- Amazon.co.jp ・本 (816ページ)
- / ISBN・EAN: 9784081570195
感想・レビュー・書評
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私はなになにすべきだというべき論は好ましく思わないのだが、戦争の記録や戦争文学分けても広島・長崎の被曝とナチによる強制収容所に関するさまざまな作品を一度は読んでおくべきだと言いたいのです。二度と同じ過ちを犯してはならないからです。大田洋子著『屍の街』が出色。井上光晴著『夏の客』、後藤みな子著『炭塵のふる町』も悲しい。いや、すべての作品が悲しいのです。
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あの日からその後まで、ヒロシマとナガサキの悲劇。
幼少の頃に絵本のはだしのゲンを読んでからトラウマの原爆。時々はトラウマに塩を塗りつける必要があるので手に取った。
しかしそんなお話を集めただけあって、いくら読み進めても玉ねぎを剥くみたいに後から後から終わらない痛みと苦しみ、怒りと悲しみが連なっていて読んでいてさすがに辛い。でも現実には原爆で死んだり苦しんだりした、何十万人分のたまねぎの皮が存在するんだろう。そこから目を背けてはいけないと思った。
戦争という業を背負った人類はだれでもトラウマであろうから、全員が塩を塗ってその痛みを心の底に刻みつけて欲しいと切に願う。特にミサイルが大好きな人とか敵を作れば支持率上がると思ってる人とか絶対読んで欲しい。
怒りに満ち溢れた詩集として、峠三吉の原爆詩集といっしょにどうぞ。 -
原爆は人道上許されない悲惨な兵器である。アメリカを国際裁判にかけ、弾劾されるべきである。
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「閃」というタイトルがついている。後藤みな子さんの文章を読もうと思って、てにとったと思われるんだが、結構読み進めてしまった。
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中短篇によって編まれているのが、この『コレクション 戦争と文学』のひとつの特徴である。
本巻『ヒロシマ・ナガサキ』は、原民喜「夏の花」くらいしか読んだことのある作品がなかった。
全て読んでみたところ、小説として良くできているとは言い難いものもあったが、それは題材の重さに起因するのだろう。
あまりにも「伝えたい」「書き残したい」という想いが全面に出すぎてしまっているものが多かったように思う。
戦争文学や、ヒロシマ・ナガサキを扱うときの難しさがここにある。
筆を執り始めた動機自体には極めて痛切なものがあるにせよ、表現形式として(たとえばルポルタージュではなく)小説を選ぶのであれば、まず小説として成功しなくてはいけないだろう。
でなければ、いかなる想いで書かれようとも、後の世には残らない。
「夏の花」が際立って優れているのは、あの作品が描いていることや、原の想いはもちろんだが、なによりそれらが小説という形式のもとで結実し、成功しているからである。 -
戦争×文学シリーズ
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無知でいることは罪ではないけど、昨今の情報社会で知ろうとしないことは罪だな、と戦争文学を読むと痛感。
「安らかに眠るには核が多すぎる」
小栗和歌子の俳句ですが、今の日本。原発問題と関連するエネルギー問題もどうなるのやら。その前に政府ですが・・・。