マイ・ブルー・ヘブン 東京バンドワゴン (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 2333
感想 : 210
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087466867

感想・レビュー・書評

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  • 話が壮大すぎるな〜とは思いつつ、みんながサチさんのために心意義を見せてくれていたり命がかかったドキドキするストーリーで読み進めるのが楽しくてしょうがない。

    前三作品を読んできてずっと気になっていた我南人や藍子・紺・青の名前の由来、稲妻のジョーさんやかずみちゃんとの関係などを知れて益々本シリーズのファンになりました

  • いやーっ、これが一番面白いわ

  • 語り部として本シリーズで重要な役割を果たしているサチさんの少女時代を描く番外編。
    東京バンドワゴンがこんなに凄い歴史を持つ古書店だったとは衝撃です。この頃から真っ直ぐ強い心を持つ人たちが集まる場所で、堀田家の面々がその伝統をしっかりと引き継いでいると思うと、今後の読み方が少し変わりそうです。

  • 東京バンドワゴン第4巻。今回は少し遡って勘一とサチさんの出会いから結婚までを描いた作品。時代は戦後間も無く、GHQが日本を再編成している頃まで戻りますが、そこはやはり全作品を通しての人情ものというか人間味あふれるストーリーになっていて何度も泣かされてしまいました。やはり、映像も見てみたいなぁと。おススメです。

  • 人気シリーズの第4弾にして、番外編。

    番外編?スピンオフ?前日譚?・・・・まあ、一番オーソドックスに、番外編としておこう。

    番外編と呼んでいいのかどうか、頭にどデカい「?」浮かんでしまうほど、シリーズ本編とは作品の毛色が違っていて、驚いた。

    日常の中にささやかなミステリ要素を取り入れつつの、ホームドラマ風人情物語・・・・という位置づけで読んできた本編とはガラリと雰囲気が変わった世界観に、軽く驚かされながら読みはじめた。

    戦後の政治の混乱に翻弄された少女を救う、侠気満載な男たち・女たちの冒険譚・・・。

    裏の世界のエージェントが味方についたり、
    一介の古本屋の店主が実は政界・財界・裏の世界に顔が効くスーパーな好人物だったり。

    もはや小説のジャンル自体が本編とは違うよね、と読中何度も呟いてしまった。

    けれども!
    間違い無しに、掛け値無しに面白い一冊だった。

    貫一じいちゃん、めっちゃ格好イイんでやんの。
    少女時代の幽霊ばあさんの、なんと可憐で、でも芯が強くて素敵な女性に描かれていることか。

    ジョー?マリア?かずみ?十郎?
    ……これって、既作に出てきたあの人たちのことよね?若き日の彼ら、なんと素敵な奴らなんでしょう。

    1~3を読み返したくなってしまう。

    ★5つ、10ポイント。
    20180604新

    ※巻末解説文で某書店員さんが熱く語っている通り、、、ジャンルも指定されずに「おすすめの本ある?」とか訊ねられたら、自分も間違いなく「東京バンドワゴン」のシリーズを薦めるはず。

    ※「箱」の中身の文書は、一体なんだったのだろう?

    いわゆる「M資金」のような、歴史に詳しい人なら皆が知っているような有名な(でも中学教科書レベルでは出てこない)歴史的文書なのか?

    歴史オンチなので、まったく分からない………

    詳しい方がいたなら、コメント欄にてご教授願いたい。

  • 小路幸也著「マイ・ブルー・ヘブン」
    東京バンドワゴンシリーズの四作目、というよりもシリーズの番外編と見るべきか。
    シリーズ中に大きな存在である幽霊語り部、「サチ」の姿が明らかにされる。
    なんと魅力的な作品だろう。シリーズの軸をなす日常ミステリーの枠を超え、そのテーマは戦後日本の復興と自立に関わってくる。
    著者はこのシリーズを書くにあたって、本作品を最初から念頭に置いて書き始めたのだろうか?
    だとしたらばとても凄い頭脳の回路なのだろうと感心してしまう。
    なぜなら一作目から始まって現代の東京の古書店に集まる人々の日常に浸っていた読者(私)はこの四作目でいきなり終戦直後の日本に引き戻されるのだ。
    初代店主の堀田達吉、息子の草平、その息子勘一と妻のサチ、彼らの生い立ちもここで初めて明かされる。
    でありながら、この時系列をさかのぼった作品「マイ・ブルー・ヘブン」は他の現代のシリーズにきっちりと繋がり、登場人物達をくっきりと浮き立たせもっと深く読ませてくれるようになる。

  • 楽しい、ほっこりとした気持ちになれるお話。いつも通りのメンバーだが、時代が遡っているなんて!
    それぞれの登場人物にドラマがあるのが、楽しい。

  • 東京バンドワゴンシリーズの番外編。
    いつも堀田一家をあの世から見守っているサチおばあちゃんの若き日のお話。
    戦後の混乱期、子爵礼嬢だったサチさんは日本の将来を左右する大事な物を両親から託される。
    多くの人がサチさんを狙う中、堀田家が彼女を匿い、色々な人の助けを借りながら、彼女は両親との再会を果たす。
    戦後の独特の雰囲気も表現されていて、心優しく包容力のある堀田家のルーツがとても良く分かる。
    やはり勘一さんはただものでは無かった。
    前3作をもう一回読み直してみたい。

  • 久々に再読。本編シリーズより好きかも(笑)勘一のかっこよさに危うく惚れるところだった…![2013.01.08]<再読>

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「本編シリーズより好きかも(笑)」
      へぇ~、早く追いつかなくちゃ!(「スタンド・バイ・ミー」で止まってる)
      「本編シリーズより好きかも(笑)」
      へぇ~、早く追いつかなくちゃ!(「スタンド・バイ・ミー」で止まってる)
      2013/01/18
  • 東京バンドワゴンシリーズ第4弾「マイブルーヘブン」
    いつも堀田家を優しく見守る「サチ」の娘時代を描いた番外編。終戦直後の混乱の最中、父親から託された箱が咲智子を窮地に追い込む。
    今回は勘一との運命的な出会い、前作「スタンドバイミー」に出てきたジョーさん、マリアさん、十郎さん、かずみちゃんが堀田家にやってきた経緯。独特な口調と音楽好きな我南人が誕生した理由、そして今まで知らなかったサチの意外な一面や魅力がたっぷり入った作品になっています。読み終わって登場人物をより一層好きになりました。
    あと、この本をもっと楽しむために題名の「My Blue Heaven」を聞いてほしい。人々が新しい時代を築いていこうという活気や希望がジャズのリズムにのって温かく感じられ、楽しい気持ちになること間違いなしです。オススメ♪

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著者プロフィール

1961年、北海道生まれ。広告制作会社勤務などを経て、2002年に『空を見上げる古い歌を口ずさむ pulp-town fiction』で、第29回メフィスト賞を受賞して翌年デビュー。温かい筆致と優しい目線で描かれた作品は、ミステリから青春小説、家族小説など多岐にわたる。2013年、代表作である「東京バンドワゴン」シリーズがテレビドラマ化される。おもな著書に、「マイ・ディア・ポリスマン」「花咲小路」「駐在日記」「御挨拶」「国道食堂」「蘆野原偲郷」「すべての神様の十月」シリーズ、『明日は結婚式』(祥伝社)、『素晴らしき国 Great Place』(角川春樹事務所)、『東京カウガール』『ロング・ロング・ホリディ』(以上、PHP文芸文庫)などがある。

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