- Amazon.co.jp ・本 (592ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087474510
感想・レビュー・書評
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作者の真保裕一は、「連鎖」で江戸川乱歩賞、「ホワイトアウト」で吉川英治文学新人賞、「奪取」で日本推理作家協会賞と山本周五郎賞を受賞している。この作品も直木賞候補作である。総和信販のロサンゼルス支社の調査部主任調査官として働く永岡おさむは、「安田信吾」という人物を探してほしいという仕事の依頼を受ける。おさむは、私生活でも同棲していた恋人のメリンダが失踪するという事件を抱えながら、安田信吾を探しに行く。銃が身近にある社会でのいつ命を奪われるかもしれない緊張感と、信吾を思う父親、妹、おさむの描写も上手く書かれている。たいていの推理小説がそうであるように1度目が一番面白く感じる作品。
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探偵が主人公ですが推理物ではありません。現実の探偵ってこういうものだろうと思います。
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グリーンカードと探偵認可証を取得し、ロスでカード会社の顧客の起こしたアクシデント処理係をしている男が、一人の日本人青年を探すように命じられる。その青年は、人としての心を持たない獣のような人間だった・・・。
ボーダーラインとは、舞台となるメキシコとの国境付近の意味もあり、また、人と獣の境界も意味している。
人は、何を持ってして、どこで、獣にはならずに人間であろうとするのか。
日常生活の中に息を潜めている危うい境界線をじっとりと浮き彫りにしたハードボイルド小説。 -
すごく考えさせられる作品でした。「生まれながらの犯罪者」なんて絶対にいないと言いたいけれど、どうしてもそれだけじゃ解決できないことが現実にはあると思う。
この作品のテーマはどんなに考えても答えがでないものだと思うので、
読む人によっては受け入れられない作品かもしれません。 -
アメリカで探偵をしている主人公が人探しを頼まれるんだけど、その相手が笑顔で人を殺せる男、そして父親すら殺してしまうという物語と、主人公の恋人の失踪の物語が同時に進んでてなかなか深い物語だった。長かったけど、はらはらしておもしろい。
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テーマは大きいですが、舞台は海外なので、イメージが沸き難い。なぜアメリカ等の海外が舞台でなくてはいけないのかわからない。
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人の心というのには、後天的な要素がどれくら含まれているのか?
探偵である主人公が追うサニーというターゲットは、あたかも蚊を殺すように、人に危害を加える。
どうしようも更正できないココロというのは、実際にあるのだろうか。 -
真保裕一さんの作品はどれも裏切りがないほどいい作品です。この作品は、初めてのハードボイルドらしいですが、それだけに終わらない内容でした。ハードボイルドと言えば、パターンが同じで探偵がたいてい、酒とタバコで決して健康と言えず、一人で難敵に立ち向かうって感じで、あまり好んで読まないけど(Bブロンジーニの「名無しのオプ」シリーズなど時たま気に入ったものがあるようで読んでいますが)、この作品はなかなか人間的な探偵が出でます。それが読み続けられた最大の点でしょう。
作品名のボーダーライン、、、いろんな境界線が出てきます。越えられない境界線があるからいいのかもしれない。作者の真保さんは心優しい方なのでしょう。
2002.8.29 -
2002/10/4〜読みはじめました。
宮部ワールドから真保ワールドへの切り替えが難しそうだ・・・(-ω-;)ウーン
なんせ分厚い!!!
〜2003/1/9読み終わりました。
3ヶ月もかかってるし☆ヾ(≧∇≦)oひゃっはっはっ!!
いや〜、途中で読みたい本が出て来ちゃって(ハリポタ)
こんなにも掛かってしまったよ。
でもね、内容がそんなグングンひきつけられなくってそうなっちゃった・・・ってハナシもある。
まあ後半・・・ラストスパートは勢い良くイケルんだけどねぇぇ。
真保作品の中ではあまり好きな部類には入らないかも。
ラストの方もちょっと無理ある引っ張り方だし・・・さ。
あと一番気になったのが、イチイチ『代車のメルセデス』とか『●●の●●』って車に説明がつくの。
何故だろう???
好きなのかな・・・車。 -
性善説と性悪説。生まれながらにしての犯罪者はいるのか?という命題に、切込みがもう少し欲しいところではあるけど・・必ずしも、生まれてから学んで、悪の道にすすむものばかりではないのではないか、と思う。