たけくらべ (集英社文庫 ひ 11-1)

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  • 集英社
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感想 : 49
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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087520446

感想・レビュー・書評

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  • 638夜

  • 美麗なカバーに惹かれて購入。いちご100%の人だと後で気付いた。最近ジャケ買いばっかりだな。

    「たけくらべ」「にごりえ」「十三夜」の三作品が収録されている。明治文学、115年前の作品だけあって、かなり難しい。
    例えば、「たけくらべ」の冒頭は、

    廻れば大門の見返り柳いと長けれど、お歯ぐろ溝に燈火うつる三階の騒ぎも手に取るごとく、明けくれなしの車の行来に、はかり知られぬ全盛をうらないて、
    「大音寺前と名は仏くさけれど、さりとは陽気の町」
    と住みたる人の申しき。

    と始まり、これだけで既に解説が6個も付いている。最初の「たけくらべ」が一番難しくて挫折しかけたけど、「にごりえ」「十三夜」は会話が多いので比較的読みやすく、スムーズにいけた。


    「にごりえ」、「たけくらべ」ともに、娼婦が主人公の話だとは知らなかった。国語の教科書で、作品名しか教えてくれなかっに違和感があったのだけど、ようやく理由を理解した。

    巻末の解説に、一葉自身の半井桃水との恋愛模様が書かれていて、勉強になった。

    樋口一葉、享年24歳だとか。自分も頑張らなきゃ。

  • 「たけくらべ」「にごりえ」「十三夜」所収。正直、読むの大変でした……。わかっていない部分、多々あります……。それでもなんとなく、現代の口語体では表現できない、洗練された言葉の美しさ、みたいなものは感じれたと思います。学校でやる古文なんて読むと、なんだか冗長な印象を受けるけれど、一葉の文章は、すらりとして、かつ引き締まっている、その上情緒のような味わい深さもあるなぁと思いました。……十分に理解はできていないけれど。印象として。読んだ3編のうち、どれが一番というのは決め難いですね…。ですが撰ぶとしたら、「たけくらべ」でしょうか。最後のシーンがやはり印象的ですね。タイトルも、「伊勢物語」を知っていると一層しみじみするし。ところで、根本的な疑問なのだけれど、なんでこの「たけくらべ」なんでしょうね?もちろん幼馴染同士の恋、というモチーフで共通はしているけれど、「伊勢物語」では随分ストレートなのに、こちらは美登利がツンデレだし、結局結ばれない(と思わせる)最後だし。

  • 河下先生の表紙につられて。ゆっくり読んでいきます。

  • 「にごりえ」は大学での記念すべきゼミデビュー作品であり、僕の思い出の作品となった。なんといっても物語の終わり方が抜群に素晴らしい。

  • 大学の演習にて使った『十三夜』の収録されている本。他二編『たけくらべ』『にごりえ』樋口一葉は今まで名前だけで読んだことがなかった。しかし、やはりお札になるだけあって面白い。明治期の女性、社会の制度から出られない悲劇。注が下に付いているのでぜひ機会があれば読んで欲しい本です。

  • 文語って難しいけど素敵だと思う

  • 十七歳のときに父親が病死し、一葉は一家を支えなくてはならなくなる。生活は行き詰まり、東京下谷の竜泉寺町で子供相手の駄菓子、おもちゃの小店を開くようになった。商売は失敗に終わるが、その店の周辺の風景や風俗が「たけくらべ」をうみだす貴重な題材となった。

  • 年若いながらも将来花魁になることを背負った気高さの中に美しさを感じるみどりと
    けんかが強いが、素直でかわいくみどりが大好きな正太郎。その褒め言葉は子供の言葉ながら
    ほんとに素直でこちらが照れくさくなってしまう。
    龍華寺の信如(のぶさん)とみどりが雨の中お互いを意識しすぎて
    反目しあう姿もいじらしい。そして雨の中、濡れ行くままのチリメンの
    切れ端。きゅんとくるせつなさ。
    長吉が荒くれものでみんなに煙たがれながらも、自分ははだしで歩いてゆくからと
    信さんに下駄をそろえて差し出すところも、ほほえましい。
    読み終わって、久しぶりになんだか心地よくなれる話だった。

  • 原書で読むことがおすすめ

    1回読んだだけでは分からない
    2回目読んで言葉の意味を理解して
    3回目を読み、物語の美しさをかみしめる

    そんな本


    甘酸っぱい

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著者プロフィール

1872年、東京に生まれる。本名なつ。92年、20歳で小説『闇桜』を発表。以降、96年に24歳で
亡くなるまで、『大つごもり』『たけくらべ』『にごりえ』『十三夜』などの名作を書いた。

「2016年 『漫画版【文語】たけくらべ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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