寂聴と磨く「源氏力」全五十四帖一気読み! (集英社新書 470F)

制作 : 「百万人の源氏物語」委員会 
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087204704

作品紹介・あらすじ

全五十四帖からなる「世界一古い長編小説」は、全体像を俯瞰のまなざしでとらえてこそ、楽しさ、深さが味わえる。瀬戸内寂聴の語る、孤独で、辛くて、すれ違う千年前の男女の姿。そして源氏研究・第一人者、伊井春樹による物語解説。この一冊で最後の帖まで読み通す力を磨いていけば、人の世のはかなさ、奥深さがくっきりと見えてくる-。このことこそが、物語の力、「源氏力」なのです。

感想・レビュー・書評

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  • 久々に源氏物語全体のおさらいをしました。
    コンパクトな本ですが、全体をさらうのに十分な内容で、かつとても読みやすかった。
    寂聴さんの軽口が源氏物語の高い敷居を低めの敷居に変えてくれます。
    源氏物語を読み始めたいけど原文の長さに抵抗がある方にオススメ。

    読みづらかった終盤の宇治十帖が、この本のおかげで好きになりました。
    確かにこちらの方が共感できるし、リアル。
    大君の
    ・今はあはれと思う薫さまも、結婚してしまえば辛しと見えることもある。

    すべてのことは「無常」永遠ではない、
    という仏の教えを全うする大君。

    これを現代にも通じると解説されたこの本のおかげで宇治十帖に対する捉え方変わりました。

  • 千年を超えなお多くの人に読みつがれる、全五十四帖からなる「長編恋愛小説」源氏物語。 紫式部ブームが来る前にサクッと源氏物語について知ることが出来たら…と、ふと訪れた図書館で手にしたのがこの本。ラジオ番組''百万人の源氏物語''をもとに編集された本で、光源氏を中心とした登場人物の相関図あり、現代語訳も手掛けた瀬戸内寂聴氏の歯に衣着せぬ考察や想像も交えた対談や、源氏物語研究第一人者の物語解説と、新書本一冊に盛りだくさんの面白くて分かりやすい内容がてんこ盛り。昔学校の授業で習った記憶はあるものの、日本人であるにも関わらず、その詳細は理解していなかった深い溝が少し埋められた様な気がした。「須磨がえり」(前半五分の一で挫折…)もなく、なんとか最後まで源氏物語を知ることができる入門書として気楽に読めるオススメの一冊。

  • 林望源氏を読んだあとなので、人間関係が整理できてスッキリ!

  • 私はこれまで何パターンかの源氏物語に挑戦したことがあるのですが、結局どんな話だったか少しも記憶に残っていませんでした。
    ただ、谷崎潤一郎訳版の文体が好きで、いつか読み直したいと思っていました。そんな時にブックオフで2008年11月発行のこの源氏物語解説本が105円で売られているのを発見。さっそく読んでみました。これが面白いし、わかりやすい。
    どんな構成の本かも寂聴さんが「はじめに」で実に簡潔に書いていてくださっているので、そのまま紹介します。
    「この本は、その源氏物語の、はじめから終りまで、すべてを面白く、わかりやすく、丁寧に扱うという素晴らしい目標を掲げて放送されたラジオ番組「百万人の源氏物語」をもとに編集されました。美しく、才気にあふれる聞き手、近藤サトさんと、物語の裏の裏までわかりやすく解説してくださる、国文学研究資料館長の井伊春樹先生というこの上ない伴走者を得て、長い長い源氏物語五十四帖が新書一冊でわかるとは、なんとも贅沢な本ではありませんか。
    「百万人が楽しめる、一気に読める源氏物語」というモットーを聞いて、私はたいへんいいことだと思いました。源氏物語の入り口は数多くありますが、初心者でも一気に読めて、しかも物語を俯瞰できるようなものは、なかなかありません。この本を通じて、百万人、一千万人、さらにはすべての人々が、源氏物語の奥深さ、面白さを堪能してくれることを願ってやみません。」
    books153

  •  源氏物語は長すぎて読める気がしない。だけど、教養として、また外国人と交流する際の武器として内容を把握しておきたい。そんな人にオススメ。全体像が把握できるから、原著を読むときの手助けにもなるだろう。

  • 源氏物語54帖すべてのあらすじと解説が、適量サイズにまとめられている。宮中を空から鳥瞰するように、あの難解な人物関係がわかりやすく整理されているのがありがたい。ハイライトシーンの抜粋ではなく、全54帖が収められているのが良い。若き光源氏のイロ男ぶりは有名だか、物語後半の展開は、本書のようなダイジェストがなければ、知り得なかっただろう。要所要所に瀬戸内寂聴&近藤サトのトークが挿入されて、源氏物語に対する興味をもり立てるので、源氏本編に挑戦したくもなる。実際はなかなか難しそうなので、全54の帖題の読み方ぐらいは覚えよう。

  • わかりやすくさっさと読めるので、源氏の流れを知りたい時に使えると思います。

  • ジローラモかと。

  • [ 内容 ]
    全五十四帖からなる「世界一古い長編小説」は、全体像を俯瞰のまなざしでとらえてこそ、楽しさ、深さが味わえる。
    瀬戸内寂聴の語る、孤独で、辛くて、すれ違う千年前の男女の姿。
    そして源氏研究・第一人者、伊井春樹による物語解説。
    この一冊で最後の帖まで読み通す力を磨いていけば、人の世のはかなさ、奥深さがくっきりと見えてくる―。
    このことこそが、物語の力、「源氏力」なのです。

    [ 目次 ]
    第1部 美しき光源氏―「桐壷」から「藤裏葉」まで(「桐壷」―「源氏力」とは何か
    「空蝉」―不倫の香り 「夕顔」―はかなさのなかの機知 ほか)
    第2部 崩れゆく栄華―「若菜・上」から「幻」/「雲隠」まで(「若菜」―滅びに向かう光源氏 「御法」―出家できないという悲劇)
    第3部 ふたりの貴公子―「匂宮」から「夢浮橋」まで(「匂宮」―もっと人間の真の姿に 「総角」―すれちがう恋の物語 「蜻蛉」―心と身体の葛藤 ほか)

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    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 源氏物語はちゃんと読みたいと思っているのだけれど、

    その文章の難解さゆえに近寄りがたいですね。

    しかし、とりあえずこの本でアウトラインをつかむこと。

    そしてそれに関する解釈を聞いてみること。

    それによって本文をちゃんと読んだ時に、

    かなりわかりやすくなるのではないかと思いました。

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