行ってみると、この世の人かと思うような素晴らしい女性ばかり。それどころか、皆河瀬に好意的に話をかけてくる。
    しかし後にあとの4人は、お付き合いを避けた方がよい人たちだとわかる。
    名前を聞いておらず、いろいろな情報から赤い糸で結ばれるべき女性を推理していくのだが。
    特に河瀬の思いを綴った表現や、女性とのテンポ良い会話が、笑いを誘う。
    浅倉さんは「六人の嘘つきな大学生」の作家で、真逆の性格を描いていることも面白い。

  • みんな良かったです!
    読んだことのない作家さんのお話は興味深く、次に読む本をどれにしようかな~、と迷ってます!

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著者プロフィール

1975年生まれ。2004年『背の眼』で「ホラーサスペンス大賞特別賞」を受賞し、作家デビュー。同年刊行の『向日葵の咲かない夏』が100万部超えのベストセラーとなる。07年『シャドウ』で「本格ミステリー大賞」、09年『カラスの親指』で「日本推理作家協会賞」、10年『龍神の雨』で「大藪春彦賞」、同年『光媒の花』で「山本周五郎賞」を受賞する。11年『月と蟹』が、史上初の5連続候補を経ての「直木賞」を受賞した。その他著書に、『鬼の跫音』『球体の蛇』『スタフ』『サーモン・キャッチャー the Novel』『満月の泥枕』『風神の手』『N』『カエルの小指』『いけない』『きこえる』等がある。

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