希望の糸 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 663
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065286180

感想・レビュー・書評

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  • 各々のストーリーがどう絡まっていくのかと思いきや…お見事!
    刻々と展開していくストーリーにページを巡る手は止まらず。面白かった。
    久々の東野さんの小説でしたがやはり凄い!これだけ多くのファンがついているのも改めて納得の一作でした。
    そして最後はやはり愛!
    殺人が起きたり残酷な事実や切実な事情があったり…起きている事は救いがないように見えるけれど東野さんの小説はちゃんと最後に愛がある。
    愛と希望の糸がいつもちゃんと残されている…気がします。

  • 作品全体に流れる人の命に対する考え方、思い。命の誕生に対する神秘性。不妊治療という大きな課題。そういった問いかけを読者に突き付けてくる。

    警察の捜査のやり方への怒り、子供が欲しくても出来ない夫婦の悲しさ、人の命の切なさ・尊さ、治療ミスへの憤り、多感な思春期を迎える少女の尊厳とそれに対する命がけの思いやり、真相を知ってしまった刑事の葛藤と同時並行的に描かれる自身の出生の謎。作品を通じて東野さんの命に対する温かい考え方が際立っている作品だと思った。

    東野さんの意図された通り、私の感情は翻弄されてしまったのでした。

    実は、加賀刑事が出てくるシリーズは「麒麟の翼」を読んで以来だと思う。約10 年ぶり。湯川先生も好きなのだけれど、加賀刑事も大好き。本作はシリーズの最新刊ということで、一作品を読み飛ばしてしまったようだ(しまった)。

    長く続いているシリーズだと、その時々の時代背景が作品の中に落とし込まれていて時流を感じることができる。本作品でも不妊治療、妊娠中絶、DNA鑑定、LGBTQといった現在の人間が考えざるを得ない要素が背景になっている。

    もう、さすが!としか言いようが無い。

    しかし、事件に関することが全て明らかになった後、今回の主人公となった松宮刑事の出生の謎が明らかになってから語られる、登場人物達の「その後」の話。最後の20ページ弱が電車の中では読めなくなってしまった。

    この涙腺の緩さを何とかしないと、一気に最後まで読み切れない。

  • シリーズ物だと知りながらもどうしても読みたくて最新刊から読みました。読み応えがあり、後半はほろりとさせられる。
    どうにもならない運命に巻き込まれながらも、
    血縁とは親子とはと考えずにはいられませんでした。
    家族って面倒くさいけど温かい。
    いい話でした。

  • 加賀さんの出番が少ないのがなぁ…
    でもやっぱりこのシリーズは面白い

    今回の話も、なんだかなぁ~っていうのとせつない気持ちになりました

  • 加賀恭一郎シリーズ。これはスピンオフかな?
    人間の繋がり、家族の形、色んな関係が出てきました。
    事件の関係者の過去、事件とは別に松宮脩平の生い立ちなども描かれていて、とても切ない気持ちになりました。

    ひょっとしたらこのシリーズで1番好きかも。

  • 今回も家族がテーマの話。複雑に登場人物が絡みあっており、続きが気になって読み進める手が止まらなかった。
    だけど、ちょっと内容詰め込みすぎている感じがしたかな。
    「赤い指」「祈りの幕が下りる時」が良すぎてそれと比較してしまう。

  • やっぱり加賀恭一郎シリーズの人間ドラマが大好き。
    今回の主人公は加賀ではなく、従兄弟の松宮。
    出生の秘密。すれ違いの悲しさ。
    最後は「糸」が切れていなくて良かった。

    加賀恭一郎シリーズを再読したくなった。
    もうすぐ新作(あなたが誰かを殺した)発売。楽しみですね。

  • シリーズ全く読んでないまま手をつけましたが、特に問題なかったです。
    読んでた方が、主人公の松宮に感情移入できたのかな?とは思いますが。

    いわゆるホワイダニット小説ってやつですかね?
    そこにタイトルにもある「糸」が関係してきて、殺人事件ではありますが、家族・子供の絆みたいな暖かい主張もあり。

    登場人物も多くなく分かりやすくてよかったです。みんなそれぞれに何かを抱えてますが、切ない犯人の境遇に一番ウルッときました。
    最後についた嘘は本当に嘘だったんでしょうか?

  • 犯人があっさりわかってしまうのでミステリーとしては物足りない。それぞれの人生が興味深く一気に読んだ。

  • いやーこれは面白かったです。プロローグからグッと入りました。また一気読みです。章ごとに登場人物で視点が変わるのはあまり得意では無かったのですが、これはもうそれぞれのストーリーがあって、どう交わってくるのか、グイグイと読みました。とにかく読みやすくて、小難しくなくて、人間ドラマがあって、最後にホロっとなシーンもあり。
    綺麗にまとまってる感じで、とても充実した読了感でした。 今加賀さんシリーズに突入しているので、このまま年を越しそうです。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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