マイ・ブルー・ヘブン 東京バンドワゴン (集英社文庫)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087466867

感想・レビュー・書評

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  • 東京バンドワゴンシリーズの4作目、今回は時代を遡って戦後の動乱の中おばあちゃんとおじいちゃんの青春時代が綴られる。

    おばあちゃんは元々子爵の令嬢でひょんな事から東京バンドワゴンに転がり込む。堀田家も元を辿れば由緒ある家柄だったようだ。そこに勘一(おじいちゃん)の個性的な友達も加わり現代にまで続く御節介で人情深い堀田家の日常。ただし今回はどこにでもある平凡な市民の暮らしとは言い難い。

    裏社会を取り仕切る親分やGHQの偉い人、日本の政界に君臨する大物まで出てきて一見穏やかじゃないんだけど、堀田家はいつものように賑やかに楽しい。

    若き日のおばあちゃんがとても可愛い。周りにいる人が思わず助けてあげたくなるのも頷ける。おじいちゃんは当時医学生でキングズイングリッシュを流暢に操るけど、がらっぱちの江戸っ子で我南人さんに負けず劣らずやんちゃだった。

    話が上手く行き過ぎるけど、安心して読めるし息抜きにはこのシリーズはとても良い。

  • 連続ドラマから入って読んでいます。
    小路さんが懐かしのホームドラマにオマージュを捧げた作品。
    今までは古本屋「東京バンドワゴン」のおばあちゃん、サチさんが天国から語り部となって進んでいましたが、今回はサチさんがお嫁に来た頃の戦後のお話です。
    ほのぼのホームドラマから一転、スリルあるミステリーが展開されて行きます。
    連ドラを見て以降、ついおばあちゃん役の加賀まりこさんの声をイメージして読み進めてしまいました。
    堀田家の人達が人情に厚いのは血筋なのだと実感出来、何故お店が「東京バンドワゴン」という名前なのかもわかる一冊です。

  • 堀田家って実はそんなに名前のある家だったのね。びっくり。空襲にやられなかったとは、すごい強運の家だわっ。サチがまさか華族だったとわっ!

  • サチおばあちゃんと堀田家との出会いのお話。

    堀田家は昔から人が集まる家なんだなぁ。

    堀田家が凄い家だったことや、勘一じいちゃんのお父さんやおじいさんが凄い人で、はたまた勘一じいちゃん自身も凄い人だったのがびっくりした。
    そういうところがちゃんと息子や孫に受け継がれているんだなぁと納得。

    我南人がミュージシャンになったのも、一緒に住んでる家族がみんな音楽好きで楽器が弾けてという音楽一家に近い環境で、自然に音楽の英才教育をされて育ったからなのかなぁとも。
    あと気になってた我南人の名前の由来が意外にも単純なもので笑った。

    サチおばあちゃん勘一おじいちゃん、かずみちゃんなど堀田家の昔のことが知れて、また今までのシリーズを読み返しても違う視点から読めて面白いし、今後のシリーズを読むのにも理解が深まるし、この番外編読んでよかった。

    本当に好きなシーリズ作品。

  • 過去まだ我南人も生まれていない頃にバンドワゴンはどんな姿だったのか、そして勘一とサチの出会い。いつもの些事を解決していきつつ時代背景がみえかくれしていて、わくわくしました。

  • 東京バンドワゴンシリーズ4作目。終戦直後が舞台で、勘一とサチの馴れ初め。

    いつもの日常の謎とは違い、国家レベルでの重要機密をサチが持たされたり、それを守る為に裏稼業の人達が集まってきたりと冒険活劇でした。
    それでも泣かせポイントがたくさんあって、暖かい気持ちになります。
    ややこってりでしたけど。。

    実はすごい家系だった、というのは今後のシリーズにも影響するのでしょうか?
    また先が楽しみです。

  • サチさんの昔話。
    これだけ長編だが、昔から続く人情の世界が心地よい。
    勘一さんとサチさんがお似合いなのもよい。

  • 現在の堀田家から過去に遡り、勘一とサチの馴れ初め、昔の東京バンドワゴンの生活が描かれた作品。

    読み始めたら番外編で驚きました。
    そして、勘一とサチの出会い方が、ハラハラドキドキで、戦争後の世の中で、衝撃的でした。
    また、勘一にびっくり…。
    柔道、ベースができて、英語がペラペラで、しかも医大に通っている…
    すごい何でもできる人だったのかと新たな一面が見れました。
    また、サチもサチで、華族出身で、すごい生い立ちでした。ずっと今まで、ごく普通の出会いや家庭だと思っていたので、覆されました。
    そして、前作で名前だけ登場してきたジョーさんやマリアさん。突然やってきたかずみさんのことも、ようやくわかりました。
    次作から、堀田家、特に勘一を見る目が変わりそうです。
    次は現代に話が戻るようですが、楽しみです!

  • 再読。
    シリーズの中でこの作品が一番好きかも。
    名前の由来が分かって、こんな家族でありたいと思う。

  • ★2014年11月3日読了『マイブルーヘブン』小路幸也著 評価B+
    東京バンドワゴンシリーズの第4作目
    東京バンドワゴンとは、東京下町の老舗の古本屋。この店に嫁いで来た堀田サチとこの店の二代目堀田勘一の終戦直後の馴れ初めを語る。

    その馴れ初めは、一言では語れないハラハラドキドキの展開。これまで平成現代の日常を寅さん的に語っていたいつもの東京バンドワゴンから一転して、タイムカプセルに乗ったように昭和20年へ。小路幸也の巧みな物語展開力で、ますます登場人物の深みが増してくる。上手いなー小路。

    だから映画化もされて、本も売れるのでしょうね。物語に深みがあるわけではないが、面白い。21世紀の日本を代表する大衆作家の一人ですね。

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著者プロフィール

1961年、北海道生まれ。広告制作会社勤務などを経て、2002年に『空を見上げる古い歌を口ずさむ pulp-town fiction』で、第29回メフィスト賞を受賞して翌年デビュー。温かい筆致と優しい目線で描かれた作品は、ミステリから青春小説、家族小説など多岐にわたる。2013年、代表作である「東京バンドワゴン」シリーズがテレビドラマ化される。おもな著書に、「マイ・ディア・ポリスマン」「花咲小路」「駐在日記」「御挨拶」「国道食堂」「蘆野原偲郷」「すべての神様の十月」シリーズ、『明日は結婚式』(祥伝社)、『素晴らしき国 Great Place』(角川春樹事務所)、『東京カウガール』『ロング・ロング・ホリディ』(以上、PHP文芸文庫)などがある。

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