アントニオ猪木とは何だったのか (集英社新書)

  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087212808

作品紹介・あらすじ

2022年10月1日、享年79。不世出のプロレスラー、アントニオ猪木は死んだ。わたしたちは「猪木ロス」を乗り越えて、問わなければならない。わたしにとって、あなたにとって、プロレス界にとって、時代にとって、社会にとって、アントニオ猪木という存在は何だったのか。アントニオ猪木とは果たして何者だったのか。哲学者から芸人まで独自の視点を持つ7人の論客が、あらゆる枠を越境したプロレスラー、アントニオ猪木という存在の謎に迫る。全て書き下ろし。◆目次◆壁抜けしつつ留まる猪木--入不二基義馬場派からの猪木論--香山リカA LONG TIME AGO……--水道橋博士存在無意識に生きたプロレスラー--ターザン山本1000万人に届く言葉を求めた人--松原隆一郎アントニオ猪木 あれやこれやの語--夢枕 獏猪木について考えることは喜びである--吉田 豪◆著者略歴◆入不二基義(いりふじ もとよし)1958年生まれ。哲学者。香山リカ(かやま りか)1960年生まれ。精神科医、プライマリ・ケア医。水道橋博士(すいどうばしはかせ)1962年生まれ。芸人。ターザン山本(たーざん やまもと)1946年生まれ。元「週刊プロレス」編集長。松原隆一郎(まつばら りゅういちろう)1956年生まれ。社会経済学者、放送大学教授。夢枕 獏(ゆめまくら ばく)1951年生まれ。作家。吉田 豪(よしだ ごう)1970年生まれ。プロインタビュアー、プロ書評家。

感想・レビュー・書評

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  • 小学生の頃、猪木を観てプロレスが大好きになった。
    テレビのスピーカーにカセットデッキを近づけて録音をしたなぁー。
    休み時間は、プロレスごっこ。「ロープに振ったら返ってこなくちゃいけないんだぞー」

    猪木の人生、知らないことがたくさん書かれてました。夢枕獏さんの個人的な思い出がストレートで良かった。

    自分にとってのアントニオ猪木は何だったのか?
    そうですね〜、、、世界で一番強い日本人でいてほしい人、かな。
    子供ごころに「感動」ということを教えてくれたことが忘れられない。実況をカセットで何度聞いても感動したなぁ。

  • ◆真実と虚像の越境者 [評]粂川麻里生(慶応大教授)
    <書評>『アントニオ猪木とは何だったのか』香山リカ、水道橋博士 ほか 著:東京新聞 TOKYO Web
    https://www.tokyo-np.co.jp/article/293523?rct=shohyo

    “アントニオ猪木とは何者だったのか!?” 藤波・ハンセン・新間・古舘が激白 - クローズアップ現代 - NHK(2022年10月5日)
    https://www.nhk.jp/p/gendai/ts/R7Y6NGLJ6G/blog/bl/pkEldmVQ6R/bp/pBe2a19gzN/

    アントニオ猪木とは何だったのか/入不二 基義/香山 リカ/水道橋博士/ターザン 山本/松原 隆一郎/夢枕 獏/吉田 豪 | 集英社 ― SHUEISHA ―
    https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-721280-8

  • 現役時代も現役を引退してからも、意識的にか無意識にか、多くの謎掛けを残していった猪木(猪木が現役バリバリだった頃はまだプロレスを見ていなかったので、あくまで印象だが)。とてもプロレス的で、今になってYouTube等でこれを分析するチャンネルがあって、楽しく見ている。だからこそ気になった本。内容としてはライトで読みやすかったが、ターザン山本の文章(文体?)に懐かしさを感じた。かつて週刊プロレスを隅から隅まで(何なら縦帯まで)読んでいたので、あの頃の記憶が蘇ったのかな。何とも不思議な体験だった。

  • もう一周忌。プロレスをこれまでも語ってきた論者たちの一年遅れの弔辞集です。ターザン山本の「プロレスについて考えることは喜びである。」というキャッチフレーズは大嘘だ、って言い放ち「猪木について考えることは喜びである。」とヤバすぎるエピソード連発する遅れてきた猪木ファン吉田豪。日本が世界に誇る三大偉人として空海と宮沢賢治と猪木と並べる妄想マックス夢枕獏。猪木を1000万人に通じる言葉を求めた人として、村上春樹の横に置くアカデミズム松原隆一郎。久々のターザン節がなんとなく旬じゃない感じのターザン山本。猪木、たけしだけじゃなく、村松友視、古舘伊知郎、ターザン山本に洗脳されまくりの人生突き進み、そして傷つく水道橋博士。今や、なんかそうなのかな…???と思える日本人論を展開する馬場派の香山リカ。「壁抜けしつつ、どこへも越境せずに留まっている」と猪木を謎に哲学する入不二基義。こうやってプロレス猛者たちの、なんか言いそうだな…という猪木論を読んでいると全体に既読感を覚えてこちらもそうとうに古参であること感じちゃってしまいました。いつも変化を見せてくれきた猪木の不在によって、これから新しい視点の新しい猪木論者出て来るのだろうか?と心配になりました。死ぬってことは過去になるってこと?猪木をノスタルジーで消費したくない!猪木は常に新しい、ってことで求むZ世代猪木論!

  • 玉石混交という印象。アカデミック?に猪木を語る事の是非はあるだろうが、学者の書いたものは概ねよかったように思える。好みの問題だろうけど。

  • 猪木の鈍感力

  • 2023年発行、集英社の新書本。猪木の追悼コラム集なのだが、『「いい話」を集めた単なる追悼コラム集にしない』と「はじめに」にあるように破天荒なコラム集である。とはいえ、「単なる追悼コラム」にしようと思っても結局はこのような破天荒なものになるような気がするが。ちなみに私はここにあるような面があまり好きではない人である。

    内容:『壁抜けしつつ留まる猪木』入不二基義、『馬場派からの猪木論』香山リカ、『A LONGTIME AGO…』水道橋博士、『存在無意識に生きたプロレスラー』ターザン山本『1000万人に届く言葉を求めた人』松原 隆一郎、『アントニオ猪木 あれやこれやの語』夢枕獏、『猪木について考えることは喜びである』吉田豪、他:「はじめに」(編集部)、「アントニオ猪木 年表」

  • 2023年10月読了。

    75ページのターザン山本による記述で、「これから先、アントニオ猪木はどんどん忘れ去られていく」とある。
    私ら世代(の男)を含む決して少なくない数の人々がアントニオ猪木をはじめとするプロレス界隈から何らかの「メッセージ」を受け取って成長してきていると、私は固く信じる者だが、たしかにもうアントニオ猪木はいないし、「アントニオ猪木を知らないプロレスファン」だって今や大量にいるのだろう。
    でもそれでいい。これぞまさに「学習棄却」。その上に新しいプロレスや「メッセージ」を作っていけばよい。

  • 面白かった。それぞれ面白かったが、
    やっぱりターザンの文章が1番面白い。
    これはもう「すりこみ」なのだと思うけど。
    テレビの古舘伊知郎、雑誌のターザン山本、
    この2人に言語能力は鍛えられた気がする。
    吉田豪がトリ、
    というのもパンクで猪木的でした。

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著者プロフィール

入不二基義(いりふじ・もとよし):1958年生まれ。東京大学文学部哲学科卒業、同大学院博士課程単位取得。専攻は哲学。山口大学助教授をへて、現在、青山学院大学教育人間科学部教授。主な著書に『現実性の問題』(筑摩書房)、『哲学の誤読――入試現代文で哲学する!』(ちくま新書)、『相対主義の極北』(ちくま学芸文庫)、『時間は実在するか』(講談社現代新書)、『時間と絶対と相対と――運命論から何を読み取るべきか』(勁草書房)、『足の裏に影はあるか? ないか?――哲学随想』(朝日出版社)、『あるようにあり、なるようになる――運命論の運命』(講談社)など。共著に『運命論を哲学する』(明石書店)、『〈私〉の哲学 を哲学する』『〈私〉の哲学 をアップデートする』(春秋社)などがある。

「2023年 『問いを問う 哲学入門講義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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