自由の壁 (集英社新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087205114

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  • 日本における自由という言葉は外国のリバティーと同義なのか。まずそこから考察する。

    そして江戸時代の朱子学を含めて自由と勝手等の違いを検証する。

    つぎに中華事変から戦後にかけての不自由さを考察する。いわく、憲法では検閲されない自由が保障されてるはずだが、GHQはガンガンに検閲してきた。

    つまり矛盾に満ちた憲法、戦後体制がある。

    読了70分

  • 自由って何?:
    理不尽という壁
    いま考える「自由」という言葉
    理不尽という壁
    いま考える「自由」という言葉
    自由と責任
    宗教からの自由、宗教を選ぶ自由
    自由と平等の関係
    経済の「自由」とは

    陽明学と近代日本:
    誰が、いまの「自由」という語を使いはじめたか?
    「自由」の東西の決定的なちがいは?
    なぜ、中国や日本では「自由」が好き勝手になってし
    まうか?
    西洋における自由が勝手気ままにならないのは、なぜ?
    西洋の「自然権」の考え方もキリスト教から出たものか?
    「天は人の上に人をつくらず、人の下に人をつくらず」 は西洋の言葉?
    福沢諭吉が説く前に、日本に自由・平等思想があった?
    士農工商が対等という考えがひろがっていた?
    江戸時代の自由は?
    江戸時代の封建制の仕組は?
    江戸時代の個人の自由は?
    民衆文化のなかの「自由」
    中国の自主性誰が、いまの「自由」という語を使いはじめたか?
    「自由」の東西の決定的なちがいは?
    主体性の文化
    そうした中国の動きが日本にも伝わった?
    日本人の主体性と陽明学
    明治維新と陽明学の影響
    啓蒙思想家で陽明学の影響が強いのは?
    自由民権運動と陽明学
    陽明学とヨーロッパの「自由・独立」の思想のちがい
    ほかに明治期に陽明学の影響を受けた人
    明治政府が与えた「自由」と「平等」
    福沢諭吉の一身独立、一国独立
    福沢諭吉の「自由・平等」思想の最大の欠点
    ヨーロッパの民主主義とのちがい
    天道思想と功利主義
    内村鑑三のなかにもあった陽明学
    近代批判の砦としての陽明学
    日本独自の近代化

    皇国史観と戦後の「自由」:
    戦後、占領軍の支配下での「自由・平等」
    GHQによる報道管制
    戦時下の言論弾圧に対処する方が書き手には楽だった?
    アメリカが日本人を手なづけるために、使った手
    占領軍のもたらした自由と戦中派
    アプレゲールと呼ばれた戦後の若者たち
    昭和天皇の「人間宣言」と民主主義の定着
    文学と面戦争責任」
    戦後の歴史認識の問題
    東京裁判の歴史観のおかしさ
    やはり、満洲事変が鍵?
    「満洲国」が民族協和のスローガンを掲げた理由
    「東亜新秩序」声明の役割
    石原莞爾神話
    伏線のない成りゆきに、あとからつけたストーリーが東京裁判史観?
    戦後民主主義の歴史認識にある大きな欠陥
    天皇の威信の高まりの方は?
    生命主義が神がかりの正体だった?
    そして、誰も反戦を唱えなくなった
    「大東亜共栄圏」というお題目
    「一国発展段階論」の弊害
    丸山真男はプルジョアズム民主主義なのか
    日本の場合のファシシズムとは
    戦後民主主義と大正デモクラシーのちがい
    新しい宗教の季節の到来
    戦後日本にもあふれた、人類普遍主義の理想と平和精神
    大正デモクラシーの終わりは?
    大衆社会の目印は?
    大衆社会と自由は、どんな関係?
    モボ・モガは、消えたのか?
    欧米の大衆社会とのちがいは?
    その後、戦後民主主義は、どうなった?
    60年代末の全共闘とは
    三島由紀夫と全共闘
    三島事件の後遺症
    大江健三郎と村上春樹
    日本の近代文化は西洋と東洋の分裂か混血か?

    自由への道:
    ポスト冷戦と自由の問題
    冷戦期との決定的なちがい
    生物学の法則からも自由になれる?
    人間は自分の価値を選ぶ自由を行使して、自分の首を絞めている?ただ生きていることが自由の根源?
    自分の考えから自由になるなんて、本当にできるのか?
    もっと自由になれる

  • 日本思想史の中から、「自由」という概念をめぐる諸問題について論じている本です。

    全体は二部構成となっており、第一章では、伝統的な「自由」の理解の背後に陽明学の影響があったことが、ややくわしく解説されています。つづいて第二章では、戦前と戦後を分断し、戦前には「自由」はなく、戦後になってはじめて人びとは「自由」を謳歌することになったという歴史把握を相対化し、戦前から戦後にかけての日本における「自由」というテーマをめぐるさまざまな思想史的文脈を掘り起こし、われわれの常識的な「歴史認識」を見なおす試みがなされています。

    話題が多岐にわたっていますが、この国における「自由」とはなんであったのかという問題について考えるための、さまざまな切り口が示されているように思います。

  • [ 内容 ]
    日本人にとって自由とは何だったのか。
    そして、平等とは?
    「自由」をキーワードに、儒教、道教、仏教など東アジアの伝統思想と近現代の代表的日本人の歩みを振り返ると、独自の哲学や行動を生んだ陽明学の役割などが見えてくる。
    「自由」の観点から近現代史に新たな照明をあて、戦後民主主義の問題点も鋭くえぐり出す。
    あなたを古い考え方の束縛から解き放ち、勝手気ままではない、本当の自由を身につけるためのヒントに満ちた一冊。

    [ 目次 ]
    序章 自由って何?(理不尽という壁;いま考える「自由」という言葉 ほか)
    第1章 陽明学と近代日本(誰が、いまの「自由」という語を使いはじめたか?;「自由」の東西の決定的なちがいは? ほか)
    第2章 皇国史観と戦後の「自由」(戦後、占領軍の支配下での「自由・平等」;GHQによる報道管制 ほか)
    終章 自由への道(ポスト冷戦と自由の問題;冷戦期との決定的なちがい ほか)

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

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著者プロフィール

1947年生まれ。人間文化研究機構/国際日本文化研究センター名誉教授。総合研究大学院大学文化科学研究科名誉教授。

「2015年 『宮沢賢治 氾濫する生命』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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