- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087488463
作品紹介・あらすじ
年金暮らしの老女が芸能人の"おっかけ"にハマり、乏しい財産を使い果たしていく「おつかけバアさん」、"タヌキには超能力がある、UFOの正体は文福茶釜である"という説に命を賭ける男の「超たぬき理論」、周りの人間たちが人間以外の動物に見えてしまう中学生の悲劇「動物家族」…etc.ちょっとブラックで、怖くて、なんともおかしい人間たち!多彩な味つけの傑作短篇集。
感想・レビュー・書評
-
多ジャンルで幅広い作風の東野圭吾さん。多くの未読作から、裏シリーズ(?)的『◯笑小説』第一弾である本書を手にしました。
『怪笑小説』から始まり、『毒』『黒』『歪』と4作品あるようで、本作は1995年刊行です。
9編からなる短編集ですが、東野圭吾さん、力一杯笑わせにかかってますね。それも、普通の笑いでなくブラックな笑いを誘ってきます。ちょっとニヤッとし、後からコワッとなる感じです。
「あの東野圭吾が?」と戸惑う方もいるかもしれませんが、逆に懐の深さを感じさせます。執筆しながら、ご自分で楽しんでいるんじゃないでしょうか?(多分)
9編いずれも、身近な処から題材を探し、テンポよく読め、登場人物の内面(個性的で共感得られる)もよく描かれています。そこにきて、最後のひねりの効いた結末は、独特の雰囲気があって、不気味で怪しい笑いが後を引きます。
隙間時間でも読める短編集という他に、東野圭吾さんの別の魅力(コメディタッチ、シュールさ、ブラックさ)を体験したい方にピッタリです。
巻末に9編全てのあとがきが書かれていて、着想のきっかけや思い入れなど、その丁寧な内容がとても興味深かったです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
タイトル通りユーモアを交えたブラック短編集。
最初の「鬱積電車」からもうやられたって感じ。
「おっかけバアさん」は確かにこういう人いそうとも。
ほとんど最後はブラックな終わり方で。
最後の「動物家族」は色々やべぇ。
東野圭吾さんの多様性を改めて感じた1冊でした。
本当に面白かったので次作も読もう。 -
はははは。
小説を読みながら声を出して笑ったのは初めて。
私には爆笑小説でした。
長編の合間にも良いですよ。 -
最近読んだ本が、どうも重たくて気持ちが沈みがちだった。
明るい本で気持ちを切り替えよう。と読んだけど、案の定楽しく笑いながら読めた。
-
凄〜く気軽に読めて、
クスッと笑えて、
◯笑シリーズは箸休め的な感じで
好きです。
あるジーサンに線香をがオススメです!
-
ひょんな事から「名探偵の掟」を読み(今頃)ここへ辿り着いた。というのは違う。そこには「毒笑小説」についての記載があり、なぜか積読になっていたこの本を思い出したのだ。私の読んできた著者とは違う著者が居た。サイコーだ。大好きな筒井康隆を彷彿とさせるテイストを感じ、めちゃくちゃ気に入ってしまった。特に「動物家族」。家庭なんてみんな仮面被って本心晒したりしない集合体。と、思うに至っている私にはこれこそリアルなんじゃ?と思えた。哀しいコトだが。しかし…心底こっち系の方が好きかも…と思うほど大爆発している人気小説とは違う感じがあり、これは「毒笑小説」も読まねばならない。
-
どれも不思議なお話。世にも奇妙な物語みたいな。
あり得ないけど、人間のブラックな部分や心情が妙にリアリティでじわじわくる。 -
どの話も気楽に読める感じ。
あるジーサンに線香を、が1番好きかな。
鬱積電車、おっかけバアさんもなかなか面白かった(^ ^) -
クスクス笑えました。おっかけばあさん、無人島の話、しかばね分譲住宅が特に良かったです。どれも難しい設定ながら、書き出しで引き込まれ、状況がスッと入ってきます。テンポもオチもいい感じでサクッと読めます。大好き度❤️❤️