希望の糸 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065286180

感想・レビュー・書評

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  • 殺人事件ではあるものの、いつものように深い憎しみや悪意があるわけではなく、色々な人の想い、つまるところ愛情のすれ違いのために起きてしまった悲しい殺人。
    登場人物は多く背景も入り組んでいるのですが、そこはさすが東野圭吾さん。しっかりと推敲を重ねたうえで矛盾のない進行で最終的に納得いくものでした。

    いつも思うのですが、東野さんはかなり深く登場人物像を考えに考え、時間軸や物理的なところだけではなく「この人ならこう考えるはず、そしてこう行動する」という部分をもの凄く巧みに組み合わせているなぁと感心するばかりです。

    犯人が誰なのか、というのは比較的容易に想像はついたのですが、それよりも、それぞれの人物の心情を描く文章力や創作力の高さに裏付けられた安定した面白さでした。

    ほんと、物語を書くのが上手い!
    そんでもって、タイトルがいい。

  • お互いを個として尊重しあえるいろいろな家族の形に今回も心が温まる…

    自由が丘の人気カフェで起きた殺人事件、捜査一課松宮に届く被害者女性オーナーに関連する情報は、誰からも好かれた人ということばかり…

  • 巡り会い 巡り会える


    加賀恭一郎シリーズ
    久々泣いた

  • 帯の「あたしは、誰かの代わりに生まれてきたんじゃない」という言葉に惹かれて購入。

    「人と人のつながり」を深く感じた。

    また、萌奈ちゃんと行伸さんの最後の方の会話には、涙が溢れてしまった...このお話のあと、どのような形で進んでいくか分からないが、2人が幸せだと思える毎日を心から願っている

    東野圭吾さんの加賀シリーズは、恥ずかしながら読んだことがなかったけれど、作中に時々出てくる加賀さんの話が気になったため、1から読んでみようと思う。

  • 最初の入りから心が折れるような悲しいエピソード、その他諸々殺人だったり家族の在り方、過去から現実の流れなど読むにつれてどんどん皮が剥がれていき、表紙の赤い糸の意味やテーマの”希望の糸”に近づいていきます。

    今回の作品も東野圭吾さんの鋭い視線から物語がなっていてもっと他の作品を読みたいという衝動に駆られました^_^

  • 加賀恭一郎シリーズ第11作。
    だが、今作の主役は松宮脩平刑事。
    登場人物の振り返りシーンも多く、展開に意外性はなかったが、
    せつなすぎるストーリーが心に響く。

    すこし気になったのは、
    特捜本部にいた加賀がなぜ自ら動いたのか?

    それにしても、東野圭吾作品は読みやすい。

  • 育ての親との希望の糸(行伸と萌奈)
    実の親との希望の糸(松宮と真次)

    「不妊治療」をモチーフに、家族の絆や血のつながりについて、とても考えさせられた。

    テーマはとても素敵で、誰にでも起こりうる話なのに、登場人物が多すぎるし、二つの大きな話(事件の方と、刑事・松宮と父の話)を同時並行で一冊の本にしてしまったのがマイナスポイント…

    ミステリーとしては、東野圭吾さんらしい、圧巻の読み応えだったゆえに勿体無い感が残った。

    せっかくシンプルで美味しい料理になるのに、いろんな食材を混ぜすぎた感じ。

  • 家族とは何かを考えさせられた。
    加賀恭一郎シリーズではあるものの、加賀はあまり活躍(登場)せず。ストーリーは、どう繋がっていくのかが気になり一気読み。でもそんな事があったのかという驚きもありで、楽しく読めた。久々の東野圭吾作品だったが、読者を飽きさせないところが流石だと思った。

  • 正直なことを言うともっとガツンとくるミステリーであってほしかったなと思う。
    個人的な好みの意見ではあると思うけど、あまりに平坦、波のない展開でワクワクはしなかったかな。。
    もちろん読みやすい文章だからサラサラと進みはするが、そのまま終わってしまう印象。
    家族の絆が描かれているから、あまり壮絶なのは難しいのかもしれないけれど。

  • 泣いた泣いた。一気に読んだ。

    殺人、出生の秘密、あってはならないことだが、子供を守る気持ち、父親の気持ち、複雑な事情があり、とても面白かった。

    加賀シリーズは何回か読んだこともあったので、登場人物には苦労しなかった。また東野圭吾ファンになった。読みやすいし、ちゃんとサスペンスになってた

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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