- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065317129
作品紹介・あらすじ
第42回吉川英治文学新人賞受賞作!
祝デビュー10周年!
時間も金も、家族も友人も贅沢品だ。
息詰まる「現代」に風穴を開ける、「響け! ユーフォニアム」シリーズ著者の代表作!
遊ぶ時間? そんなのない。遊ぶ金? そんなの、もっとない。学費のため、家に月8万を入れるため、日夜バイトに明け暮れる大学生・宮田陽彩。浪費家の母を抱え、友達もおらず、ただひたすら精神をすり減らす――そんな宮田の日常は、傍若無人な同級生・江永雅と出会ったことで一変する!
感想・レビュー・書評
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愛されなくても別に。
なんとも言えないこの表題に惹かれ購入した一冊。
大学生の宮田陽彩は学生生活を謳歌することなく日々バイトに明け暮れる生活をしている。
そのなある日、奇抜なファッションを身にまとった江永雅と出会い・・・
宮田も江永も自分や他の人間にも期待をしない。
どこか諦めた顔して、ただ生きるために生きている。
そんな二人が出会うことで世界は光輝き未来は明るくなる・・・
訳でもなく、暗く先の見えない道はずっと続いていく。
これまでと違うのは隣で一緒に歩いてくれる人間がいる。ということだけ。
未来が明るくならなくても、人生が光輝かなくてもいい。
愛されなくても別に、いい。
宮田にとって、江永にとってお互いの存在は
暗い世界を少しだけ歩きやすく、楽しく生きていくために必要な存在。
二人が出会ってくれて本当に良かった。
読了後は少しだけ心が軽くなるような気持ちになりました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
余韻残るストーリーに心奪われました。
あの2人にはこれからも自由に生きてほしいな。
物語の内容は、毒親が胸糞悪くて正直辛かったですが、読み終えると2人の関係性にほっこり。
血の繋がった家族であれば無条件に支え合わなければならないんでしょうか。心に残ったのは“ーーー愛されてたら、子供はなんでも許さなきゃいけないわけ”⁉︎という言葉。愛してるの言葉って捉え方によっては呪縛にもなってしまうのかと考えさせられました。読了後に見るタイトル「愛されなくても別に」の文字は読了前のそれとは言葉の重みが全く違って見えます。
今作で初めて武田綾乃さんの小説を読みました。何気ない日常のリアルな幸せを描くのが上手でしみじみ。まるで映像を見ているかのような作品でした。 -
主人公である宮田ちゃんのご両親(特に母親)が見事な毒親っぷりで途中辛かった。対する江永ちゃんも自身を覆っている不可抗力の闇に押し潰されそうになっている過去を持っていて、チューハイ缶を片手に宮田ちゃんに詳細を打ち語る描写には読んでるこちらも辛くなってきた。
でも、最後は最後ですごく素敵な終わり方でホッとした。若い女の子二人のこれからが幸で溢れてますように。
◉3月14日再読 -
闇が深ければ深いほど、光は強く見えるように、
どうしようもなくどん底に生きる二人が、眩しい。
痛いほど救いようのない状況下に置かれ、
必死にもがきながらも突き進む。
雨に野垂れ死んだら、
その後に雨が止んだかどうかなんて
知ったこっちゃない!
だから、いろんな選択をしてもいい。
自分で選んでもいいんだ。
それが生きる術となるならば。
「愛されなくても別に」
タイトルと同じこの台詞が
ページ上に出てきた時、
そんな台詞が生み出された過程を思って、
泣けて仕方なかった。
だけど読後に射す希望が、
その台詞の続きを生み出す。
「愛せたらそれでいい」
愛するなんて言葉、
二人にはちょっと大袈裟かもしれないけれど、
幸せになってほしい、と互いに想い合う、
そんなささやかな愛が、
その先への一歩一歩に続いていってくれることを
願わずにはいられない。
なんだかどうしようもなく、愛おしいんです。
この二人の背中を押してやりたくなるようでいて、
本当は自分が背中を押してもらっているのかもしれない。
みんなも出会ってほしい。
宮田と江永に。 -
友情とか絆とかいう言葉が安っぽく感じる
泥沼にはまる親が子どもの手を離さない
子どもが親の手を離せないのは愛とは違う
二人が今後安らかに暮らせることを願ってしまう -
自分が抱える孤独は他人と比べようがない。
自分が一番苦しい訳じゃないのは分かっていても、やり場のない気持ちをどう昇華すればいいのかひとつの示唆を与えてくれる作品だった。
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友達を作らず日々バイトに明け暮れる宮田。見た目も過去もワイルドな江永。そんな二人がひょんなことから一緒に住むことに。
宮田と江永と、途中で離脱した木村。3人3様の家族とトラウマを抱えながら、懸命に生きている。いつの時代も親との葛藤、確執は変わらずエグいものだなと。 -
宮田と江永が理想の関係すぎて羨ましいなって思った!お互いに抱えた生きづらさを分け合いながら生きていく様が好きだった。やり取りが面白いし、共感出来るところも多くて読みやすかった。家族は血が繋がっているだけの他人だという2人の考え方がとても好きだった。
愛されることが全てじゃないし愛することが全てじゃない。生きていく方法はいくらだってあるし自分で選んでいいんだと気付かされる物語。再読したい気持ち。 -
心が痛むシーンもあるけど読んでよかった
普通ってなに?人それぞれ違うってことを再認識