マスク越しのおはよう

著者 :
  • 講談社
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065283677

作品紹介・あらすじ

世の中の風景は一変した。誰も彼もがマスクをつけて歩いている。つけなくてはいけないのだ。ー中略ーこんな日がくるなんて、夢みたい。
 ーーーマスク歴三年・荒川千里子

小山さんに、マスクの性能をうたわれてから、マスクが気になってしょうがない。だいたい、マスクは、あたしとなずなはそれぞれ一枚ずつしか持っていない。
ーーーヒョウ柄マスクのプリンセス・渡辺芹那


「顔がみえねえじゃん。」って一瞬絶望したっけど、フェイスシールドがあると気づいた。ネットですぐ買った。
ーーー風に吹かれて・広田麦

家で、勉強できる。心臓がドクンと大きく波打った。だったら、わたしも、授業にでられるかも……。
ーーー「別人二十八号」主演・小柳沙織


人生オワタと思った。朝イチに電話がかかってきた。おとんに続いて、おかんとおにいが陽性。無事なのはあたしだけ。
ーーー七匹目の子ヤギ・田所美咲

感想・レビュー・書評

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  • 『マスク越しのおはよう』|感想・レビュー・試し読み - 読書メーター
    https://bookmeter.com/books/20019786

    【地元作家コラム:山本悦子 先生】~私と地元~ 地元はアイディアの宝庫 – 三洋堂書店
    https://www.sanyodo.co.jp/news/bks_yamamoto-etsuuko

    児童文学作家 山本悦子 ホームページおはなし日和
    http://ohanashibiyori.web.fc2.com/

    Home - mihot ページ!
    https://www.mihota.com/

    マスク越しのおはよう - 講談社コクリコ|講談社
    https://cocreco.kodansha.co.jp/catalog/0000366878

    『マスク越しのおはよう』(山本 悦子)|講談社BOOK倶楽部
    https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000366878
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    alouette18さんの本棚から

  • マスクフリー活動の仲間に薦められた一冊。

    小学校高学年から中高生のマスク依存を心配していた私。
    彼女達の心の闇の部分に対してなかなか想像力が働かなかったけれど、この本を読んで少しは理解できたかも。

    マスク依存や不登校の子ども達が抱えているものは様々だけれど、誰かが支えてくれれば、きっと一歩を踏み出す勇気が湧き出てくるのだろうなと思えた。

    まだまだマスクが外せない中高生は少なくない。
    早くみんなの素敵な笑顔が見たい。

  • コロナ禍、同じクラスになった中学2年生を描く連作小説。
    一章ごとに中心となる子が変わり、その子についてはもちろん、他の子についても新たに見えてくるものがあって、気になって一気読みだった。
    周囲からは過剰に思われる行動や態度も、その子にとっては切実なものの現れで、どの章も胸がキュッとなった。
    描き方がとても丁寧で、皆たまらなく愛おしい。
    この先の幸せを願わずにはいられなかった。

  • 〈マスクは、わたしの体の一部。友だちも親も先生も認めてくれてる。そう思ってた。〉
    ──4年生の終わりからしている“マスク歴3年”の荒川千里子

    〈大切な人を守りたい。守りたくて、守りたくて、どうしようもない。でも、守るすべを持っていない……〉
    ──イメージぴったりと言われるヒョウ柄マスクをしている渡辺芹那

    〈コロナをチャンスにしたヤツだっている。みんなには言わないけど、実は、おれもだ。これは、チャンスだ。〉
    ──ひとりだけフェイスシールドをしているお調子者の広田麦

    〈学校に行きたい。勉強したい。でも、行けない。〉
    ──メガネをかけ、マスクをして“別人28号”になった小柳沙織

    〈もしかしたら、あたしがここにいること、知られちゃいけないのかもしれない。〉
    ──両親と兄がコロナに感染、ひとりだけ自宅に残された田所美咲

    一斉休校、緊急事態宣言、マスク着用、ソーシャルディスタンス、自粛警察……コロナによって一変した世の中を懸命に生きる5人の中学2年生の物語

    第55回野間児童文芸賞『神隠しの教室』(童心社、2017年)の山本悦子が贈る新作長編、2022年9月刊

    教育現場をよく知っているからこそ書ける学校のディテールの上に、子どもたちに寄り添って心のリアルを描き出した注目作

    連作短編集というかたちをとるが、作中の人物が入れ子のようにからみあう構成の妙、タイトルにこめられた意味、物語を読む醍醐味を味わえる一冊

  • 中学生が主役の連作短編集。新型コロナがはびこり出したその時期に起きる、それぞれのドラマ…泣けた…全てのエピソードで泣けた…。
    特に、麦…麦よ…お前は本当にいい子だ。一つ乗り越えて大人の顔になった君は、きっと大切な人を守れるに違いない。君は、愛されているよ。
    私はどうしても大人目線で読んでしまうけど、中学生たちはこれ読んでどう思うだろう。説教くさいと思うのだろうか。私の中の中学生はそんなことないよ!すごく面白い!と言っている気がする。実際に聞いてみたい。

  • 中学生たちの揺れる心が眩しい。沙織のおじいちゃんが遺したものは素敵すぎる。

  • コロナが流行り始めた頃ってこんなだったなって思い出した
    どんな状況でも、登場する彼らは自分を見つめ、友達と模索しながら中学生活を送っていけそうな気がした

  • コロナ禍のマスク生活。今ではそんなこともないけれど、当時はなかなか手に入らなかったり、性能が気になったり…。思い出しながら、今と比べながら読んでみてください。
    (YA担当/なこ)

  • そうだった、こんなふうだった、って、読みながら3年前のことを思い出しました。

    マスクをしなければならないって言われても売ってないのにどうすればいいの?
    とか
    教室で消しゴムを落としても拾ってあげてはいけない
    とか
    ついに○○県にも感染者が
    とか
    そのせいで引っ越さなければならなくなったとか
    今思うと狂気としか思えないようなことも…

    確かにコロナ前から、特に女子中学生にはマスクつけっぱなしの子がけっこういたなあ、ということも思い出しました。

    「自業自得なんて人はいない」
    「病気なんだから、かかった人が悪いわけじゃない」

    コロナを中心にしながらも、いろいろな家族の複雑な事情がさらっと盛り込まれているのはさすがだと思います。

  • 物語の構成がうまいですね。
    コロナ禍のはじめ頃はこんな感じだったよね。と昔のことのように感じるけど、たった3年しか経ってない!
    市内で初患者が出たときは、あの店の社員だそうなとか街中の人に噂されて大騒ぎでした。
    ああそんなこともあったよね。と言えるときが早く来ますように。

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著者プロフィール

山本悦子(やまもとえつこ)愛知県生まれ。『神隠しの教室』(童心社)で第55回野間児童文芸賞を受賞。主な作品に『先生、しゅくだいわすれました』『先生、感想文、書けません!』『がっこうかっぱのおひっこし』(共に童心社)『夜間中学へようこそ』(岩崎書店)『はっぴょう会への道』(PHP研究所)『神様のパッチワーク』(ポプラ社)など多数ある。日本児童文学者協会会員。

「2023年 『がっこうかっぱの生まれた日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

山本悦子の作品

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