- Amazon.co.jp ・本 (592ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087474510
感想・レビュー・書評
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スーパーマンでなく、普通の探偵のハードボイルド作品。
幾重にも重なる人としての境界。
越えた者と、越えようとしている者、越えられない者。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
昔読んだ本
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内容(「BOOK」データベースより)
ロサンゼルスの日系企業で働く探偵のサム永岡は、一人の若者を探すように命じられた。国境に近い町で見つけた彼は、天使のような笑顔を見せながらいきなり発砲してきた―。人としての境界を越えた者と、そんな息子の罪を贖おうとする父親。ふたりにかかわった永岡もまた、内なるボーダーラインを見つめる…。重層的なテーマが響く傑作長篇。 -
あどけなく笑う我が子の心をどうして疑えよう。全身全霊で耳を傾け、愛情を注いできた。
今度こそと思っては裏切られる。笑顔で暴力をふるうあの子が本当に分からなかった…。
アメリカが舞台のハードボイルド小説です。主人公の同棲中の彼女が謎の家出中だったり
友人を助けられなかった過去を振り返ったりと、本筋とは関係のないエピソードが多かった。
そっちの話も面白いのだけど「父、息子、探偵」だけでも良かった気がしました。 -
なかなかにドロリとしたテーマを扱ってて好印象。人は生まれながらにして悪人なのか、それとも善人なのか。少なくとも自分の周りでは、日本ではなのか、性悪説というのにはかなり抵抗があって、やっぱり性善説の方が受け入れやすいというか、だって生まれながらにして悪人じゃあ悲しすぎるじゃない?ていうか。マジで。
という人がやっぱり多いよね。みんな違ってみんないいー、とか歌ってても、そこだけは譲れないというか。違っちゃダメ的な。それがもしダメな人間が作られたなら、それは環境のせいか、親のせいか、はたまた社会ののせいか。と理由を作るわけで。
とかなんとか、熱く語らずにはいられないクールさなんだけども、ちょっと主人公の語り口というか、そこらへんがドロドロ感からはほど遠く、いちいちカッコつけてるのがね、ちょっとムカつくよね。もっとドロドロなところを吐きだしていこうや。お前まだ本心さらけ出してないよ。って金八なら言うよ、きっと。
でもなんだかんだ言って、主人公の異常な執着が割と一番怖いかもなぁ。なんでそこまでするねん、ってな。 -
かもなく不可もなく。普段読まないジャンルだから、それなりに楽しめた。
最後まで読むとタイトルの狙いもわかる。けど、ちょっと最後やっつけた感あり -
真保氏、また一皮剥けて今まではちょっと違う作品を献上してくれました。
もともと社会派(ご本人はこう言われるのを嫌っていらっしゃるようですが)と言われ、マイナーながらもとてもプロフェショナルな職業を取り上げていたので、どちらかというとハードボイルド的な筆致ではあったんだけど。
本書で好感が持てたのは、主人公・永岡オサム(通称サム)が特にカッコイイ探偵とかではなく、普通の人で、どういうわけか探偵と同じようなことをするようになっていた、という人だから、すごく悩む。
普通の人なら当たり前だと思う。
どこまで調査上、プライベートに首をつっこんだらいいのか、などなど。
彼自身、トラウマとなっていることもあるのだが、この事件にかかわって大きく成長する。そしてカッコイイ人となるのだ。
「ボーダーライン」はもちろん「国境」を意味し、本書でもUSとメキシコのボーダー付近の町などがでてくる。
それにかけて心のボーダーライン(境界線)についても触れられている。
こっちの方が本筋だけど。
その心の境界を越えてしまった、それも息子を持った親の気持ち。
読んでいてとても痛い。
親にだって打算はある。
それに人間なのに。子供たちはパーフェクトな親を求める。う・・ん、つらい(苦笑)。
私がもう親の側だから思うのかもしれないけれどね。
自分の子供が・・・と考えると、子育てというのは本当に大変なことなのだと考えさせられる。
是非、サムを主人公にしてUSでのハードボイルド的活躍を書いて欲しいものだわぁ。 -
ん~~。
いい本だったよ~。話も奥深くて、親子の関係や好きな人の関係、友人や上司との関係。
そのいろんな意味でのボーダーラインを書きたかったということがよく分かったよ。
でも、なんだか虜になるほどの本ではなかった。。。
なんでだろう。。。。
たぶん映像化すると役者でその人物に磨きがかかってよく見えるだろうけど、活字化にしちゃうとイマイチ「これ!」って言うポイントがないような気がする。。。
何がよかった!って一言で言えないんだ。みつからないの。
でも、全体的にはよかったの。
それにしても、この著者さんの名前はなんかすごいよね。
初め「ジンボ」とかだと思ってたけど「シンポ」なんだ~。
ちょっと笑える。